いつも飴なぅなんかで遊んでいただいております、お素敵サイト『たまこのラクガキ、カキカキ。』たまこ様のところより
素敵に和風な超麗しく妖しい美しい蓮さんとキョコさんを強奪して参りましたっ!!
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んふーふ。( ´艸`)
なんとこちら、飴なぅにて「猫木のとこの蓮キョっぽい」と言われまして………
日頃の行いゆえでしょうかね?笑
うちのとこのひとは良く歪んでおりますから。


それじゃぁ、未亡人と書生、若旦那と女中、ぬらりひょんと座敷童子……どれがいーい?って聞いてみちゃったりしたら
「若旦那と座敷童子、蔵に捕まえて囲って啼かせて。」
とのお返事いただきましたので……
調子に乗った猫木がぽちぽちと駄文を書いて、毎度の如くてろで押し付け捧げさせていただいたものと一緒にご紹介させていただきます。


あ、実はコレ、続きがございますが限定行きする予定にてございます。最後もたぶん限定で終わるかもしれませぬ故、ご了承くださいまし。


では、猫木の駄文なものの後に飾らせていただきましたたまこ様のイラストをご覧くださいまし。




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『箱庭に咲く華。壱』



まだ薄暗い庭園に薄っすらと積もった雪を踏む足音が響く。
静寂な白の景観の中にひそりと咲き誇る寒椿。その銀世界の中で艶やかに健気な色を泛べた紅に大きな手を伸ばし、一輪をそっと摘み取る。
椿を手にし、すらりと佇む美丈夫。その姿は匂い立つように烟る男の色気を漂わせていて、浮世絵にでも写せばさぞ飛ぶように売れるだろうと思わせるほどだ。
ふっと笑みを乗せた唇から白い息が昇る。
椿を片手にサクリサクリとまた雪を踏み歩む蓮。広大と言ってしまえる敷地を誇るここ、老舗廻船問屋敦賀屋の若き旦那である。
店屋敷の奥付に建つ漆喰総塗籠の土蔵、その扉には鈍く光る厳重なダルマ錠。
蓮は周囲のひとの気配を密かに探ってから二重回しの下の袂からその鍵を取り出して差し込む。
ガチリと冷たく重い金属音がし、ギィィと軋む音を立て切り取った蓮の箱庭的隔離世界への隙間が薄く開かれる。
するりと身を滑らせる蓮を飲み込み再び軋んだ音を鳴らせながら閉じた重い扉。
鍵の落ちる音で密閉されたその内側は外装からの予想を裏切って、まるで高貴な客人に誂えたかのような応接間じみた様を見せていた。
部屋の奥、調度品の中にちょこんと少女がひとり。
蓮は冷気を含んだ二重回しを脱ぎ落とすとその少女のもとへとまっすぐに歩んで行く。



肩に届かぬ明るい茶の髪と薄紅の上等な着物、愛らしいいとけない顔立ちのどこにでもいそうな少女。
けれど、彼女はひとならざる者であった。
彼女は歳を重ねない。
蓮はそんな少女の前まで歩み寄り、ほわりと小さく息を吐く。
いくら内装なんかに金子を惜しまずに掛けたとは言え、この建物の本来の役目からも鑑みられるようにとてもその内側はひとが住むには不向きだ。
今年の冬はとくに冷え込みが厳しい。


だけど、この娘の近くは暖かい。
この娘の近くだけは、酷く心地が良い。


己をただ見上げる濡れたような赤茶の瞳を唯々見つめながら、その手にあった椿を少女の髪へと飾るように挿す。
チャリ……と微かに見上げるよう首を傾げた少女の首もとで鎖が音を鳴らす。
ほっそりと白い首、そこには細いが確かに頑丈な黒い皮の首枷と其れから伸びる決して細くはない鉄の鎖。
チャラリと金音をさせて、蓮の大きな手がその鎖を握る。

「此れ、外してほしい?………キョーコ」

ゾクリとするほどに甘く低い声。
微かに、でも確かに左右へと振られる頭。
蓮から視線を逸らし伏せられた長い睫毛。
その下の大きな瞳に隠れきれぬ陶酔の色を見つけた蓮、喉の渇きでも覚えたように己の唇を舐めて濡らす。

「いい子だね……もっと…あげるから両手、出して?」

袂から取り出した組紐、それをキョーコに見せながら惑わし誘いを掛けるみたいにそう言う蓮。
小さく震えながらも、ゆっくりと従順に揃え差し出された細いキョーコの両手首。
蓮はにやりと唇を歪ませて、そこに紐を巻きつけ拘束する。



座敷童子、細手長手……もっと単純に妖怪や物の怪、化け物などとひとは呼ぶけれど、自分が何者であるかはよくわからぬとそう言ったキョーコ。
背丈どころか爪も髪も伸びぬまま、最初に出逢った時に見上げた姿のまま、寸分の変化もない。



蓮がキョーコを見つけ、衝動のままに懇願しそばに願ってから早十の年を数え……
キョーコがこの蔵に隠され囚われるようになってからはもうすぐ二年になろうとしていた。



*画像の無断転用禁止*


たまこ様、ねちっこくくどい駄文にお付き合いいただいた上に素敵な宝物をいただきましてありがとうございます☆
(・∀・ノノ"✧(・∀・ノノ"✧(・∀・ノノ"✧