『普天間』合意を確認 日米外相、緊密連携で一致
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010072402000093.html
2010年7月24日 朝刊

 【ハノイ=林浩樹】日本の岡田克也外相は二十三日、ハノイでクリントン米国務長官と会談した。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題では、日米で緊密に連携しながら着実に進めることで一致。移転先を同県名護市辺野古とし、日米専門家による具体的な位置や工法などの検討を八月末までに完了させるとした日米共同声明を確認した。

 岡田氏は「沖縄の理解を得られなければ前へ進まない」と述べ、県内移設に強く反対する沖縄の負担軽減に協力を求めた。岡田氏は会談後、移設計画を決定する外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の開催時期について「確定していない」と記者団に明らかにした。韓国軍哨戒艦沈没事件では、日米韓三カ国が連携して対処することで合意。岡田氏は米韓が二十五日から日本海で実施する合同軍事演習について「北朝鮮の挑発行為の抑止になる」と支持した。

 八月末までの検討完了は無理と言ってみたり(普天間最終決着 11月以降の先送り方針を伝達 米は「重大な懸念」)、完了させると言ってみたり、相も変わらず人によって言うことが違いますね。閣僚間でまるで言ってる事が違ってたせいで、ただでさえ深刻だった不信感を更に増幅させた、鳩山政権の失敗で何を学習したのやら…
 まあ、交渉の窓口代表として散々苦労してきた岡田氏としては、ようやく再合意に漕ぎ着けたのに、ここでまた卓袱台引っくり返して水の泡になる事態だけは避けようとするのは解るのですが。
 ただ、無理と言ったとされる記事にもあるように、県側との交渉が無いのは問題。このまま強引に八月末までに検討を完了したとしても、県側の合意がないままであれば画餅に過ぎませんし。

 …もっとも、ここまでこじれちゃった県民感情を、どう軟化させるべきかはちょっと検討つきませんが。普天間の問題を混乱に陥れた鳩山氏をはじめとする旧閣僚が沖縄に出向き、土下座した上で振興予算の更なる増額くらいしか思い浮かびませんけど、これで多少なりとも軟化するのかどうか…。そもそも鳩山氏にしても福島氏にしても、自分の非を認めないことについては人後に落ちない方々ですし、県民に出来もしない事を吹きまくった謝罪とか、するとも思えませんけどね。
 にしても、あくまで強硬な姿勢をとるならば、普天間の現状固定にしかならないのですが…永遠に闘争してたい活動家連中はともかく、県民の皆様には今一度冷静になって、普天間の危険を除去するにはどうするのが手っ取り早いのかを考えていただきたいものです。

 さて、一方の合衆国。

■沖縄海兵隊、2014年までのグアム移転断念
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20091215-481540/news/20100723-OYT1T00592.htm
(抜粋) 同事務所の説明文書によると、米政府は「日米合意では、移転の完了期限は14年とされているが、グアムのインフラはそのような急な建設速度に対応できない」との現状認識を明記。グアムの電力・上下水道、港湾、道路などの供給能力を上回らない速度で建設を進める「適応性のある計画管理」を導入するとし、「これにより、基地建設の期限は延長され、より管理しやすいものになる」とした。(中略)
 グアム移転の先送りは、普天間移設問題が一向に進展しない日本の現状が影響しているのでは、との見方もある。政府内では「米側で米軍再編全体を推進する機運が薄れつつある表れでは」(外務省筋)との懸念も出ている。


 あーあーあー…なんかもう、完全に普天間に腰を据える気になっちゃってますね…。
 あたいは軍事には素人に毛が生えた程度の知識がないので間違ってるかもしれませんけど、例え未完成の基地であれ、ある程度建設が進んだ時点で可能な限り移転を進めてしまうって手もあるような気がするんですけどね…うーん、どうなんだろ。部隊が一体となって移転しないと難しいのかな?
 部隊運用上可能かどうかはともかくとして、もし昨年に政権交代が起こらず(あるいは起っていたとしても)、日本側がロードマップに従い粛々と移転計画の準備を進めていたならば、そうした要求を突きつける事が可能だったと思うんですよね。あるいは、移転遅延を理由に予算面や沖縄残留部隊の運用面での妥協を、合衆国に迫ることも可能だったんではないでしょうか?こんなこと言っても、死んだ子の歳を数えるような物かもしれませんけど。
 日本側が背信を重ねてこじれた今となっては、もはやそうした交渉は不可能。持ちかけたとしても、「お前らがゴネるから議会を説得しづらくなったんじゃないか」とか言われて終わりのような気がします。

 …そういえば、今頃になって2008年当時の資料持ち出して、こうした『可能性』が指摘されていた!日本のメディアは隠してる!とか騒いでるお馬鹿さんがいますけど、現実化していない可能性を前提に予定を組むものではなく、そうした可能性があるならそれを潰す方向へと通常であれば動くというのを理解していないのやら…それと、可能性の指摘は2008年。そして実際に無理だと言い出したのが現在。その2年余りに何が起ったのか、よーく思い出してみるべきでは?
 もしも移転交渉が1年近く停滞するような事態に(日本の責任で)なっていなければ、合衆国の尻を叩いて加速させればいいだけの話なんですけどね。それが出来なかった場合に、対米追従と政府叩けばいいんじゃないでしょうか?
 …そういえばこの人、以前に米軍機関紙の記事を読んで「グアムへの完全移転が可能!」とか吹いてたんだよなぁ…グアムへの移転が遅延しそうになって、なんで喜んでるんでしょうか?

 まあ、馬鹿な自称ジャーナリスト様(笑)はともかく、民主党政権のお陰でさらなる譲歩を引き出すチャンスすが失われたことを、現与党には反省して欲しいものです。
 …え?ない物ねだりですか?そうですか…


出来もしないこと喚いて卓袱台返した結果がこの有様だよ!と思った方はクリック!
人気ブログランキングへ
携帯の方はこちらをお願いします