政府は29日、韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)北方の日本の排他的経済水域(EEZ)で、韓国の国立海洋調査院に所属する海洋調査船がワイヤーのようなものを海中にたらしていることを確認した。韓国側は日本側の問い合わせに対し、「調査を行っている」と回答した。韓国側から事前に連絡や科学的調査に関する申請はなかった。
これを受け、外務省の船越健裕アジア大洋州局長は同日、在日韓国大使館の金容吉(キム・ヨンギル)次席公使に対し、日本のEEZ内で同意なく調査をしているならば受け入れられず、即時に中止すべきだと抗議した。在韓国日本大使館の熊谷直樹次席公使も、韓国外務省の李相烈(イ・サンヨル)アジア太平洋局長に同様の抗議を行った。
海上保安庁によると、警戒監視中の巡視船が28日夕、EEZ内を航行している調査船を確認。翌29日にかけ、調査船が海中に投入していたワイヤを分析した結果、海洋調査を実施している疑いが強いと判断した。29日午後6時40分ごろ、竹島北方約74キロメートルの海域で巡視船から無線で中止を求めたが、応答はなかった。調査船は午後7時40分ごろまでにワイヤを収納し、午後10時ごろにEEZを出た。
竹島周辺の日本のEEZ内では、今月9日以降、韓国の国営企業から依頼を受けた外国船籍の海洋調査船が航行していたことが確認され、海上保安庁の巡視船が現場で注意喚起していた。