冬が近づいてくると、鍋の季節の到来。寒い日に、アツアツの鍋と美味しいお酒があると、日本人でよかった、と実感する。この鍋に加える絶好の香辛タイプの調味料として「かんずり」と「柚子胡椒」がある。あまり東京地区では有名でないかもしれないが、かんずりは新潟発の柚子と唐辛子ベースの調味料であり、濃いオレンジ色のペースト状の調味料。
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柚子胡椒は、九州地方の調味料でやはり柚子ベース。胡椒とはいうものの、こちらも青唐辛子を使用してつくられ、緑色のペーストの調味料である。ちなみに、九州では唐辛子のことを胡椒とも呼ぶようである。
本日の夕飯の献立は豆乳鍋であったが、普段使用しているかんずりが底をつきかけたため、以前に頂いたものの、これまで使う機会のなかった柚子胡椒を取り出すことになり、かんずりとの比較を行うことが出来た。
どちらも柚子と唐辛子がベースとなっているが、九州という温暖な環境でつくられた柚子胡椒は、より辛みがストレートで、柑橘系のさわやかさが前面にでた味である。一方のかんずりは、2~3年熟成させて、作られるということで、マイルドな中にもじんわりと辛みを感じさせる味である。かんずりの色が薄まると、きれいなオレンジ色になるが、アルビレックス新潟のシンボルカラーが思い起こされる。
連れ合いは、柚子胡椒のさわやかな感じの辛みが好みであるとの感想だったが、私の好みは味の深さを感じさせるかんずりである。
どちらにしても、これらの香辛料を使って、鍋を食べる習慣がつくと、鍋のときには使わずにはいられなくなる。こんなに魅力のある調味料なのに、どちらも東京地方でほとんど広まっていないのはきわめて不思議である。