うそつきいじわるだいきらい。の続きなものっぽいのですよ。

( ´ ▽ ` )ノ

 

 

駄目駄目ヘタ蓮さん視点、はじめました。→ごめんねゆるしてあいしてる。

 

 

 

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「……………ごめんね?」
キョーコちゃんと……私を呼んだ低い声がそう続けるのと同時に、滲んだ階段を映していた目の前の視界が暗く覆われていた。
 
 

 
「……コォ…ン?」
振り向こうとしていた私の頭を止めるように、両目を覆った大きな手のひら。
抱き込むみたいにされた後頭部にあたるぬくもりに、確かめるみたいにグアムで再開した懐かしい大切な妖精の名前を呼ぶ。
「うん。キョーコちゃんが呼んでくれたから……来れたんだけど……ここ、この前の時の場所と違って、木も水も空も少なくってあんまりパワーがないから……上手くこっちに馴染めないみたいなんだ。だから、ごめん、キョーコちゃん俺を見ないでいて?」
私からレンタルされたままの敦賀さんの声で、キョーコちゃんが不完全な姿の俺を見ちゃうと認識がズレちゃうとこっちの世界から弾き出されちゃうかもしれないから……って、コーンが困ったみたいにそう教えてくれた。
あの綺麗なお日様の光みたいな金色の髪と優しい翠の瞳が見れないのは残念だけど……グアムのあの綺麗な海と違って自然なんてほとんど残されてない東京のど真ん中だもん。
解った、コーンを振り向いたりしないよと瞼を瞑り両目を覆われたままで頷くと、縮こまっていた背中を起こすように抱き寄せてくれた手が肩をポンポンと叩いてあやす。
まだ、ぐしゅっと鼻がなってしまうけど、呼吸の仕方さえわからなくなったみたいに苦しかった喉に酸素が入り込む。
 
 
 
 
「………キョーコちゃん、どうして泣いてたの?」
耳のすぐ後ろ、聞こえてくる低い優しい声。
その声に、覆われた手のひら下、閉じた瞼の裏に浮かび上がってしまうのは……私の心に恋心なんてものを根付かせてしまったひと。
きゅぅっと心臓が痛んで涙が滲んでしまいそうで、声も出せずにいると……
「お母さんと何かあった?………それとも、ショーちゃん?」
私がコーンと出会った時に泣く原因だった母と、それと、すごく嫌そうにアイツの名前をあげる。
その敦賀さんの声での問いに、敦賀さんへ抱いてしまった愚かな私のこの恋心を消して欲しいとコーンがくれたあの魔法の石に願ったとも答えられずに、ただ黙ったままで頭をふるふる振って否定を伝える。
「………………敦賀さん?」
つぶやくみたいにそう聞いてくるコーンの声。
ビクンと、揺れてしまった肩。まるでその通りですって白状してしまったような反応。
「…………そんなに、嫌い…なの?」
押し殺したように震えた小さい声で…………敦賀さんの声で
両目を塞ぐ手のひらを濡らしながら強く瞼を閉じたまま、頭を何度も左右に振るう。
低いあの声がそんな私へと問いかけた。



「じゃぁ、どうして…………『寂しい』なの?」
 
 
 
 
 
昨日の夜、あの部屋で敦賀さんに告げた別れを望んだ……私の言葉。
エコバッグに詰め込んだ敦賀さんの家に私が持ち込んでいた調味料やテーブルの上にそっと置いたカードキーとお姫さまのティアラみたいにキラキラとした敦賀さんからの贈りもの。
大量の夕飯に困ったみたいな笑顔と淹れてくれたコーヒー。
擦り寄った私にギクリと身を固めていた良い香りの広い胸と呆然としたみたいに私の左手を掴んでいたあの大きな手。
 
 
 
 
地獄まで抱えていく筈だった想いが、胸をキリキリと締め付ける。吐き出してしまわないように唇を噛むけれど、苦しくて吸い込んだ息にヒィックとひくつく喉が無様に震える。



「っ……コ…ーンの、うそ…つきぃ。私の、許可なく…勝手に…頭の中、見たりしないって……言った…のに…」
嗚咽に声を途切らせながら、約束を守ってくれない妖精を詰るように咎めるけど、低い声が優しく促す。
「うん、ごめん…ごめんね。教えて?……どうして、キョーコちゃんは敦賀さんと居ると寂しいの?」
まるで、この胸に巣食う痛みを吐き出してしまえとそそのかすみたいに。
その声に、噛み締めていた唇が……ぽそりと落とすみたいに震えて言葉をこぼしてしまっていた。

 
 
 
干からびてしまいそうな神々しいあの笑顔。今朝の私から目を逸らし背をそむけられてしまった夢。さっき見た、よく似合うよと金のブレスレットに手を伸ばしほほ笑む敦賀さん。
そんなのが、昨日から泣き過ぎて靄がかかったみたいに重たい私の頭の中いっぱいに、ぐるぐるでぐちゃぐちゃで。
胸が痛くて、苦しくて、辛くて……涙が新しく滲んで瞼を覆う大きくてあたたかい手のひらを濡らす。
 きゅぅっと強く握りしめた手のひらに爪が痛い。
 
 


 
「だって………だって、敦賀さん……笑うの。私を…『彼女』だって、言って……嬉しそうに……笑うの……」
 
 
 
 
 
その笑顔の度に…………どうしようもなく、寂しくて……
 
 
 
 
 
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妖精詐欺が出たぞっと。
 
 
 
猫木のところの蓮さんは、最終的にゃやっぱり詐欺師。笑
(*ΦωΦ)
 
 
いや、この話最初はキョコさん視点のみな予定だったんすけど、そーすると、蓮くんはヘタれてまんまとキョコさん逃したあげく何処からともなくひょっこりと現れて妖精詐欺を働く事になりやがるんですよねー。
いやいや、キョコさんが泣いた分、蓮くんもジレジレ悩めよ……とか思ってしまいまして。
そんなヘタ蓮視点なものを作ってしまいましたので、予定より長くなってしまいましたけど、たぶんあともう少しで終わらせられる……筈?
よろしければ、お終いまでお付き合いくださいましー。
ヽ(´▽`)/
 
 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

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