は毎年春の桜を観賞し、粉雪が舞い散る幕末の冬に井伊直弼が門外で暗殺された事件を連想する

桜田門外の変は安政7年3月3日（1860年）に江戸城桜田門外（現在の東京都千代田区霞が関）で

水戸藩からの脱藩者と薩摩藩士が彦根藩の行列を襲撃し大老井伊直弼を暗殺した事件

老中阿部正弘や前水戸藩主徳川斉昭、薩摩藩主島津斉彬らが主導した雄藩協調体制を否定し

幕閣絶対主義の反対者を粛清により維持しつつ、朝廷からの政治介入をも阻止するという井伊直弼の専制政策路線は

自身の死によって決定的に破綻したことになる、長年持続した江戸幕府の権威をも大きく失墜し

尊王攘夷運動が激化する端緒となった、ここからわずか8年弱、最後の将軍徳川慶喜によって大政奉還が成され江戸開城により

明治維新への直接的ではっきりした起点がこの桜田門外の変であったという

時系列としては、桜田門外の変（井伊直弼）⇒坂下門外の変（安藤信正）⇒紀尾井坂の変（大久保利通）となるが

阿部正弘からスタートして、正弘は門や坂での暗殺ではなく若くして急死した、そして将軍徳川家茂は第ニ次長州征伐途中の大坂城で急死している、これも若死

その年末には孝明天皇も毒殺暗殺ではなく急死したということになっている、幕末七不思議死の三人

あとの四人は暗殺、吉田東洋・芹沢鴨・佐久間象山・坂本龍馬、幕末のキーパーソンだった

雄藩の薩長土肥のうち同時期に活躍した薩長藩士は生き抜いて明治政府の初期を導いた

大奥の老中阿部正弘（右）

いずれも幕府転覆のクーデターの前に下級武士によって家老格が暗殺され藩内でクーデターを起こしている

特に長州藩の長門周防、現在の中国地方は中世の応仁の乱・戦国時代から大内氏⇒陶氏⇒毛利家と下克上の地なのかも知れない

土佐の岩崎弥太郎と肥前の大隈重信は政商と政治家として老舗の住友・三井と対抗しながらも三大財閥の三菱の礎を築いた

幕末に公武合体した頂点の天皇と将軍が同時期に暗殺ではなく、偶然の急死としか記述しない教科書に疑問を感じた日本人は多くいたことだろう