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2013/05/12(日)   天候:快晴

コース:鳥居地峠-高座山-大榷首峠-杓子山-大榷首峠-高座山-鳥居地峠
7:00出発、12:30帰着 5時間30分

 週間天気予報では雨マークが続いていた為、山行の予定を立てずにいたこの週末。日曜日のみ晴マークに変わった山梨県の天気予報に導かれて、富士山の眺望で有名な杓子山へと出掛けてきました。前日に行先と決めたこの山は、今年の1月に大雪に阻まれて登山口の鳥居地峠に到着出来ずに中止となり、そのまま計画中となっていた山です。忍野村役場に駐車させてもらい、鳥居地峠から杓子山、鹿留山、そして内野へと下る周回ルートを予定して、南の空の明るさに今日の晴天の兆しを感じて自宅出発です。
 御殿場は雨、忍野村に至っては深い霧、目的地を目指し北へ向かえば向かう程に空模様が怪しくなり今日の天気に疑心暗鬼です。数日前に痛めてしまった左足の親指の状態も気になった為、濃霧に包まれた忍野村役場での駐車を回避して鳥居地峠に向け進路変更です。そして到着した鳥居地峠から空を見上げると雲の隙間から日が差し始め、霧が薄くなっていく気配です。予定通りの周回ルートで鳥居地峠に戻ってくるのか、それとも杓子山へのピストンだけで済ませてしまうのか、天気と眺望そして左足の状態を考慮して杓子山の頂で結論を出すこととし7:00に出発です。
 まずは薄い霧の中の林道を10分程歩いて高座山への登山口に出合います。そして焼き払われて幾分炭の匂いの残る茅場の脇に伸びる尾根道を進み、高座山を目指すのですが、雨上がりで滑りやすくなっている急登に苦戦を強いられます。しかし辺りを覆っていた霧はいつの間にか晴れ、照り付け始めた初夏の日差しが、進行方向に広がる青空の下へと導いてくれるようです。長く続く急登の合間に幾つかある休憩場所に適した平坦なスペースには、高価なカメラを三脚で構えた数名のカメラマンが、背後に聳える富士山を覆い隠す厚い雲が流れ去ることを待っています。残念ながらこの茅場を通過する間に富士山が顔を出すことはなく、足場の悪い急登をトラロープに補助されて高座山に登頂です。
 三角点があり、富士山の眺めが良いと云われる狭い高座山ですが、富士山が眺められなければただの通過点でしかありません。水分補給の小休止に留め、更なる前進で杓子山を目指します。新緑の木々に囲まれた登山道を進むここからの行程は心地よく、細かな登り降りを繰り返し少しづつ高度を上げていきます。眺望に恵まれない行程ですが、時折顔を出す雲の隙間からこちらを窺う富士山の一部分に、穏やかなものを覚えます。そしてその富士山の一部分が徐々に大きくなっていく様子は、山頂からの富士山の眺めを期待させます。道中に何故かあるハンググライダーの飛行台から下界の眺めを楽しみ、再び林道と出合う大榷首峠を過ぎ、山頂直下の長い急登をこちらもトラロープに補助されて、貸切りの杓子山に登頂です。
 鳥居地峠から5分程先行していった3人組には山頂でも追いつくことはありませんでした。きっと眺望などお構いなしに鹿留山を目指して進んで行ってしまったのでしょう。そして私にとってのこの山頂での一番のお楽しみ、富士山の眺望はと云うと、未だ雲に覆われていて45点と云ったところでしょうか。しかしその背景となる青い空の面積は増え続けていますので、時間を掛けて待ってさえいれば、絶対に素晴らしい眺望が得られると確信できます。出発時の懸案事項だった登頂後の行程はピストンでの下山と決め、時間にゆとりの優雅な一時で富士山の眺望待ちです。優しい日差しの降り注ぐほぼ無風の穏やかで心地よい山頂で、富士山の正面に腰を下しのんびりと流れる時間を楽しみます。そして空の青さがどんどんと広がっていき、富士山の背景が青一面になりその眺望は80点にまで上昇です。マイナスの20点は最後まで消え去ることのなかった、富士山の中腹を隠していた厚い雲が原因ですが、それでも美しい今日の秀麗富士です。そして同時に見え始めた南アルプスの山並みにも喜びを与えられ、大満足の山頂滞在を2時間弱で切り上げて下山の行程です。
 登ってきた時以上に気を使う急傾斜を下り、往路では楽しめなかった茅場での富士山を楽しみ、ゆっくりと下り無事に鳥居地峠に帰着です。当初の予定よりも随分と歩行距離が少なくなってしまいましたが、山頂で過ごした貴重な時間に勝るものはありません。気になっていた足の痛みも、歩くことが苦痛になる程でもなく、気分良く楽しむことが出来ました。やはり体調に不安の感じる時には無理は禁物でしょう。ましてや舗装路歩きなど論外ですよね。天候に恵まれたせっかくの休日に、無理があっては楽しい山行も楽しくなくなってしまいます。鹿留山は何れまた目指すこととして、今日のところは、穏やかだった山行を想いこのあたりとさせて頂きます。