「ごめんね………俺が、俺のため息が君を誤解させた。ちょっと………かっこ悪いけど、隠さずに全部話すから聞いてくれる?」


私を抱きしめてそう言った敦賀さんは………………あの……その….あ、朝の…男性の…生理現象とか………敦賀さんの…わ、私への………よ、よよ欲望?を話してくれた。
それが、ため息の理由だと。
私は顔を真っ赤にして「………破廉恥。」と、小さく零すしか出来なかったけど………敦賀さんは、その顔はダメだと、理性がとか言って顔を逸らしてしまった。


「あと、ほかの人の代わりってどういうこと?俺、キョーコ以外のひとを好きだと想ったことないよ。」
思い出したかのように敦賀さんがちょっと問い詰めるように聞いてきた。
「だって………キョーコちゃんって………」
「キョーコちゃん?」
「敦賀さんが風邪ひいてるとき、キョーコちゃんって………大事そうに呼んだんです。………私じゃない。私、そんなふうに呼んでもらったことない…」
敦賀さんの想い人は、私じゃない。
そう思い出して目に涙がたまる。
「俺の中のキョーコちゃんは、最上キョーコただひとりだよ。……俺が昔から呼んでたのはキョーコちゃん。でも、ずっとずっと呼びたかったのは、キョーコ。」
そう言って笑う敦賀さんの笑顔。 


私、この笑顔を知っている、昔から………?


「うん、その話もちゃんと話すよ、大切な思い出も本当の俺の罪もすべて。ただ、長い…とても長い話になるから………その前に、やり直しをさせて?」
敦賀さんがそう話すから、捕まえかけていた過去の思い出が遠ざかる。
「やり直し…?」
「そう、ふたりで迎えるはじめての朝をやり直しさせて?あの夜は、キョーコのはじめてをもらった大事な夜だからなかったことはできない。
けど、あの朝をふたりでもう一回やり直ししよう。俺は、キョーコが起きるまでちゃんと抱きしめてるから、キョーコは俺がため息つく前にキスでふさいで?」
そうふわりと笑いながら言った敦賀さんは、ちょんって触れるだけのキスをくれた。


「だから……俺と一緒に、夜を越えよう?」
にやりと笑った敦賀さんは、夜の帝王になっていて………そこから先は、すぐになんにも考えられなくさせられてしまった。





そして、やり直しの朝。
私は敦賀さんの腕にしっかりきっちりぐるぐるに、巻き付かれていて………その……朝からいろいろと濃厚過ぎる敦賀さんの愛情表現を受けたのだった。




その後、朝食を作ろうと足を運んだキッチンで見た光景に…………



「つ~る~がぁ~さ~ん!!なんで、こんなお酒の空き瓶ばっかり山になってるんですか!!」
「………だって、キョーコがいなかったんだもん………」



私はつぶやきではなく雷を落とし、彼はため息ではなく吐息まじりに囁いた。







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やっと終わった。
書き方をもうちょいと考えたら半分くらいの長さで終わったはずなのになぁ。



後日談みたいな話を書いてたりしてますが………
なんでか、桃になってしまったので………
どすっかな?





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