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2017/08/23/Wed

英ケンブリッジ大学の出版局は八月十八日、中国国内からのアクセスを遮断したと発表した。中国政府の要求に従い、中国関連の季刊学術誌「チャイナ・クオータリー」に掲載された三百以上の記事の閲覧制限を行ったのだ。対象となった記事は天安門事件、チベット、東トルキスタン問題、台湾問題など、中共が自国人民に真相を知らせたくない諸問題に関わる物だ。

もしこうした要求に従わなければ、今度は同出版局が巨大な中国市場から遮断されることになる。中国側からはそう警告されていた模様。

英国の伝統校が中国の言論統制下に組み込まれたということで、日本のメディア各社は衝撃を受けたような顔でこれを報じているが、少し白々しくはないか。自分たちなど早くから、そうした統制を受けているのだから。

たとえば東トルキスタン(中国ウイグル自治区)での「テロ事件」を伝える新華社の報道をそのまま垂れ流すのはその一例だろう。中共の残酷な支配に対する現地住民の抵抗を「テロ」と断定し、弾圧を正当化する宣伝を新華社こそが担っていると言うのに。

台湾問題に関しても、まるで中国御用メディアのように中共の報道統制に従っている。台湾に対して中国を「大陸」「本土」と呼んだり、台湾政府を中国の地方政府と位置付けるために「台湾当局」と呼んだり、台湾を「国」とする表現や、「中華民国」の国号使用を徹底的に避けたりで、「一つの中国」の虚構宣伝に対して協力を惜しまずにいるではないか。

そしてNHKなどは常習犯だが、台湾を含む中国地図の使用を公然と使用する報道も後を絶たない。

さてケンブリッジ大出版局だが、二十一日になり一転して閲覧制限の撤回を発表した。世界からさんざん批判を受けた結果の決断だが、いつまでも中共の喉舌となって国民を欺き続ける日本メディアに比べれば、実に勇気があって立派と言えよう。

ところが、この勇気ある決断についてNHKニュースサイトは、「ケンブリッジ大が中国の言論統制に一時屈したと批判広がる」との見出しで以下のように報じた。

―――出版局は21日、閲覧制限の撤回を発表しましたが、中国政府が国内での言論統制を強める中、中国の要請に応じて、海外の大学が一時は閲覧制限を行ったことに批判と懸念が広がっています。

このように出版局の覚醒、勇断を評価せず、あくまで一時の屈服ばかり問題視するNHK。このようにして自分たちが日本一の媚中メディアとして、「批判と懸念」を広げている事実を隠蔽する気なのか。
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