風は強く遠くは曇り空、雲をも透ける日差しが気持ち良くもあり寒さを感じつつも春の陽気を感じる。無職には勿体ないと思いつつも自然は万人を受け入れる。思わずショーシャンクの様に両手を広げたくもなる。希望は見えずとも希望の中で生を感じる。 
初見で訪れたcafe、面がガラス張りで外から中が覗ける。お洒落な店内には女性のグループ、背広を着た営業マン風の男性が2人、和気藹々とするカップル。そこへ道を切り開くかの様に突撃する我々。平和の中にある異物、それが俺たち熊谷勢。平和を乱すのも一興だが精神的に成長した男は「粋」を覚えそれを微かに振りかざす。

「浅煎りコーヒーありますか?」

カウンター席に、無職 社会人 無職
の並びで座る。オセロなら勝ちを確信、角は俺だ。
カウンター越しに出されたコーヒーを頂く。
面長で曲線を描き横に膨れたグラスに多量の氷。
まずは香りから。
鼻水を啜りつつ香りを堪能、晴れやかで粘膜を優しく撫でられるかの様な感覚。パンチはなくマイルドな印象。
ストローを介して口に呼び込む。
舌に触れコーヒー独特の酸味と苦味を同時に感じる。一般的なコーヒーに比べどちらも棘のない優しい味わい。飲み込む過程で微かに鼻から抜ける香り。ただ香りを嗅ぐのとは違って内から外へ流れゆく香りは、より鮮明で色がハッキリしている。うん、悪くない。
店内では多種多様な人々が様々な会話を繰り広げていた。に違いない。
我々はと言うと、覚えてない。そんな日々の繰り返し。人生なんて振り返っても覚えていないことだらけ。あくまで過程、この先に待ち受けるモノへの布石だ。

ここまで書いて飽きた、これもまた一興とな