ー霞が関CC問題で思うもう一つの五輪憲章違反
ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
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2017/03/28/Tue
東京オリンピックのゴルフ競技会場となる霞ケ関カンツリー倶楽部だが、女性の正会員を認めない規定が国際オリンピック委員会(IOC)に問題視され、それに伴い東京オリンピック・パラリンピック主催者の競技大会組織委員会や日本オリンピック委員会(JOC)も規則変更を求めていたが、霞ヶ関CCはこのほど規則変更を行ったという。
これを受け組織委やJOCなどは連名で感謝のコメントを発表。マスコミからも称賛の声が上がっている。
たとえば産経新聞は三月二十七日、「ゴルフの女性会員 世界の流れに沿う判断だ」と題する社説を掲載し、次のように述べる。
―――正会員を男性に限定した従来の規則は、あらゆる差別の撤廃を掲げる五輪憲章に抵触していた。国際オリンピック委員会(IOC)には会場変更を求める強硬な意見もあった。それだけに、霞ケ関CCの自主的な対応を歓迎したい。
―――女性会員の受け入れは、世界的な流れといえる。(中略)霞ケ関CCの対応も、同じ流れに沿ったものだ。
ところで、それはそれで結構なのだが、しかしなぜIOCも、組織委も、JOCも、マスコミも、自らが行っている更に大規模にして公然たる差別行為を止めようとしないのか。
言うまでもなくそれは、台湾にだけは自らの名を名乗るのを許さず、その代わりに「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)との偽りの呼称使用を、オリンピック参加の条件として押し付けていることだ。
五輪憲章が「あらゆる差別の撤廃」を掲げているのは事実だ。そこには「政治的理由の差別」の禁止も謳われているが、「チャイニーズタイペイ」の押し付けは、まさにその禁を打ち破る悪質な政治的行為である。
要するに中国の「一つの中国」なる政治宣伝に従属し、台湾という国家の存在を否定、抹殺しようとするものだ(多くの国は台湾を国と認めていないが、しかしどう見ても独立した主権国家だ。少なくとも中国領土ではない)。
我々2020東京五輪「台湾正名」推進協議会が二十四日に都内で開催した設立記念集会において披露したIOCのバッハ会長宛の要請文(「IOCは台湾に対する差別を直ちに停止を!」)には次のようにある。
―――自国の存在を否定するに等しいこの虚偽の名称に、多くの台湾人が強い不満を感じているのです。IOCはただちに台湾の民意を調査し、こうした状況を確認の上、適切な措置を講じる必要があります。
―――日本人と台湾人で構成される我々「2020東京五輪『台湾正名』推進協議会」はIOCに対し、直ちに台湾に対する「チャイニーズタイペイ」の呼称の押し付けを停止し、東京オリンピックにおける台湾選手団の「台湾」の名での参加を承認するよう、ここに要請いたします。
中国との対立を恐れ、その虚構宣伝に迎合し、平然と台湾の尊厳を傷つけ、その二千三百万人の人民の人権を蹂躙して来たのがこれまでの「世界的な流れ」だが、それを何としてでも変えなければと思うのだ。東京オリンピック・パラリンピックを台湾に対する差別、侮辱の舞台にして好いのかということだ。
女性差別は許さないが、台湾差別だけは止められないという、この国際社会を不条理を糺すべきである。
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