矯正恋愛ラブゲーム。の続き的お話となります。


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スイッとスイングする扉が閉まり、鉄の箱が重力に逆らいふたりを運んで行く。
きょとんとしたような顔をしたキョーコに、蓮はにこりと笑みを向けて言う。
「俺がどんな思いで君が誓いを破るって言ってたのを聞いたとか、どんな気持ちで俺以外の男について行く君の邪魔をしてたかなんて、ちっとも知りもしないで………挙句には、本命を口説けと来たもんだよ?」
その声は酷く優し気に響くのに、何故かキョーコの背中にはぞわりと悪寒が走る。知らず知らずに後ずさろうとするキョーコを、それを許す気など小指の先ほどもない蓮の腕が抱きよせる。
「あんな次から次へところころと相手を変えるくらいなら、誓いを破る相手は俺だっていいだろう?」
ゆっくりと上昇が止まり扉が開かれる。キョーコには、このままここに留まればいいのか、開いた扉から逃げ出た方がいいのかよくわからない。そんなキョーコの腰を抱いた大きな手がするすると運ぶようにキョーコを連れ出す。
重厚な大きなドアの鍵を蓮が開ける。開いた扉の中へ……その空間へと入るその意味するところが怖くてキョーコの脚に力が入る。蓮はそんな小さな抵抗をわざ笑うようにあっさりとキョーコの身体を腰から持ち上げるようにして抱き上げると、その部屋の中へと入り込んでしまった。


バタンと乾いた音を立てて背後の扉が閉まる音をどこかぼんやりと現実感なく聞いていたキョーコに蓮が容赦無く現実を叩きつける。
「まずは………その服とメイク。それと、その気に食わない香りも落とさないとね。」
蓮はそんな事を言い放つと迷いなく、キョーコを抱えたままでシャワールームへと向かって行く。
「な……なんでそんな」
「なんで?なんでって、そんなの俺の本命の最上さんが他の男の気を引くためにしたメイクも服も全然まったく気に入らないからだよ。」
ストンとキョーコの足が地面へと降ろされる。
「敦賀さんの本命って………私?」
あまりにあり得ないと想定すらしてもなかった事に呆然としたキョーコが零す疑問。
乱雑にジャケットを脱ぎそれを、適当に放り投げた蓮はそんなキョーコを見下ろし、何を今更といった表情を浮かべる。
「そうだよ。なのに、君はあんな取っ替え引っ替え代わる代わるに………ついには、こんなホテルにあるバーでそんなかわいい格好で酒なんて飲んで………許せるわけないだろ?」
アルコールでにぶっていたセンサーが今更に働き出して、にやりと悪そうな笑顔の蓮からじわじわと怒りの波動が見えるようでキョーコが小さく震えだす。そんなキョーコの様子に蓮は目を細めるように笑みを深め、その頬をするりと長い指の腹で撫でると顎を取りクイっと上向けさせるとその淡くピンクに色付いた唇へとちゅっとそれはもう音だけは可愛らしくも己の唇を押し付けて擦り合わせた。
「ひゃぅ!!」とそんな小動物みたいな悲鳴をあげて硬直するキョーコから、手慣れた男はそれはそれはもう楽しげにそのグレーのピンストライプのシックなリボン飾りの可愛らしいワンピースをするすると剥ぎ取りにかかる。
「大丈夫………そんな香水の香りなんてすぐに洗い流して、明日の朝には俺の匂いしかしないようにしてあげるからね?」
ウキウキと楽しげにさえ見えてしまうような色悪な笑顔で蓮が言い聞かすように優しげな声色で言った。
「どうせ、君が恋をするんなら相手は俺しかいないんだよ。それ以外の男なんか全力で蹴散らして邪魔してやるし、万が一に君の心が奪われるような事があっても無理矢理にでも奪い返しに行くつもりでいるんだから。」



まるで最後通告のように。






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まだこの変な飲んだくれのふたり続いたのかよ!?って感じですが、なんとなく思いついちゃったのでぽちぽちと………



ェロまで書こうかどうしようか迷ってこんな感じに。キョコちゃんの告白まで行きたかったのにどうしてこうなった?
さらっと後から前編とか付け足してェロパートとってつけるかもしれませんがね………(´Д`;)
いらないか?



三人称って難しい。(´Д` )



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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