鳩山首相は「現実から変に遊離した人」 米紙コラムニスト
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100428/amr1004281336010-n1.htm
2010.4.28 13:31
 【ワシントン=佐々木類】米紙ワシントン・ポストは28日付(電子版)で、さきの核安全保障サミットで、鳩山由紀夫首相を「最大の敗者」と皮肉ったコラムニスト、アル・ケイマン氏が、首相を「ルーピー(loopy)」とした真意は、「愚か」や「いかれた」ではなく「現実から変に遊離した人」が真意だとするコラムを掲載した。

 ケイマン氏は、今回のコラムで、島根大学の教授が日本のメディアがルーピーの意味を「愚かな」と「いかれた」の2通りに解釈していると指摘し、真意はどちらなのだと問い合わせてきたことを紹介。ルーピーの意味について「組織の意思決定について十分な情報を得ているという意味での『輪の中に入っている』状態とは正反対の意味」だと釈明した。

 日本の複数の英和辞書によると、ルーピーについて「(頭の)いかれた」「愚かな」という訳が紹介されている。

 ケイマン氏はルーピーという言葉はインターネット上で、1枚2940円のTシャツとなって売れていることも紹介。浮気の釈明会見後に、妻に「(会見のパフォーマンスは)どうだった?」と聞いたサウスカロライナ州知事を「ルーピー」の例に挙げた。

 続報が来ましたね。まあ、あんまり付け加えることもないんだろうなぁ、とか思いつつも、原文の方を訳してみましたのでご笑覧くださいませ。

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/04/27/AR2010042704746.html
'Loopy' takes Japan by storm
嵐のさ中『Loopy』を手にした日本
By Al Kamen
2010年4月28日水曜日

 日本人たちは先日の核安保サミットで一対一の対談を望み、そしてそれが叶えられなかった鳩山首相を指して『最大の敗者』と表現した、4/14付の我々のコラムが頭から離れないようだ。また、我々は彼について哀れとも表現し、オバマ政権当局者の見解として『ますますいかれつつある(increasingly loopy)』との言葉を紹介した。

 その翌日、鳩山氏の最高の側近は、『loopy』という言葉を用いたのは「一国の首相に対し、いささか非礼だ」と批判している。本来であれば、これでこの問題は終わっていたかもしれない。

 しかし悲しいかな、鳩山氏は記述が正しいと語る事によって、日本の国会議員を呆然とさせてしまった。「確かに、ワシントンポストのいわれるように、私は愚かな総理かもしれません」と、鳩山氏は単語の持つ軽い方の意味を用いて語っている。

 単語の意味が不確かであるにもかかわらず、知ってのとおり『loopy』は日本のメディアで一時的な大流行を示した。オンライン世論調査は、『鳩山首相がアメリカに訪問した際、米メディアから加えられた彼に対する激しい批判についてどう思いますか?』を設問とした調査の結果を報告している。

 この調査によれば、対象の合計のうち84.7%が「彼らは我々の意見を代弁している」との回答をしたとされている(もっとも、鳩山氏の評価が急落しているとはいえ、世論調査としては規模が小さい物であると我々は考えているが)。

 先週末には戯画化した鳩山首相と、新たな流行語である「loopy」をあしらったTシャツなどのグッズがウェブサイト上に登場した。あるTシャツはAmazonの日本サイトにて2,940円、ほぼ32ドル ── これは神戸牛サンドとほぼ同額である ── で売られている。おそらくこれは、最高品質の綿製だと思われる。

 しかし、単語の意味する物についての混乱は多い。

 土曜日、我々は島根大学の言語学名誉教授である山田政美氏から、「日本のマスメディアは、単語についての二つの訳を示している」との、親切な電子メールをいただいた。

 「ある報道は日本語で『馬鹿(stupid)』と訳し、その他は『気違い(crazy)』と訳している」と、彼は書いている。さらにアメリカの俗語辞典では、「これを『馬鹿、愚か、あるいは常軌を逸している』と定義しているが、正確には何を意味しているのか、私や学生たちが判断する助けにはならなかった」と付け加えている。

親愛なる山田教授様へ

 質問をありがとうございます。まず初めに、『loopy』は組織内部の最高レベルの意思決定に繋がっている、あるいは情報を知らされる立場にあるという意味で使われる『in the loop』の完全な対極にある言葉である事を強調したく思います。 

 使用されてる訳語 ── 鳩山氏の用いた幾分柔らかい「愚か(foolish)」(幾人かによる訳では、風邪薬やドラッグ、もしくはアルコール等でぼやけた頭が原因の「混乱(confused)」を用いている)から、かなりきつい表現の「気違い(crazy)」まで様々だが ── の全ては、意味を完全に捉えてるようには見えません。 

 数人の専門家 ── 実は私の机の周囲30フィートにいる同僚記者 ──との議論の結果、この言葉は現実から奇妙に遊離した者について言及しているとの結論を得ました。例えば、ジョン・エドワーズ元上院議員が発する言葉は、昨年『選挙協力要員のビデオ作家』との間に生まれた隠し子の存在を彼が認めた時から、おそらく『loopy』として認識されるものとなったでしょう。

 さらに、サウスカロライナのマーク・サンフォード知事も例の一つとして挙げられるでしょう。彼はアルゼンチン女性との熱烈な浮気が発覚した後「間違った事をしたが辞任はしない」と語り、その発言はテレビで放映されてしまいました。

 それは別にいいんですが…間もなく前妻になる妻の回想によると、彼は記者会見後に彼女へと電話し、パフォーマンスについてこう尋ねたといいます ── 「どうだった?」

 その時、彼はまさに「Loopy」と呼ばれる存在だったでしょう。これらの解答が、あなたの助けになるといいのですが。

 …全然フォローになってませんね。ただ、産経を初めとして各メディアが報じている、『「愚か」や「いかれた」ではなく「現実から変に遊離した人」』って点だけを強調したい記事には思えないかな。
 ケイメン氏はそれよりもむしろ、『in the loop』(有力者の輪に入る)の対極として『loopy』という単語を使ったと強調したいように思えるのですが、いかがでしょう?
 この前の核安保サミットを題材とした記事でも「鳩山氏を相手にしたのは胡錦濤氏だけ」とオチに持ってきたあたり、『現実から遊離した首相』が『各国首脳という有力者の輪に入れない』と解するのが正しい気がします。もっとも、この記事では最後にエドワーズ元上院議員やサンフォード知事の話し持ってきたの考えると、これが当たってるかどうかは解りませんが。

 …なぜかハブられてないと強弁してる人もいましたけど、核安保サミットという場で、唯一の被爆国でありIAEAの事務局長を輩出している国の首相が、同盟国でありサミットのホストでもある国の大統領とまともに話できないって、十分ハブられてる気がするんですけどね。
 普天間の問題でも「これをきっかけに日米の新たな関係を!」とか言ってる人もいますが、公式な約束の一つも守ろうとしないで、どう新たな関係に発展させようと言うのでしょうか?
 何度も言ってる気がしますが、同盟国との約束ひとつ守らない国相手に、どこの誰がまともな交渉をもとうと思うのでしょうかね? せいぜいが後ろ盾との関係悪化を見透かして、奪える物は全部奪っとけって方向にしかならない気がするのですが。

 ちょっと一人歩きがすぎる『Loopy』という言葉。ただ鳩山氏を馬鹿にするだけではなく、なぜそう呼ばれるようになったかの背景を、もう少し深く考えたほうがいいかと思います。
 日米関係のみならず、日本外交全てへの警鐘のような気がするのですが…


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