「……それ、どうしたの」

 

「分かんない。起きたら、ここに……火縄みたいなのが……」

 

 灯子は、フライパンをゆっくり下ろした。


でも手放さない。手放せない。

 

 音葉は、焦げた匂いの源を探すみたいに、自分の枕元を振り返った。


暗い部屋の中で、何かが「そこだ」と言っている気がする。

 

 灯子の背筋が、ぞくりと冷える。

 

 停電のはずなのに、どこかで、また——

 

 カン。

 

 鐘みたいな音がした。

 

 

つづく