衆院会派「有志の会」の北神圭朗衆院議員© 産経新聞
衆院会派「有志の会」の北神圭朗氏は6日の衆院予算委員会で、岸田文雄首相に対し、外資による国内の土地買収への法規制の整備を求めた。「肝心の『外国人土地法』が整備されていない。使い物にならない。全面改正を含め、実効足らしめるべきだ」と訴えた。大正14年制定の同法は国防上重要な土地の取得制限を定めるが、戦後、規制対象を指定した政令が廃止されたため、空文化していると指摘される。
首相は「特定の行政目的に基づき、一定の範囲で外国人の土地取得を制限することは考え得る。必要かどうかも含めて実情を把握したい」と語った。
北神氏は京都や東京で不動産価格が高騰している背景に中国人の「爆買い」の可能性も指摘。「外国人がどのくらい日本の不動産を買っているのか、(国土交通省などは)まったく把握していない」と述べ、調査の必要性を強調した。一方、首相は「建設費や資材費の上昇などさまざまな要因がある」とした上で「外国人による不動産などの購入実態の把握については国際法上の内外無差別の原則に照らして慎重であるべきだ」と述べるにとどめた。
北神氏は「宮崎県では東京ドーム150個分の山林が中国資本に買われているが止められない。土地規制をきちんとやるべきだ」とし、「外国人の不動産実態を把握していないのは内外無差別とは関係ない。英国も韓国もカナダもやっている」と首相に反論。統計の整備を再度求めた。
日本は世界貿易機関(WTO)協定の一部「サービスの貿易に関する一般協定」(GATS)に加盟する際、諸外国と異なり外国人による土地取得を規制する留保条項を盛り込んでいない。北神氏は「役所は『何も制限できない』という話だが、シンガポールやインドも留保は付けていない。それでもGATSの安全保障の例外規定を援用して戦っている」と述べ、シンガポールなどが外資の不動産購入を一部規制している事例を紹介した。