ジャン=ピエール・アメリス監督。



余談ですが、脚本家がアメリと一緒で(ギヨーム・ロラン)なおかつ名前も似てるっつーので、ジャン=ピエール・ジュネと間違えたってゆうね!(笑)
そんなところから手にとった、本作『ベティの小さな秘密』。


エリザベス、通称ベティ。
精神病院の院長をしている父、元ピアニストの母、親友のように仲の良い姉の4人家族で暮らしている。
が、姉は寄宿舎のある学校へ進学する為に家をでるし、母は新しい恋人と街へ出ようとするし、父はそんな母を引き止めようといっぱいいっぱい。保健所で保護され、もうすぐ安楽死させられてしまうとある犬を引き取ってもらいたいベティは、話をすることすらままならない孤独にどうしようもなく沈みがち。
そんな時、隣接する精神病院からひとりの患者が脱走した。たまたま物置小屋のそばに潜んでいた患者…青年イヴァンをベティは咄嗟に匿ってしまう。
そこから、ベティは青年を物置小屋に秘密で住まわせる、奇妙な生活が始まった……




ずーっと感じてた印象をひとことでいうと……
なんかいやらしい(笑)

直接的な表現はまったくなく、パッケージから何まで可愛らしい女の子の青春ムービーを押し出しているとは思うんですが…

『秘密の花園』もある種、倒錯した少女嗜好(というか監督のロリコン趣味か?)が現われてたと思うんですが、それにうんと近い!

患者の青年に恋した少女はもう無垢な少女じゃない。

穿った見方かもしれないけど、青年を物置小屋に匿うというよりは、“飼う”といったほうがしっくりくる。
甲斐甲斐しく世話を焼く姿は母親のようだし、
可愛らしいスカートをいの一番に彼に見せる表情は完全に女に見えるし、
幼女をここまでわかりやすく撮らえる監督はロリコンだろうとほんとに思った!

青年のそういう衝動が、いつ少女に向けられるかとハラハラしてたけど全くの杞憂で(苦笑)、雛が親鳥を慕うような信頼いっぱいの瞳でベティを見つめるもんだから逆に罪悪感がありましたww
でも犬の描写に関しても、従順・使役の象徴であるにもかかわらず、成犬しかも保健所に捕われるような荒々しい性格の犬を選ばせるところにも性的なものを感じさせると思うんだ…



途中クラスに転校してきた男の子といいかんじになるのか?とも思ったけど、あれは単に『親友』になれるんじゃないかという願いだったのかなぁ。趣味とか合いそうに感じたのに!みたいな
最後のほうの裏切りというかからかわれる云々も、辱められたというより『やっぱりこの人も親友にはならない』っていう残念さが先にきてるように見えました。
まぁ少年もしょうがないっていうかね…子供ならではの下らないからかいだったけど、その容姿のことを考えるといじめっ子とは一概にいえないかなあ
そうならないと自分が負けちゃうもんね、うん。



うん、やっぱりベティがこの話の中でいちばん大人だということだな!


ラストが若干消化不良気味だけど、
随所に意図が散らばってておもしろかった!
映画としても、風景はきれいだし服装もかわいいから見易いとおもいます。空気感はまるでファンタジーの様。

しかし、ぜひまっすぐでなく歪曲した方面から観ていただきたい映画でした(笑)
監督さんは違うけど、あとで調べたら企画さんとプロデューサーさんが『めがね』や『プール』などに携わった方々でした。なるほどー




いつもそこにある“水”を使って、ふつうに暮らしている、ある人々の日常でした。

やっぱりこのシリーズ(といっていいのか)は、ドラマチックな展開は全く無く、ただ、いつもそこにある大事なものを丁寧に映していく流れでした。

ウィスキーしか出さないバー、コーヒーの美味しいカフェ、店先のベンチでも食べられる豆腐屋さん、などなど、
水が美味しくなければ成り立たないものたちばかり。

当たり前にあるけど改めて認識すると、水は人を生かしているんだなあと思いました。


………うーん、作文か(笑)

でもとにかくまったりしてて、ゆったり癒されましたよ~時間の流れを感じなかった!
登場人物たちは誰もがいろいろな土地を巡ってきた感じがかもしだされていて、でも今はここにいる!っていう妙な安心感もあり、『人生って簡単でいいんだな~』とか思ったりね。多分、いろいろ悲しいことも辛いこともあったんだろうけど、とりあえず今はここにいるから!という存在感。

いい雰囲気でございました。



レギュラーメンバーはいうに及ばず、(今回ももたいさんはすばらしかった…!あの人妙なヤンキーくささを感じる(笑))
小泉キョンキョンのあの華やかさと、永山くんの若者っぷりはまた新しい空気で面白かった!
最後の最後に、どうやらプールの伽奈ちゃんが友情出演(並みの出番…)!
あのこもかわいーから出してほしかったなー


料理は飯島さん!キャッホー!!←
今回のポイントは、瓶ビールとともに楽しむたけのこやらごぼうのかき揚げ、さっくさくのカツサンド、スプーンですくって食べる豆腐!

