店名からは想像も付かないが、寿司店である。もちろんthe hump なんて店名だけに、伝統的な寿司店ではあろうはずもなく、アメリカのカリフォルニアに本店を持つ逆輸入版のお店だ。なんでも、サンタモニカのプライベート・ジェット専用の空港に位置しており、西海岸のセレブな客層に愛されてきた、とのこと。


丸の内では、セレブ御用達かどうかはともかく、明治安田生命ビルの中でも「Opaque」と呼ばれる隔離されたファッショナブルな一角の2階の奥で営業しており、他のレストランとは離れているため、丸の内の中でもやや隠れ家的な雰囲気すらある。内堀通りを挟んで皇居に面しているので、散り行く桜が見られるかと思ったが、その付近には桜が植わっていないため、花見にはならなかったのが惜しい。それでも風光明媚な店ではある。


ランチメニューは高額な寿司コースもあるが、通常は1,200~1,300円の丼メニューが中心のようだ。それにならって、「人気ナンバーワン」とメニューに書いてあったカリフォルニア丼を選択。想像に難くないが、カリフォルニアロールの具財を丼にしたアボカドとマグロが主体のわかりやすい丼だった。その他のどんぶりメニューでもそれほど、変化はないだろう。新鮮な魚介類を楽しむための寿司屋ではなく、ファッションとして、もしくは肉類ではないヘルシー・フードとして楽しむ西海岸的な寿司屋だから、これでよいのだろう。そういう意味では東京では滅多にオーダーすることのないカリフォルニアロールをつい、注文したくなるような店だ。


魚が特に美味しいわけではないが、雰囲気がよく、接客も悪くないので、ゆっくりと会話を楽しむという点では存在意義があるだろう。

ザ・ハンプ

東京都千代田区丸の内2-1-1 オペーク丸の内2F

03-5293-4813