僕の状況からしたらもう記事を書いてる余裕などないはずなのだけど、これだけは書かずにはいられない。今回の新潟県中越沖地震を機に毎日新聞が調査したと ころ、国内の「全ての」電力会社が、地震に伴って火災が発生した場合の具体的対応を定めていないことが判明したというのである。

驚いたことに、各社とも、火災発生時に外部の消防隊が来ないケースは想定していないという。しかし、一般常識で少し考えただけだって、大規模地震では交通 インフラに深刻な影響が出るのだし、消火にあたらなければならない大規模火災は原発以外でも多数起こりえる。そんな中で、まっさきに消防車が原発に駆けつ けることができる保証がなんて、どこにあるというのだろう?そんなもの、素人だって想像がつきそうなものだ。

北海道電力は、地震による原発事故発生を想定した訓練すら未実施だったという。調査に対する答えがふるっている。
「原発は十分な耐震性が確保されていることが前提で、地震による大きなトラブルや事故は発生しないことになっている。そうした訓練は想定しようがない」。

彼らは、これを本気で言っているのか。苦し紛れなのか。
もう、タチの悪い冗談にしてたって、センスが悪すぎる。
こういう問題にいたっては、もし事故が起こった場合、誰の責任とかなんとかいうレベルの話ではない。日本の電力会社の幹部の中には、「なんとかしなけれ ば」と思う人間が、ひとりもいないということなのだろうか?そこまでの対策をする法的責任はないというのかもしれないが、事故が起こってしまえば、そんな 言い訳無意味だ。法律が放射能漏れを防いでくれるわけでもない。

社保庁にしてもそうだけれど、「組織」の中に落ち着いてしまったこの国の人間の無責任さには、絶望したくなることがある。