謎ぽえむ的なものを発掘。
たぶん拍手お礼用にぽちぽちしたけど、長過ぎて放置していた物体だと思われます。
これ、読んで楽しいかどうかはわからない。
誰が誰に何を、がわかりにくくて果たして伝わりますのやら?


そんなものを、こそこそひそっとひっそりと。
(´Д` )←それもどうかと。



そんな感じでも、よろしくて?



✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄




「アリとキリギリスっ」て、有名な話があるだろ?
努力もせず遊び暮らすキリギリスは冬を越えられないってやつ。
わかりやすく言えば、彼はそのキリギリスをより一層に酷く歪めたようなものだよ。


だって、そうだろ?
今の今まで気付こうともせずに
のうのうと甘い甘い蜜だけを貪って生きてきたんだからな。


でも、それももう、終わり。



『蜜喰い虫。』



この世の全ては居心地の良い緩い
緩く揺蕩う甘さで出来ている
そりゃそうだろ。
ひとりの女の子の特別な
いちばんの甘さを
世界の真ん中のいちばんを
その甘ったるい蜜を
ただただ必死に従順に盲目に
差し出されてきたんだから。


誰だって、自分が大切。
その大切さえ
あっさり切り捨てさせて
その中毒になる甘美な甘さ
それを当たり前だなんて
踏み付ける快楽。


カリスマ?
はっ、笑えるな。
そらそうだろうよ
一度も間違えたことがないと
一度も失敗なんてないと
心底思い込んでいられれば
自信満々でもいられるよな。
だから、高らかに歌える。
恥ずかしげも無く
与えなどしないが差し出せと
高らかに声高く
どこまでも勝手な自己愛を。


讃える言葉も成功も自信も
全部全部、奪い取って彼のもので
拒絶の言葉と失敗と挫折は
全部全部、押し付けて彼女のもの。


だから、やつにとって
世界はただ甘く
光に満ち満ちてると
そう思い込んでいられた。


そうじゃないって
突然突きつけられたみたいで
慌てるんだろ?
躓いたことがないやつは
弱い……よな
だから、今更になって
求めるんだろ?
その張りぼてのプライドが邪魔で
縋り付けもしないから
傷付けて踏み躙ることで
気を引こうと必死で。




でも、もう、遅い。
もう返さない。
欠片も渡さない。


差し出すことしか知らなかった
飢えてることにさえ気付いてなかった
女の子。


ほら、もう夢中だ。
初めての甘さに
与えられる熱に
ドロドロな俺の蜜に
恍惚と吸い付いて
貪欲に頬張る。



俺のかわいい蜜喰い虫。



その蜜が甘いだけじゃない
毒だって気付く頃には
きっと………手遅れだ。