※この物語はフィクションであり、実在の人物とは全く無関係ですが、名前もキャラ設定もそのままにしてる為、実在の人物をそのまま想像して頂けたら愉しい。
最近、じゃらくんとすれ違いながらも仲良しなせいか、出逢って間も無い頃の事をよく思い出す。
あの頃のじゃらくんは、井本くん意外は・・むしろ女なんて全般・・誰も信用出来ない、1人ぼっちのように見えた。何か人見知りを悠に越えて、人嫌いなんじゃなかろうかと、そんな感じすらさせて居た。事実アタシと出逢った本当に最初の頃なんて、「ああ。」とか「おお。」とか「えぇ?」とかしか喋らなかったし、目すら合わせてもくれなかった。その時は代わりに井本くんがよく、こう言ってくれたものだった。
「ああ、こいつは別に怒ってるわけちゃうねん。女の子がちょっと苦手なだけやねん。お店の女としか、上手い事喋られへんねん。なぁ⁈」
「そうなんですね~(笑)」と、くすくす笑うアタシに、じゃらくんはムスッとした顔で、時々、
「アホか。そんな事無いっちゅうねん!」とツッコミのような返しで井本くん越しにコミュニケーションを取ってくれていたかのように思う。
そんな感じだったから、ファーストインプレッションは想像以上のぎこちなさで、こりゃ仲良くなる迄にかなりの時間を要するな、と思っていたし、ましてや女としてー前向きな意味でー意識して貰えるのなんて、果てしなく遠い未来の事のように思えた。
まずは友人として、というか側近の1人として彼の懐にささっと入らなくては、と考えたあたしは、当時よくじゃらくんにガールズバーや風俗の話をしてみたものだ。
「どんな感じなんですか~⁈今度番組で特集する事になったんですけど、あたし行った事ないんですよ~。興味はあるんですけどね。すっごく。」
「へ~。そうなんや~~。」
「……。」
連れてったろか?、という言葉を期待していたのだが、さすがにそんな簡単には行かなかった。でも、私はそこで挫けなかった。
何のこっちゃない、来る日も来る日も、じゃらくんの前でその話をし続けたのだ。
「こないだ通りかかった時に、お店の前までは何とか行けたんですけどね~、どうしても勇気が出なくって、中に入れなかったんですよ~。東京出てきたばっかりで、こんな事頼める男友達も居なくて・・。は~、行きたいな~。ていうか、取材しなきゃならないのに。もう、そろそろ会議の日が差し迫って来てるのにこのままじゃマズイんですよ~!」
「・・・しゃあないな~。そんな行きたいの?連れてったろか⁈」
「え⁈本当ですか?」
「ええよ。ただし、条件があるんやけど。」
「えぇ?何ですか?」
「男として、来て。まぁ、男装するくらいでええから。一応、カメラも気になるんで。」
「・・・はい!ありがとうございましす。」
こうしてあたしは、隙を見つけては用も無いのにじゃらくんに、またあそこに行きたい、だの、風俗てどんな所が今旬なんですか?、などと、下ネタばかりばら撒き彼の心の鋼格子の扉をちょっとずつ外して行ったのだった。
アタシたちが、連れ立ってガールズバーやキャバクラばかり行くもんだから、井本くんは大層不思議がってたものだった。
「えぇ⁈お前らなんなん?きっしょ。」と、その時はよく呟いていたけれど、あれがアタシの作戦だと気が付いた頃には、こう言ってくれた。
「お前は、ほんまにようやりおったな~!!」
そんなこんなで、一年も経てばあたしたちは、よき風俗仲間としてごくごく自然と仲良くなっていた。
・・・今思うと、おかしな関係だったな~、と思う。よくもあのまま付き合う事になって、そして結婚まで辿り着けたなぁ、と自分でも信じられないくらいに、嘘みたいな話だ。
それにしても、あの頃のじゃらくんはガールズバーの病に侵されていたなぁ、と思う。(笑)
アタシはどこまでも素直にそれを受け入れられたから、だから良かったんだろうな、と気づく。
・・おい!おい!て。
「何ボーッとしとんねん、お前。飯出来たで⁈お前の好きな角煮やで。この俺が作ったってんねんから、早ようこっち来いや。」
とは、今のじゃらくんだった。
「ごめんごめん!ちょっと昔の事、思い出してた。」
「は?昔って⁈」
「ん?アタシがじゃらくんと出逢った頃のコト。」
「へ~~。」
「ちょっとォ!!もうちょい興味持ってよ~!」
「はぁ⁈ええやんけ!今の俺がお前の近くにおるねんから。ーもぉアンタご飯冷めるやないの。早う、こっち来なさい!!」
「おかん、今行くて~。」
「アンタいっつもすぐ行く言うて、全然降りて来んやないの!もぉ、お父さ~ん⁉」
