記者会見に臨む第11管区海上保安本部の坂本誠志郎本部長=22日午後、那覇市(大竹直樹撮影)

記者会見に臨む第11管区海上保安本部の坂本誠志郎本部長=22日午後、那覇市(大竹直樹撮影)© 産経新聞

尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の海域を管轄する第11管区海上保安本部(那覇)の坂本誠志郎本部長が22日、記者会見し、「(海上保安庁の)測量船『平洋』の調査海域周辺に中国海警局に所属する船舶を確認している」と明らかにした。

船舶自動識別装置(AIS)を搭載した船舶の運航情報などを提供するサイト「マリントラフィック」のデータを基に産経新聞が分析し、尖閣諸島の魚釣島から北東に約120キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査を行っていた平洋に海警船が近づき、執拗に追尾していたことが報じられていた。

11管によると、平洋と海警船は現在、約5カイリ(約9キロ)離れている。坂本本部長は「緊急、差し迫った状況ではなく、海洋調査への影響はない」との認識を示した。

尖閣周辺では、領海外側にある接続水域で海警船の航行が常態化し、153日連続で確認されている。平成24年9月の尖閣国有化以降で最長記録となる157日(令和3年7月)に迫っている。坂本本部長は「緊張感の高い海域であるとの思いは強くある」と強調した。(大竹直樹)