ニートひきこもり不登校などを経験している方の多くは、
真面目過ぎるくらい真面目で大人しい方が多いです。

『ひきこもり=家で怠けている』と思っている人がいたら
それはだいぶ間違った見解です。
※自ら好んでニートをしている人は別だけど・・・というのが
 どりぃむスイッチに来ている皆の一致した見解ですが。

彼らはとても純粋で真面目で誠実です。
法律や道徳を遵守し、
「○○しなくてはいけない」
と生真面目に考える人がとても多いです。

逆に言えば、それゆえに、
出来ない自分を責めたり
誰かの言葉に反論することも出来ず・・・
自分を追い込んで
最終的に家にこもるしかなくなってしまう。

そして、家にこもっている自分を責め続けるか・・・
又は自分を守る為に現実逃避し、
今楽しめる何かで気を紛らわし続けるのです。

家に一人でいることが

楽しくて仕方ないという人は稀です。

多分その辺りが世間一般の見方と
違っているのではないでしょうか?
確かに仕事でシンドイ思いをしているより
楽をしているように思えるかもしれませんが、
そうでもありません。

働きたいと切望していても、
やり直したいと思っても・・・
彼らがやり直せる場所があまりにも少ないのです。
行き場が無いために、長期間家に居続けることになるのです。

最初はちょっと家にいただけなんです。
けれど行き場がなくなったために、
いつの間にか日にちだけ過ぎて
気付いた時は問題は深刻化しているのです。
そして10年、20年があっという間に過ぎる。

ちょっとつまづいた・・・
これじゃいけない・・・
その段階で利用できるところが少なすぎるんです。
その時が一番重要なのに!!

唯一利用できるのが
厚生労働省がやっている
若者サポートステーションです。

通称サポステは各都道府県に一つ以上あります。
今年度はアベノミクスで全国140カ所になる予定が、
160ヶ所に増えました。
母体となっているNPO法人や株式会社によって、
実際は活動内容には差がありますが
無料でカウンセリング、職業体験、学び直し等が受けられるはずです。

厚生労働省はとても良く考えられていて、
サポステに高校中退者その後の進路の情報収集に努め、
早い段階から主体的にサポートへ向けて動きなさい

サポステの仕様書に書かれています。
とても大切なことだと思います。

学校と連携するために、
専門の人間を一人配置して、
学校へ出向いて臨床心理士がカウンセリングもするように書かれていますし、
不登校の時点から注意して見守るようにと書かれています。

困っている方の情報を一元管理するための
情報管理員も配置するように書かれています。
各NPO法人、学校、行政の相談窓口、ハローワーク・・・
さまざまな機関と連絡を取り合い
困っている人がどこにいるかの情報収集に努め、
サポートしてくれる機関の情報提供を行い、
また各機関とも情報を共有して
各個人を複合的にサポート
するのが
サポステの役割と定められています。

そのために進学や復学を希望する方の為には、
学び直し支援員を配備して勉強を教えてあげるようにと
そこまで書かれています。

ニート・ひきこもり・高校中退・不登校の問題を解決するべき場所として、
日本の中では若者サポートステーションが中心になって
担っていきなさいというのが国の方針なのです。

ジョブコーチ等就労支援、職業ふれあい事業(中間就労のようなもの)、
スキルアップ
についても・・・
かなり踏み込んで必要性がかかれていたので、
若者サポートステーションの仕様書は素晴らしいと私は思いました。
感動しました。
本当に、あの仕様書を書かれた厚生労働省の担当者の方々には
敬意を表したいと思いました。

あとは受託したサポステがどれだけ実行できるかです。

厚生労働省は、成長戦略の一環として
サポステにかなりの予算をつけてくれています。
だから、サポステを受託した団体は
真摯にそれを受け止めて
本当の自立支援を実現しなければいけないと思います。

決して、形だけで終わらせてほしくありません。

仕様書には約半年で各人が進路決定できるように
しっかりサポートしなさいと書かれているのですから、
本当に親身になって一人一人に寄り添い
帆走してあげてほしいと思います。

そのサポステが広島県には1つしかありません。
県と市町村が話し合って、区分けをすれば、
広島県にも2ヶ所、3ヶ所とサポステが出来るはずなのですが、
市町村が動いてくれないとそれは実現しません。
私がいる福山市には出張所があり、
週2日カウンセリングの日が設けられています。

けれど、ひきこもりの人に必要な場所は、
毎日通える場所です。

スキルアップや就労支援など具体的な活動が出来るところです。
そんな重要なサポステが、毎日通える場所に無いというのは、
何とも不利な状況です。

サポステの一覧を見ると良く分かるのですが、
広島県ほどの広さと人口でサポステが1つというのは
あまりにも少なすぎます。

http://www.neet-support.net/about/supportstation_4.html
【全国のサポステ一覧表】
を見ても
近隣の県と比べて
広島県にサポステが少ないのは一目瞭然!


市町村がサポステを作ることに積極的になってくれれば、
広島県にもサポステが複数出来る可能性は残されています。

どりぃむスイッチはサポステのような場所を目指していますが、
NPO法人化を目指して活動中の任意団体であり、
今は、私個人の負担で運営しています。
お仕事をした代金としてお金を頂く以外に収入はありません。

最初にパソコン5台と必要なソフト、技術書や机などを買いました。
家賃(※大家さんのご厚意で格安です)、
駐車場、電気代、ガス代、電話代、消耗品・・・
しっかりお仕事が受注出来なければ、マイナスは続くばかりです。

「利用料を頂いたらどうですか?」
そう言われます。
けれど、私は利用料を取るために通って来れなくなる子が出るのは
とてもとても忍びない
のです。

だから一生懸命考えています。
みんなで出来る仕事は何か?
活動費は出来るだけそこから生み出したいと思っています。
更には、参加してくれている子が少しでも収入を得られる場所にしたい。
(※額は、仕事量によりバラツキが出るでしょうが・・・)

少しでも収入を得ながらスキルアップ出来る!
新しい事業展開が成功すれば
そんな理想が現実に出来るかもしれない。

自分たちで稼ぐ力をつける!
しっかり力が付いたら自立してくれれば良いと思っています。
難しいところは補い合える、
強くて優しいチームにしたい
と思っています。

ただ、安定を求めるなら就労がやはり一番です。
就労を求める人は、
やりたいことと合致していて自分を分かってくれるところを探しながら、
どりぃむスイッチで雇ってもらえる為の力とマインドを身につける。

どりぃむスイッチを始めて、半年が過ぎました。
その間、活動に毎日または定期的に参加してくれた人は14人。
そして仕事が決まるなど、新しい進路が決まった人は6人。
進路決定率約40%というところでしょうか?

今すぐに進路を決定出来ない方もおられるし、
それこそノマド的ワークスタイルを希望して
あえて就活していない人もいます。
就労かノマドか・・・
一人一人にあったものを目指したら良いと私は思います。

大切なのは自分らしく夢を叶えること。
それを支える活動は圧倒的な行動量なくしては実現出来ないと思います。