うそつきいじわるだいきらい。の続きらしいものと相成りました。
( ´ ▽ ` )ノ


駄目駄目ヘタ蓮さん視点、はじめました。→ごめんねゆるしてあいしてる。



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煌びやかで賑やかに、多種多様なたくさん人々の行き交うエントランスホール。
どれだけ息を潜めて歩いたって、目を引く派手な色合い。それでも、ビクビクと身を潜め可能な限り隅っこの方をこっそりと進む。



あんなに嫌だった、ピンク色。
だけど、もうどんなにファッションセンスを疑われたって、目を疑うみたいに大袈裟に二度見されたりするのにもすっかり慣れちゃって、なんならノリノリで決めポーズまで付けちゃえるほどに勝負服だった筈のドピンク色のツナギ。
きっと、今の私のこの色は『警戒色』。
天敵からの捕食を避けるように、自分に毒があると知らしめる危険を示す警戒色。 
不快な思いをさせますから、どうか目に入ってしまったなら避けて遠ざかり決して関わる事のないようにしてくださいと、そう視覚へと告げる色。



如何に、地味で色気も華もない私でも、この色を纏っていては……人目を避けるのは難しい。
『……あぁ、判った。大至急そっちにひとをやるから……大丈夫だ、一目でわかる。派手なピンク色の子がそうだから……』
慌ただしく、ラブミー部への雑用の終わりを報告に来た私を視界に収めながら、タレント部のデスクの電話に向かってそう椹さんはそう言うと受話器を置いてしまった。
急ぎで頼むよ、なんて依頼されてしまった緊急で書類のお届けなお使い。
嫌だなんて言えないままに有無を言わせずに持たされてしまった書類封筒。これを待つ依頼主が待つのは……とある、テレビ局。
逢いたくないひとが、仕事をしているだろう場所だった。
こんなはやく、近くへと……しかも、この服でなんて……こんな筈じゃなかったのに。




地味でぱっとしない、そんな私と誰よりも輝ける多忙なひとだから。
もしかしたら、このまま顔を合わせる事なく、今までみたいに貴方を頼る事なく迷惑を掛けないように、その視界に入らないようにひっそりと息を潜めるように……
逢わないままでいれるかもしれない。
そして幾年か、降り積もる日々の時間が積もり積もって…………私なんかの記憶はあのひとから薄れる事だろうか。
そんな日々を地獄へと落ちるその日まで積み重ねるから。
だからどうか、その背を一方的に遠くから見つめて追いかけ続けてしまう事を、どうか許してはもらえないでしょうか?



そんな私の愚かな望みを踏み砕くように……





誰だったか……新進気鋭な現代建築家のデザインで立て替えたばかりの真新しいビル。その上層階で、手の中の書類を待つ依頼主の元へ、逸早く依頼を達成させてしまおうと乗り込んだエレベーター。広い吹き抜けと、それを見渡せてしまえるガラス張りスケルトンでおしゃれなその箱。どこへ運ぶのか、大荷物の乗った台車と上へと向かう幾人かの人に押し込まれるみたいにそのガラスの壁に寄り添うように立つ。
この空間にあのひとがいない事にそっと微かに息を吐き出して、何気なく眺めていたそのガラスの向こう側に……見つけてしまった。
どこに居ても、私の視線を惹きつけるひと。




にこやかに、笑う。
隣に立つ綺麗な女性の手を取り、甘やかに微笑むひと。
嬉しそうに、頬を染め、愛らしく笑う彼女。
細い手首にキラキラと光って揺れたブレスレットと、それを見つめて……あの耳に心地よい低い声を零す唇を読んでしまえば、告げていた。


『よく似合ってるよ……』


あの部屋で、私にも何度となく言ってくれていた……あの言葉を






大丈夫、大丈夫よ。
解っていた事じゃない。
彼女へと向かい合っている敦賀さんは、私を見つけてもいない。
だから、大丈夫なの……
震える腕の中、抱き込んだ書類袋がぐしゃっと小さく、カサついた音をさせるのが聞こえる。
呼吸の仕方が下手になったみたいに、上手く息が吸い込めないのが苦しい。
お願い速く、ねぇ、速く。




敦賀さんの視界に、不快なこの私を示すピンク色が映らないようにどうか速く……





重力に逆らうエレベーターに運ばれて、今更にも酷く思い知らせるように遠去かって行く……愛しいひと。





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んー、にゃはははは。
話がなかなか進まなーい。
楽しいのかな、これ?(´・ω・`)
キョーコさん泣いてないけど、次からラストまで泣きっぱなし予定。



あ、キョコさんの読唇術は正確です。
(*ΦωΦ)



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

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