先日、武者小路実篤の「友情」を読む必要に迫られた。
職場からの帰りに本屋へ立ち寄ろうかとも思ったが、確か自宅に全集があったと思い出してそのまま帰宅した。
私の家には、文芸春秋から出ている「現代日本文学館 全四十三巻」が揃っている。これは、子どもの頃から実家の書棚に並んでいて、中学に入学した年に私が母から受け継いだ。
「様々なる意匠」や「私小説論」で文芸評論家として名を馳せた小林秀雄が、第一巻の森鴎外から最終巻の井上靖まで、全巻の編集を取り仕切っている。また、夏目漱石の巻では江藤淳、井伏鱒二では安岡章太郎、正宗白鳥では伊藤整など、評伝・解説を執筆しているのも錚々たるメンツで読みごたえがある。
今までいくつかの全集を手にしてきたが、結局はこれを超えるものはないように思うのだ。
で、私は帰宅するとすぐに、本棚の奥を探索した。
あったぁ~!
武者小路実篤。よしっ
巻末の発行年月日を見て驚いた。
昭和四十一年。やっぱ古いわぁ・・なんたって、発行当時ご本人は八十一歳で御存命!
さて、いきなりお目当ての作品に飛び付くのも品がないと思い、亀井勝一郎が担当した評伝を読む。うむ、かっちゃんは、大御所武者小路先生にかなーり気を遣っているな(笑)
評伝に続いて、かっちゃんと本人の対談が載せられていた。恐縮するかっちゃんと、結構正直になんでも話す武者小路。漱石好きの私としては喜ばしいお言葉もいただけた。
わかります、わかります。ふむふむ、ふむふむ、楽しいぞ・・・と、その時だった!
ん?・・・んん?!
見開き右は第十六頁。二人の対談が楽しく続いている。
そして左のページへ読み進めると・・・
えっ友情
「今までもしばしばお書きにな・・・た」
ら、落丁じゃーん!!!
後から破れた形跡はない。綴じてある部分を見てみても一切隙間はなかったから、おそらく最初から抜け落ちていたのだと思う。
ショックだった
次の日、私は「友情」を買いに紀伊国屋へ向かった。
はぁ。。。
いいんですっ!さねっちは悪くないんですから!
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職場からの帰りに本屋へ立ち寄ろうかとも思ったが、確か自宅に全集があったと思い出してそのまま帰宅した。
私の家には、文芸春秋から出ている「現代日本文学館 全四十三巻」が揃っている。これは、子どもの頃から実家の書棚に並んでいて、中学に入学した年に私が母から受け継いだ。
「様々なる意匠」や「私小説論」で文芸評論家として名を馳せた小林秀雄が、第一巻の森鴎外から最終巻の井上靖まで、全巻の編集を取り仕切っている。また、夏目漱石の巻では江藤淳、井伏鱒二では安岡章太郎、正宗白鳥では伊藤整など、評伝・解説を執筆しているのも錚々たるメンツで読みごたえがある。
今までいくつかの全集を手にしてきたが、結局はこれを超えるものはないように思うのだ。
で、私は帰宅するとすぐに、本棚の奥を探索した。
あったぁ~!
武者小路実篤。よしっ
巻末の発行年月日を見て驚いた。
昭和四十一年。やっぱ古いわぁ・・なんたって、発行当時ご本人は八十一歳で御存命!
さて、いきなりお目当ての作品に飛び付くのも品がないと思い、亀井勝一郎が担当した評伝を読む。うむ、かっちゃんは、大御所武者小路先生にかなーり気を遣っているな(笑)
評伝に続いて、かっちゃんと本人の対談が載せられていた。恐縮するかっちゃんと、結構正直になんでも話す武者小路。漱石好きの私としては喜ばしいお言葉もいただけた。
わかります、わかります。ふむふむ、ふむふむ、楽しいぞ・・・と、その時だった!
ん?・・・んん?!
見開き右は第十六頁。二人の対談が楽しく続いている。
そして左のページへ読み進めると・・・
えっ友情
「今までもしばしばお書きにな・・・た」
ら、落丁じゃーん!!!
後から破れた形跡はない。綴じてある部分を見てみても一切隙間はなかったから、おそらく最初から抜け落ちていたのだと思う。
ショックだった
次の日、私は「友情」を買いに紀伊国屋へ向かった。
はぁ。。。
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