やっぱりこの人の料理はすきだなあ!丁寧な中にも日常感もちゃんとある。唯一見極められなかったのは、途中光石さんと永山くんが紙袋からつまむ“さくさくしたもの”。ぜんぜん見えなかった……!




これはDVD買って、やさぐれた時観るときくと思います。日常に疲れを感じたら、ぜひぜひ。





ハーイ、スーパー愚痴ターイム!

映画を一緒に見に行った友人が、先売りチケットを買ってくれたのはいいけど、

・待ち合わせ時間・場所すらわからず、最終的に連絡がとれたのは始まる30分前
・しかも10分遅れる
・本編始まってるにも関わらず席の把握をしてなかったせいでうろうろ(入る前にわたし確認したのに信じてくれなかった)
・席につき、ガサゴソとコート脱いだり傘立て掛けたり音でまくり
・ジッパー式のバッグから、ペットボトルをガサゴソ出して、『ゴッキュゴッキュ』
・ご丁寧にきちんとしまい、またジッパーをあげる
・×2回
・途中2度寝落ちる


なーんてごむたいでも、
あたいこの映画みたら、夕飯には付き合わない(にっこり)だけで許せました!←
スゴイヤー^^
冨永まい監督作品。

ちょっとだけ酷評めやも。





物語の始まりのシーンは、
倫子が実家の畑を掘り返しているところから。


早朝らしき時間帯、小汚いぼろぼろの倫子(柴咲コウ)が畑を掘り起こしていると、後方から小さな白い豚が現れる。それに驚いて手を止めていると、遠くから鎌を持ったおばさんが『泥棒!』と叫びながらすごい形相で走ってくる。
逃げようとして転ぶ倫子。その顔をみるなり、振り上げた鎌を留めるおばさん。
『なんだ、あんたか』
おばさん…倫子の母親ルリ子は、そう呟いて、つまらなそうに家へと戻ってゆく……





初めのシーンの抜粋としては、まあ妥当というか。


映画としてオリジナルで変更・付け加えた部分は、
・おっぱい山バンジーはすたれている
・倫子の髪型
・他店の妨害(映画では学生時代の友人)
・エルメスの屠殺(解体)シーン←まあこれは、こういうほのぼの映画じゃやれないか…
ぐらいかな。

ほぼ原作通りに話が進むせいか、エピソード入れきれなくて多少もったいないと思ったけど、
時間内に収めようと思ったらしょうがないですね。

とりあえず話の内容はさておき。

その時の映画批評では『リアリティーがない』とわりと酷い言い方されてたけど、
まあたしかに(笑)


ときたま入るCGがちょっこし過剰すぎだったかも。
かわいくて、女の子としたら画面的にはすごく好ましいけれど、
まとまり的にはちょっとファンタジーに過ぎたかなとかね。

倫子とルリ子の説明シーンはいきなり音楽始まってうたわれてびっくりした(笑)
ミュージカルすきなんだけど……あまりいい気はしなかったなあ。変わった演出ではあったけど。悪い意味でアニメぽい。



料理的には、も少しシビアに見てました。


でも、とりあえず食べ方はさいこうに素敵!

とくにお妾さんのシーンはものすごく美味しそう&いいたべっぷりで大好き!
林檎のぬか漬けとか、カラスミのリゾットとか見てるこっちが食べてみたいと思うくらい…!盛り付けは完璧でした。


シビアなのは、やっぱりファンタジーに過ぎるところかなー
野菜はひとりでに育つものじゃないし、飼い豚を殺して食べることは、もっと重いことのはず。
食材に祈ることはこの主人公の核となる部分だけど、
生産者の苦労とか、いのちを食べることとか、それをもっと尺にいれてもよかったんじゃないかな。
特に飼い豚を殺すことは、責任を負うこと。
自ら食べることは悲しくて辛いことだけど、肉の一片血の一滴たりともむだにしないという食べる側の覚悟になると思う。
それを描くことが物語の核『つながってゆくもの』につながると思うんだが、
オブラートに包みすぎてただの母と子のありがちな話になっちゃってる気がする…




物語としてのセットのデティールはすごく可愛いし、
柴咲コウの料理の手際のよさはやり慣れてる感じがしたし、母親役の余貴美子や、ネオコン役の田中哲司の演技は素晴らしかったので、
ほっこり癒されたい方はおすすめです。
季節もたぶん今ぐらいにみるとちょうどいい時分。






あ、料理的にもうひとつ。
ジュテームスープがどうもな……
あれは小説の表現的にすごく期待値が高かったので、実物&食べた感想&反応の演技が残念でした……


うーん、期待しすぎた!