北京で2020年1月6日、式典に出席したキリバスのマーマウ大統領(左)と中国の習近平(シーチンピン)国家主席=ロイター

北京で2020年1月6日、式典に出席したキリバスのマーマウ大統領(左)と中国の習近平(シーチンピン)国家主席=ロイター© 朝日新聞社

 米中が影響力を競う太平洋の島嶼(とうしょ)国で、中国警察が活動を広げている。ハワイに近いキリバスでは、中国の警察官が職務にあたっていることがロイター通信の取材で発覚。周辺には中国と警察協力協定を結んだソロモン諸島や、協力を交渉中のパプアニューギニアといった国もあり、米国などが警戒を強めている。

キリバスの南タラワで2013年5月、泥を塗り合う子どもたち=ロイター

 キリバス警察のアリティエラ長官代理は2月下旬、ロイターの取材に「中国警察の代表団が、地域の治安維持や犯罪データベースの作成などでキリバス警察を支援している」と話し、地元で中国の警察官が活動していることを明かした。

 2022年にキリバスが中国に警察への支援を要請し、23年に中国の制服警官計12人が派遣されたという。両国の詳しい合意内容は公表されていない。

 キリバスはハワイから最短約2千キロの太平洋中央部に位置する。国際機関の太平洋諸島センターによると広範囲に島や環礁が散在し、世界3位の規模とされる広大な排他的経済水域(EEZ)を持つ。19年に台湾と断交し、中国と国交を樹立した経緯がある。