新丸ビルの中にある、豚肉料理をメインとした和食店が「とん風(とんぷう) 」である。一人で来訪したので、一人分だけ空いていたカウンターに通されたが、周囲は全て女性。テーブル席も女性が多く、豚肉が女性にとってヘルシーと認識されていることがよく分かった。


ランチメニューは3種類の定番と1種類の週替わり丼。今週は黒酢の酢豚どんぶりだった。定番は1480円の鍋とミニ海鮮丼のセットが人気あるようだ。周囲の女性たちも半分が酢豚どんぶり、半分が海鮮丼をオーダーしていたようだ。食事が運ばれてくる前に、いきなり伝票だけもってこられたりして、接客的にやや「?」と感じた部分もあるが、セットの内容はそれほど悪くなかった。


丼はポーション的には軽めであるが、ご飯の上にレタスと葱が敷き詰められ、その上に酢豚(豚肉のみ)が5切れ乗せられていた。ただし、肉の量としてはやや少なく、もうちょっと肉が多ければなお良いと思う。酢豚は黒酢がきちんと利いていて、悪くなかったが肉質はやや固めで噛み切るのにやや力が必要だった。それほど、大きな肉の塊ではないので、もう少し柔らかい肉なら印象はもっと良かっただろう。丼の他に、小鉢に副食が4種類あり、さらにとん風特製の「豚汁」も付いてくる。この豚汁は、やや味が塩辛いものの、具は盛りだくさんに入っており、一般的には好評であるのも頷ける。


多くのレストランが跋扈する新丸ビルの5階で、トンカツならばかつ吉があるし、酢豚のような中華なら隋園別館があり、なかなか通常の豚肉料理だけで、特色を出すのは困難かもしれないが、ぜひ、リーズナブルなランチを提供し続けてほしいものだ。


とん風

東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング5F

03-6270-8787