「・・・親父は今日は、出張や。」
こんな平和な日々が、いつまでも続くとイイなぁ。。
続く。
最近、じゃらくんとすれ違いながらも仲良しなせいか、出逢って間も無い頃の事をよく思い出す。
あの頃のじゃらくんは、井本くん意外は・・むしろ女なんて全般・・誰も信用出来ない、1人ぼっちのように見えた。何か人見知りを悠に越えて、人嫌いなんじゃなかろうかと、そんな感じすらさせて居た。事実アタシと出逢った本当に最初の頃なんて、「ああ。」とか「おお。」とか「えぇ?」とかしか喋らなかったし、目すら合わせてもくれなかった。その時は代わりに井本くんがよく、こう言ってくれたものだった。
「ああ、こいつは別に怒ってるわけちゃうねん。女の子がちょっと苦手なだけやねん。お店の女としか、上手い事喋られへんねん。なぁ⁈」
「そうなんですね~(笑)」と、くすくす笑うアタシに、じゃらくんはムスッとした顔で、時々、
「アホか。そんな事無いっちゅうねん!」とツッコミのような返しで井本くん越しにコミュニケーションを取ってくれていたかのように思う。
そんな感じだったから、ファーストインプレッションは想像以上のぎこちなさで、こりゃ仲良くなる迄にかなりの時間を要するな、と思っていたし、ましてや女としてー前向きな意味でー意識して貰えるのなんて、果てしなく遠い未来の事のように思えた。
まずは友人として、というか側近の1人として彼の懐にささっと入らなくては、と考えたあたしは、当時よくじゃらくんにガールズバーや風俗の話をしてみたものだ。
「どんな感じなんですか~⁈今度番組で特集する事になったんですけど、あたし行った事ないんですよ~。興味はあるんですけどね。すっごく。」
「へ~。そうなんや~~。」
「……。」
連れてったろか?、という言葉を期待していたのだが、さすがにそんな簡単には行かなかった。でも、私はそこで挫けなかった。
何のこっちゃない、来る日も来る日も、じゃらくんの前でその話をし続けたのだ。
「こないだ通りかかった時に、お店の前までは何とか行けたんですけどね~、どうしても勇気が出なくって、中に入れなかったんですよ~。東京出てきたばっかりで、こんな事頼める男友達も居なくて・・。は~、行きたいな~。ていうか、取材しなきゃならないのに。もう、そろそろ会議の日が差し迫って来てるのにこのままじゃマズイんですよ~!」
「・・・しゃあないな~。そんな行きたいの?連れてったろか⁈」
「え⁈本当ですか?」
「ええよ。ただし、条件があるんやけど。」
「えぇ?何ですか?」
「男として、来て。まぁ、男装するくらいでええから。一応、カメラも気になるんで。」
「・・・はい!ありがとうございましす。」
こうしてあたしは、隙を見つけては用も無いのにじゃらくんに、またあそこに行きたい、だの、風俗てどんな所が今旬なんですか?、などと、下ネタばかりばら撒き彼の心の鋼格子の扉をちょっとずつ外して行ったのだった。
アタシたちが、連れ立ってガールズバーやキャバクラばかり行くもんだから、井本くんは大層不思議がってたものだった。
「えぇ⁈お前らなんなん?きっしょ。」と、その時はよく呟いていたけれど、あれがアタシの作戦だと気が付いた頃には、こう言ってくれた。
「お前は、ほんまにようやりおったな~!!」
そんなこんなで、一年も経てばあたしたちは、よき風俗仲間としてごくごく自然と仲良くなっていた。
・・・今思うと、おかしな関係だったな~、と思う。よくもあのまま付き合う事になって、そして結婚まで辿り着けたなぁ、と自分でも信じられないくらいに、嘘みたいな話だ。
それにしても、あの頃のじゃらくんはガールズバーの病に侵されていたなぁ、と思う。(笑)
アタシはどこまでも素直にそれを受け入れられたから、だから良かったんだろうな、と気づく。
・・おい!おい!て。
「何ボーッとしとんねん、お前。飯出来たで⁈お前の好きな角煮やで。この俺が作ったってんねんから、早ようこっち来いや。」
とは、今のじゃらくんだった。
「ごめんごめん!ちょっと昔の事、思い出してた。」
「は?昔って⁈」
「ん?アタシがじゃらくんと出逢った頃のコト。」
「へ~~。」
「ちょっとォ!!もうちょい興味持ってよ~!」
「はぁ⁈ええやんけ!今の俺がお前の近くにおるねんから。ーもぉアンタご飯冷めるやないの。早う、こっち来なさい!!」
「おかん、今行くて~。」
「アンタいっつもすぐ行く言うて、全然降りて来んやないの!もぉ、お父さ~ん⁉」
「・・・親父は今日は、出張や。」
こんな平和な日々が、いつまでも続くとイイなぁ。。
続く。