私はどりぃむスイッチというITを活用した自立支援をする場を提供しています。
福山市周辺にはひきこもり状態から脱するために
毎日通える場所というのが少ないので、
どりぃむスイッチは最初の居場所としてのフリースペースの役割も提供しています。

ただ自由に過ごすフリースペースは他にもあるので、
社会参加しながら社会人としての基礎力アップすることを目的に
ボランティア活動を継続して行っているフリースペースの提供をしていきます。

私が日々活動する中で
不登校に関して分かってきたことがあります。

相談に来られた方々の話をお聞きしていると、
不登校の時期を過ごした経験をお持ちの方が多いということです。
つまり不登校は思った以上に重要なサインだということです。

その時、お子さんに何かあるサインには違いないのですが、
もっと重要なのは、
将来またその問題が出てくる可能性があるということです。

一時的に、または長期的に、不登校の時期を過ごし、
その時に何が問題でどうすれば良いのかという答えを
きちんと見つけることが出来た場合は良いのですが、
取りあえず不登校は解消した・・・では、
今度は社会に出たときに
または大学に入ったときに
負荷がかかる時や大きく環境が変わった時に
再び同じように行けなくなる可能性が出てくるのだということが
いろんな方とのお話の中で見えてきました。

ですから、取りあえず学校へ行け!といった対応より、
傾聴などにより原因を探りつつ
本人が気付いて変わっていくような
自己成長を促す働きかけが大切になってきます。

原因によっては長期にわたる
誰かのサポートが必要かもしれません。

コーチングの理論の中に有効だと思うものがあるので
ご紹介しておきます。
これは、私が活動の中で最近知り合ったある方に
教えて頂いた言葉を検索して見つけたサイトです。

【外的コントロールと選択理論】
http://www.geocities.jp/sawadat03/zu-c5.html

学校へ行かないから叩くとか、
罰則を与えるとか、
そういったことを外的コントロールというようです。

それに対し、自分で考え、自分で選択していくのを
選択理論というようです。
こちらが内的コントロールです。

こういった理論を知ることが親としては大切なのではないかと思います。
内的コントロールをする力がつくと、
他の問題に対しても対処する力がついてきます。

では外的コントロールは無効かというと、
そうとは言い切れません。
それが有効で後々に内的コントロールをする力が付き、
あの時無理にでも背中を押されて良かったと
思える時が来るということもあります。

ただ、外的コントロールが全てではないということです。
外的コントロールが全てに有効だと主張される方がおられますが、
それは一つの方法なのだと思います。
外的コントロールをやるには、
既にしっかりした信頼関係があることが条件だと思いますし、
その信頼関係が崩れないように注意が必要です。

私は外的コントロールも試したことがありますが、
今の考えでは、内的コントロールが出来るようにならないと
問題の本質的な解決にはつながらないと思っています。

何よりもマズイのは信頼関係が崩れてしまうことです。
そうなると話もしなくなりますし、
何の働きかけも受入れなくなってしまいます。

そうなると、内的コントロールへの切替えも出来なくなります。

そのようなシャットダウン状態になってしまっていると、
その後、解決まで非常に時間がかかると感じます。
親子の信頼関係がくずれているような場合は、
第三者のかかわりが有効だと思います。アウトリーチですね。
訪問により別な方と信頼関係を構築してもらい、
そちらから働きかけをしてもらうという方法です。

親子の信頼関係が崩れていないと、
少しずつでもステップアップしていくことは可能です。
家族とも口をきかない。誰にも会わない。
こういった状態が続くのは要注意なのです。

それでもゆっくりと自分の中で自問自答が繰り返されていると、
いつかまた歩き出そうとする日がくるのではないかと思います。
外的コントロールでそんな子どもさんの自問自答を阻害していると、
長く停滞期を過ごすことになりかねません。

不登校になったとき、ひきこもり状態に突入したとき、
どのように対応したかというのは
後々にも影響を及ぼしてくるのだということをお伝えしたいと思います。

また、アウトリーチや相談というのは、
相手との相性などもあります。
一度トライして上手くいかなかったからといってあきらめず、
どうしてもダメなら次の方、というように柔軟に考えて頂きたいです。

また、ご本人の状態(ステージ)によっては、
働きかけに長い時間を費やす必要があることもあります。
ゆっくりと時間をかけ、少しずつ少しずつの働きかけが
大切な場合もあります。
焦ってもあまり良いことはありません。
子どもさんの状態を良く把握して、
先への見通しをつけていってください。

内的コントロールはどうしたら出来るようになっていくか?
速攻性はありませんが、
自問自答を繰り返し、
自己成長してもらう機会を増やすことです。

これは普段の会話の中からやっていきます。
一緒にテレビを見て「○○ってどう思う?」
そんな問いかけも自問自答を促します。
自分はこう思うという意見を言うことも
自問自答の機会になります。

明日は、そういったことについて
もう少し書いてみたいと思います。