11月17日(土)、根木内中学校体育館において第4回教育文化講演会が開催されました。これは日常生活ではあまり触れることが出来ない知識や教養をお持ちの方をお招きしてお話いただき、子どもたちや地域の皆様の知的興味を促すきっかけになれば、という趣旨で平成25年に始まった、根木内おやじの会と保護者委員会主催の講演会です。

今回は「盲目のヴァイオリニスト」としてテレビやネットで有名な穴澤雄介さんをお招きし、『過去は変えられる、マイナスをプラスに』の演題で、全盲になってからの生活や、障がい者で演奏家である日常についてなどを、素晴らしい演奏を交えながらの軽妙なトークでご披露いただきました。

語り口こそ軽妙でしたが、普段「見える」ことが当たり前で生きている私たちにとっては、驚きや感銘が満載の内容で、気がつけばあっという間の1時間半でした。 最後に中学生代表からお礼の言葉と花束を受け取り、ステージを去っていく穴澤さんへ、いつまでも止まらない盛大な拍手が続いたのが印象的でした。

 

 

〈以下、当日の穴澤さんの送迎を担当した会員からの寄稿を抜粋します〉

 

待ち合わせの場所の北小金駅に行くとすでに穴澤さんが一人で待っていました。

私の全盲の友人は、病気により40歳代で突然視力を失い、その後7年間、自宅から出られない「引きこもり」のような暮らしをしていました。ご家族やいろいろな人の支援を受け、その後、世界を訪問し、会社を起業、今では経営者ですが、ほとんど一人で外出することはありません。穴澤さんは一人でパリでも行ってしまうとのこと、驚きです。

 YouTubeの「穴ちゃんの福祉教室」で勉強した通り、白杖を持たない方の左手の前に立ちました。肩を貸そうと思いましたが、彼は私の肘を触れました。

北小金駅のエレベーターを降りて右に曲がり、待機している車に向かいます。すると、駅の階段の裏側が穴澤さんの前にせり出していて、うかつに進むと頭を激突する位置にあるのにまたびっくり。「穴ちゃんの福祉教室」で注意喚起していた通りでした。

 卒業された筑波大付属盲学校専攻科音楽科(現在は筑波大学附属視覚特別支援学校専攻科音楽科)について伺いました。日本は、視覚障害者に対する音楽教育には、古い伝統があり、筑波大付属も130年の歴史があるそうです。邦楽の演奏者を養成するところから始まっており、私の敬愛するギタリスト・シンガーの長谷川きよしさんも卒業生でした。(以上)