南米エクアドルは18日、中国人への査証(ビザ)免除措置を一時的に停止すると発表した。中国からの入国者が「異常なまでに増加」していることが理由だという。米国を目指す中国人移民は増えており、ビザが不要なエクアドルは米国行きの出発点になっていたとみられる。

米カリフォルニア州南部で2023年10月、メキシコとの国境を越えて壁沿いを歩く中国人ら=AP

 エクアドル外務省の声明によると、中国からの入国者はここ数カ月で急増しており、その半分がビザ免除措置で定められた90日間以内に正規の手続きで出国していなかった。また、中国人らは通常とは異なるルートで「西半球の別の目的地」を目指していると指摘した。

 米シンクタンク「ニスカネン・センター」は5月、エクアドル政府のデータを引用し、2023年に中国人がエクアドルに入国した回数は約4万8千回だった一方で、出国回数は2万4千回だったと明らかにした。エクアドルに不法滞在しているか、通常の出国管理を経ないで出国したとみられている。