20世紀初頭、あのナポレオンをも退けた大陸軍国ロシアを相手に東洋の小国、極東の日本という国が戦争で勝利した

この大事件は黄禍として西洋の隅々にまで、日本は野蛮国から文明国に仲間入りしたと報じられたという

軍事力で文明国になった訳ではない、血生臭い栄誉でしか文明国と主張できないなら、よろこんで野蛮国のままでいよう

そして、日本は既に文化文明的であると言ったのが『THE BOOK OF TEA』著者の美術家岡倉天心

十七世紀に三千家が成立

東西共通の飲み物の茶を媒介にして、利休の茶の湯をもとに、ボストンに滞在していた頃ニューヨークでこの本を英語で出版したという

東洋の素晴らしさを日本を奇異に見ていた西洋に向けて発信した、多くの西洋人に母語翻訳され世界中に広まり日本にも逆輸入された

岡倉天心は日本人向けに日本語では書いていない、日本人による日本語訳は未だに当時を知る研究題材になっているという

フェノロサと岡倉天心

以降、欧米への利休と茶の湯の知名度は上昇し海外の茶道人口は急増する

逆に国内は文明開化による西洋化で衰退していた、茶道は財界人に細々と継承されたという

明治以降、女子教育に茶道が取り入れられ戦後は千家の普及拡大活動によって女性を中心に未曾有の茶道人口が出現し現在に至る

茶の湯の歴史は四百数十年

堺の商人⇒武家⇒公家⇒町人⇒財界人⇒欧米人⇒女子に変遷してきた、現在はアジアで大ブレイク中

『THE BOOK OF TEA』を読み終え一服

茶の本