大学受験で通った予備校の話。
その予備校では、単語の暗記方法として、青のボールペンでノートに単語を書きまくるという方法を推奨していた。
手を動かし、何度も書きまくることで、単語が頭の中にインプットされるらしい。
青のボールペンを使わせたのは「青は脳みそが記憶しやすい色だから(真偽は定かではないが)」だそうだ。
僕を含め塾生は、英単語しかり、歴史上の人物名しかりをペンだこができるまで必死にノートに書きなぐっていた。
大人になって勉強のおもしろさを知った今、丸暗記の勉強法に疑問を感じざるをえない。もちろん、大学受験は綺麗事では受からないので、単語の暗記は大事だろう。
しかし当然ながら、書くという行為には時間も労力もかかる。単語の丸暗記に時間をかけて、壮大な歴史のストーリー、より多くの英文に触れ、楽しむ時間を削ってしまっては本末転倒ではなかろうか。
実際に単語を書きなぐっていた時間を全て他に回せば、もっと多くの英文に触れ、結果的に単語も覚えられたはずだ。ただ愚直に書きまくるよりも、興味をもって楽しみながら学習した知識の方が定着も早いはずだ。
単語は教養や知識をより楽しむためのツールであって、覚えるのがゴールではない。
大学受験から10年が経った今、そんな風に考える。