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2017/10/19/Thu

中国共産党の第十九回党大会が十月十八日、北京の人民大会堂で開幕。習近平総書記(国家主席)が今後の基本方針について演説を行い、「現代化建設、祖国統一の完成、世界平和の維持と共同発展の促進という三大歴史任務の達成」や「中華民族の偉大なる復興という中国の夢の実現」などのため、「引き続き奮闘しよう」と訴えたが、こうした中国の「奮闘」の継続と「世界平和の維持」は両立しないのではないか。

たとえば習近平は今後の中国の発展段階についてこう説明した。

―――第一段階は二〇二〇年から二〇三五年まで。小康社会(ある程度ゆとりある社会)の全面的な完成を基礎に、更に十五年奮闘し、社会主義の現代化を基本的に実現する。第二段階は二〇三五年から今世紀中葉まで。現代化の基本的実現を基礎に、更に十五年奮闘し、我が国を富強民主文明と調和ある美しい社会主義現代化強国へと変えて行く。

―――二〇三五年までに国防と軍隊の現代化を基本的に成し遂げ、今世紀中葉までに人民軍隊を世界一流の軍隊へと全面的に変えて行く。

すでに十分なまでに覇権主義的姿勢を剥き出しにし、周辺諸国を脅かし続けるこの国の夢見る「現代化強国」「世界一流の軍隊」とは、いったいいかなるものなのか。それらが「世界平和の維持」に貢献し得るものとはとても思えない。

間違いなく習近平の所謂「世界平和」とは、パックスシニカ(中国支配下の平和)を指しているのだろう。そのようなものが実現されれば、日本はこの横暴な大国の属国とならなければならなくなる。

それでは中国はいかなる手段で、今日のパックスアメリカーナ(米国支配下の平和)といわれてきた国際秩序を変革するというのか。それは「祖国統一の完成」なる「歴史任務」の達成を通じてであるらしい。

これについて習近平は演説で、以下のように語っている。

―――「一つの中国」原則と九二年合意(※台中間での「一つの中国」原則での合意とされる)を堅持して両岸(※台湾と中国)の平和的発展を推進し、両岸の経済文化での交流、協力を強化し、両岸指導者の歴史的会見を実現させてきた。台湾情勢の変化に適切に応じ、断固として台湾独立分裂勢力に反対し、それを抑止し、台湾海峡の平和と安定を維持して来た。

―――両岸同胞が共同で一切の国家分裂の活動に反対し、共同で中華民族の偉大なる復興實現のため奮闘するよう推進しなければならない。

―――台湾問題を解決し、祖国の完全統一を実現することは全中華民族共通の願望であり、中華民族の根本的利益もそこにある。平和統一、一国二制度の方針の堅持し、両岸関係の平和的発展を推進し、祖国統一へのプロセスを進め続けなければならない。

―――両岸同胞は運命を共にする骨肉の兄弟であり血が水より濃い家族である。我々は「両岸は一家のように親しい」との理念を守り、台湾の現有の社会制度や台湾同胞の生活スタイルを尊重し、率先して台湾同胞と大陸(※中国)発展のチャンスを分かち合いたいと願っている。我々は両岸同胞が共同で中華文化を高揚させ、魂の一致を促す。

―――いかなる祖国分裂の活動も全中国人の断固たる反対に遭うことだろう。我々にはいかなる形の台湾独立勢力の分裂陰謀をも失敗に終わらせる確固たる意志、充分な自信、満ち足りた能力がある。我々はいかなる人間、組織、政党であれ、いかなる時、形式であれ、中国からいかなる領土が分裂させられることも絶対に許さない。

今日のあの国の軍備拡張の主要目標は、台湾侵略にある。台湾を恫喝して降伏(平和統一)を促すため、あるいは統一を拒否する台湾を軍事占領(武力統一)し、あわせて米軍の台湾救援を阻止するために、これまで「軍隊の現代化」に勤しんできたのである。上記の習近平の吐いたセリフは、まさにこうした侵略主義者の好戦的情念が滲み出たものだ。

そもそも台湾併呑というものは、「現代化強国」になるという「中華民族の偉大なる復興」には欠かすことのできないプロセスだ。この戦略的要衝を奪い取らない限り、アジア太平洋において覇権を打ち立て、「パックスシニカ」を実現することは難しいからだ。

もっとも日本では、「平和統一、一国二制度」方針を是とし、それに反して中国から独立しようとして緊張を高める台湾に顔をしかめる者は少なくないと思う。しかしそれは台湾を中国領の一部とする「一つの中国」宣伝に惑わされているからだろう。そもそも台湾は中国の領土ではないのだから、そこから「独立」「分裂」するという問題は存在し得ないのだ。

中国が言う台湾の「独立」「分裂」とは、台湾が中国側の身勝手な統一要求に応じないでいる状態を指すのである。そのような言葉を使用するのは、それによって国際社会が、台湾が中国領の一部であり、統一は中国の正当なる権利だと誤解させるために他ならない。そしてそうした宣伝工作に洗脳されているのが多くの日本人だ。

平和統一であれ武力統一であれ、それはいずれも中国の不法な領土拡張、つまり侵略以外の何物でもないのだが、こうした人々はそれがなかなか理解できない。そうした状況も一種の平和ボケと言うことができる。

習近平の演説を受け、台湾独立建国聯盟の陳南天主席は、次のようにメディアに語った。

―――習近平は台湾独立の理念を理解していない。中華人民共和国はこれまで一度も台湾のいかなる部分をも占領したことはない。(※台湾独立運動とは中華民国体制からの独立建国を目指すものだ)

―――習近平は統一というものの放棄も停止もしない。中国が南海(※南支那海)の版図を広げたいと考えるなら、その第一目標はもちろん台湾だ。

正にその通りに違いない。果たして「今世紀中葉」までに、台湾は中国に奪われるのか。そしてもしそうなれば、日本はどうなる。

今後ますます覇権主義という「中国の夢」を求めて狂奔するであろう習近平の中国を前に、いつまでも日本人は平和ボケではいられない。
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