自衛隊が離島奪還訓練、南西諸島想定し12月
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100819-OYT1T00023.htm
 防衛省が今年12月、新たに策定した沖縄・南西諸島の防衛警備計画に基づき、陸海空自衛隊による初の本格的な離島奪回訓練を、大分・日(ひ)出生(じゅう)台(だい)演習場などで実施することが、18日、明らかになった。

 東シナ海における中国海軍の勢力拡大をけん制するのが狙いとみられる。訓練は日米共同統合演習の一環として行われ、米海軍第7艦隊が支援する。

 訓練は、青色(味方)軍と赤色(敵)軍に分かれ、大分県内の陸上自衛隊日出生台演習場の一部を離島に見立てて行われる。

 まず、赤色軍が自衛隊の配備されていない離島に上陸、占拠し、島内に対空ミサイルなどを備え付けるとともに、周辺海域に海軍艦艇を集結させているという状況から始まる。

 すぐさま防衛出動が発令され、防衛省は、対地、対艦攻撃能力の高い空自F2戦闘機と海自P3C哨戒機を出動させる。赤色軍の対空兵器を弱体化させるとともに、陸自空挺(くうてい)団員など約250人が乗り込んだ8機の空自C130輸送機が、空自F15戦闘機の護衛を受けながら離島に接近する。空挺団員らは次々にパラシュートで降下し、海空自の援護射撃を受けながら赤色軍を制圧、島を奪い返すというシナリオだ。

 訓練は同演習場のほか、沖縄・南西諸島周辺の訓練海域も使って行われる。

 これまで防衛省は、周辺国への政治的な配慮などから、離島を想定した大規模な訓練を控えてきた。だが今年3、4月の2度にわたって、中国海軍の艦隊が同諸島の周辺海域で大がかりな訓練や挑発行動を繰り返すなど、ここ数年、中国海空軍の活動は活発化しており、日本にとって相当な脅威となってきていた。

 防衛省幹部は「中国に対し、日本は南西諸島を守りきる意思と能力があることを示す。それが抑止力となる」と訓練の目的を説明する。同省は訓練の一部を公開する予定という。(2010年8月19日03時05分 読売新聞)

 先日「尖閣を安保条約対象と名言せず」から「尖閣も対象に決まってんだろ、恥ずかしいから言わせんな///」と、尖閣諸島の有事の際には安保条約が機能する事を確約した発言が出たばかりですが、今回の報道はそれらをさらに補強する材料となりそうですね。
 また、民主党が今後再び下野した場合でも、対中防備の重要性を与党時代に認めていた証明となりますので、是非とも実現して欲しい訓練計画ではあります。…もっとも、下野後に民主党が残っているかどうかは知りませんが…w

 さて、今回の決定ですが、普天間問題で日米関係がグダグダになった結果、不安定化したアジア地域安全保障体制の締め直しを図っているようにも思えますね。
 この演習計画の他にも、近いうちに合衆国があのベトナムとも合同演習をするってんだから驚きです。確かに、時代は変わったのかもしれません。

■米がベトナムと海上演習、米原子力空母も参加 中国「後悔する」と反発
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2010081306298
11日、中国の官営・環球時報や「ヴォイス・オブ・アメリカ」(VOA)などによると、米国は今週、原子力空母ジョージ・ワシントンが参加する海上連合演習をベトナムと実施するという。演習の時期と場所は公開されなかったが、VOAは今週開始し1週間にわたって実施されると報じたと、環球時報が伝えた。 (後略)


 うーん、ただ原子力空母を送るだけにとどまらず、合衆国初代大統領の名を冠した空母であることに、合衆国の強い意思を感じるのは私の気のせいでしょうか?ワシントンは第七艦隊に所属し、横須賀を事実上の母港としてますので、考えすぎかもしれませんがw
 実際、ここのとこ中国海軍の跳梁は激しくなっており、不法操業により拿捕された中国の漁船を、軍艦を持ち出しての威嚇により、無理やり開放させていたりもします。

■転換期の安保2010:海をゆく巨龍 中国、武装艦で威嚇 拿捕の漁船、解放迫る
http://mainichi.jp/select/world/news/20100727ddm001030030000c.html
 青く、穏やかな南シナ海に緊張が走った。6月23日、インドネシア領ナトゥナ諸島のラウト島から北西57カイリ(約105キロ)。現場海域からの立ち退きを命じるインドネシア海軍艦船に対し、中国の白い大型漁業監視船が、「拿捕(だほ)した中国漁船を解放しなければ攻撃する」と警告。大口径の機銃が銃口を向け、インドネシア海軍艦も応戦準備に入った--(中略)

 警備艇はいったん、漁船を放したが翌朝、応援のインドネシア海軍艦船の到着を待って再び拿捕した。だが中国側は、海軍艦の登場にもひるまなかった。ファイバー製の警備艇は被弾すればひとたまりもない。やむなく漁船を解放したという。

 中国監視船は5月15日にも拿捕漁船を解放させていた。「武装護衛艦付きの違法操業はこれが初めて」(インドネシア政府当局者)だった。



 地図を見れば解りますとおり、この海域をもし中国が押さえたとするならば、マレーシアやタイ、カンボジア、ベトナムといった国々が軒並み海への出入り口を押さえられることになり、ここを通商路として利用している日本や韓国なども深刻な影響を受ける事になるでしょう。
 今はまだ不安の粋を出てはいないとも思いますが、中国は年内に空母建造を開始するとの観測もありますし、東南アジア諸国の恐怖感は日本人の想像を超えるものなのでは無いでしょうか?

 それにしても最近の中国海軍の活性化、普天間問題に端を発する日米関係の亀裂が原因なんじゃないかと思うのは、考えすぎなのでしょうか。どうも極東アジアに於ける米軍のプレゼンスが低下したと、中国に見られたせいなんじゃないかと思うんですよね。もしそうであるのならば、普天間の問題は遠く東南アジアにまで亀裂を広げていたわけで、前政権の残した爪痕は想像以上に深いなと思わざるを得ません。
 アジアの平和を願うのであれば、早急に日米関係の再構築を現政権には求めたいものですが…はてさて…


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