ゴールデンウィークに入る時、

 休みが明けたら、また会えるよといってMちゃんとバイバイした。

 

 なのに、休みが明けたら、突然A氏から、

 もう大丈夫だからと。

 いつものバイバイが最後のお別れとなってしまった。

 

 

 

 お家に帰ったMちゃん…

 ひと部屋隔離生活が始まってたのよね。

 

 孫が産まれるまでの15年間、

 可愛がられて育ったMちゃん。

 

 最後の一年は、あまりにもひどいものだった。

 Mちゃんが何をしたのだろうね。。。

 外猫さんの生活は、それはそれは厳しいものだ。

 それを踏まえた上で、

 

 ワタシが最も可哀想、あってはならぬと思うのが、

 一時でも人間と暮らした猫、

 その子が捨てられること。

 

 ヒトと暮らした、ましてや可愛がられた子、

 その子が、ある日突然捨てられたら、

 生きる術はもちろん知らない…

 優しい手のぬくもりを忘れることも出来ない…

 

 こんなむごいことはないのじゃないかと常々思っていた。

 これが一番ひどいことじゃないかとさえ思っていた。

 

 しかし、Mちゃんに出会って

 外に捨てられた訳でもないのに、

 こんなに可哀想なことがあるんだというのを知った。

 

 会社で引き取ると言い出したはいいけど、

 Mちゃんが安心して過ごせるようにしてあげられるのか

 ニャンだったら難しい気がしたし、

 

 Mちゃんも無理かもしれないと

 絶対いい環境を作ってやる、作ってやりたいという

 意気込みとは反対にとっても心配だった。

 

 どうしても無理なようなら、ウチに引き取ろうと思っていた。

 ニャンも震災でストレスが続き、大変な時ではあったけれど…

 

 オトシャンもMちゃんを引き取ることに賛成してくれた。

 いやっ、むしろオトシャンは、

 ウチに連れてきたほうがいいとさえ言ってくれた。

 

 ところがそんな心配をよそに、Mちゃんは、

 自分の置かれている立場を理解しているかのように

 会社生活に順応していったのだった。

 

 多分、動物病院や7階に独り置かれるよりは

 ずっといいと思っていたような気がする。

 

 スタッフもMちゃんが、一生懸命、言葉は悪いが

 媚を売っているように感じたという。

 

 それは、ここに居たい、ここに置いて下さいという

 叫びの代わりの媚だ!

 無理して頑張っていたんだなぁ…

 その姿を思い出す度、涙が溢れてくる。

 

 Mちゃんは、16歳の黒白ニャンコ

 4キロ弱の小さなオンニャの子だった。

 ちょうど今のうずと変わらない大きさ、

 うずを抱っこする度、Mちゃんの抱っこを思い出す。

 

 3月11日…、色んな思いがあるけれど、

 今年は、うずとMちゃんが重なって

 尚更、Mちゃんのことが頭から離れない。

 

 Mちゃんは、隔離されてから約一年後、

 独り寂しく旅立ってしまいました。

 

 最後の一年、隔離生活→会社猫生活→隔離生活…

 

 最後くらい、もっと安心の中で迎えさせてあげたかった。

 心に重くのしかかっている、

 悲しい取り返しのつかない想い出。。。

 

    写真はMちゃんではありません。

    本物のMちゃんの写真は、あまりにも可哀想で

    載せることが出来なかった。

 

    今回Mちゃんの写真を載せようかと思って探していたら…

    13歳のまだ可愛がられていた頃のMちゃんの写真が出てきた。

    16歳の会社猫の時の写真と見比べて、ハッとした!

    同じ猫とは思えない!全く違う姿だったのだ(。>д<。)

 

    そう言えば、会社にきたMちゃんを見た時、「エッ!」と思った。

    これが室内で可愛がられてる猫の姿なのか?と

    こんな子いるの?と…

  

    Mちゃんは、可愛いお顔なのに、

    可愛がられてるオーラみたいなのがいっさい感じられない子だったの。

 

    あの時、もっと追究して、

    隔離されていたことを聞き出すべきだった。

    あの時、我が家に迎えてやればよかった。

    あぁ、後悔がとまらない(>_<)  

 

 3日に渡ってのMちゃんのお話でした。

 長々とお付き合いいただいて、有難うございました。