読んでくださいと渡された課題図書


まず、タイトルを見ただけだと、闘病生活の苦しさを切々と語った暗いものだろうかと思った

正直、あまり気が進まなかった


しかし、読み始めてみると、暗いなんてことは全くなく
むしろ
生きる活力を与えられる内容であった


文章もとても読みやすい


自分の体験を生かし、
病む人を助けたい、心の糧になりたい、という著者の熱いメッセージがヒシヒシ感じられる内容だ



著者の常岡一朗さんを
わたしは存じ上げていなかった

少し紹介をさせて頂く



☆☆


明治32年 福岡県生まれ。

暗い運命の家庭に生まれ、
慶応大学理財科に進むも、卒業目前に肺結核で倒れ、学を捨て、求道と闘病の生活にはいる。

37歳の大喀血を最後に病を克服。

東奔西走、講演と執筆に明け暮れ、平成元年、90歳の天寿をまっとうされた。

参議院議員として12年国政に参画している。


また自然療法の大家、東条百合子さんのお師匠さんでもあられる。

☆☆



見事に運命を転換した生涯を送られている


有効な治療法がなかった当時、結核は死の病だった


本当に死の淵からの生還である





著者は
病気は心の歪みの表れだと言っている








☆☆



病む人、なやむ人、身体のどこかに病気を持つ人、それは同時に形の無い誤りを持っている。

その人の考え方、行動、生き方、これが不自然になっているのではないだろうか。


不幸や病難の責任が自分にもあることがわからない人が多い。医者にのみ責任を負わせ過ぎる人が多い。


☆☆




病床で著者が考え、感じたことは
現代の人間に最も必要な
忘れられていることだと思う


現代の生活では、
どこかが悪ければ 病院に行き、薬をもらい、症状を抑える

その症状は身体からのメッセージであり、自然からのメッセージだ


自分が今、不自然な生き方をしている、と教えてくれている


その警告を無視し続けて
自分を省みることをしない人が多いと思う




心と身体は別のものではない



姿勢はその人を表す

これは本当だ



それは、養成講座で姿勢美法を学んでゆく中で 実感した



姿勢の歪みは心の歪みでもある

猫背、反り腰、O脚

それぞれ
その姿勢にはちゃんと理由がある

必ず歪んでいる原因が自分の中にある





心は姿勢に表れ、行動に表れる



歪んだ心は歪んだ姿勢を引き起こし

歪んだ行動を重ねることで
病を作る生活に陥る



病気の全てがそうだ、とは言い切れないが、大半の病の裏に
心の歪みがあるのではないだろうか


これからは

ヨガだけでなく
姿勢だけでなく
ホリスティックにクライアントを観ていきたい、そう思っている私には、とても共感できる本だった



著者の病気との付き合い方も
とても気に入った




☆☆



わたしには大自然のめぐみが応援している。

そうだ。病気を大きく思いすぎていた。
これは誤りであった。

私の病気もバイ菌も私の中のものにすぎない。



これをむしろいたわるような明るい心になれないものだろうか。

病気すらいたわる心になればいいのだと思った。


☆☆


わたしも
気持ちが明るいこと
感謝ができる暖かい心であること

これは何より大切だと思っている


どんな状況であっても
前向きな気持ちさえ持っていれば

必ず光がさしてくる



過去、わたしも
感謝にあふれ、前向きな気持ちが湧いてきた途端に

嘘みたいに
物事が全て上手くいくようになった




病気も降りかかる災難も
嘆いたり、自暴自棄にならず


著者のように

むしろ
病気や災難を
いたわるような気持ちを持てば
運命は好転していくのだと思う



現代医療は、確かに便利だ

日々新しい技術が生み出され、盲目的に頼りきりになっている人も多い


便利な部分は大いに利用してゆくのが良いと思う


しかし
それに加え
今度からは

身体に異変を感じたら

今一度、自分の心を見直してみる習慣をつけるのが良いと思う



自然と人間は一体で
心と身体は繋がっている

心を磨くことは
自然の摂理にならうこと



常岡さんのメッセージが
染み込むように
スーッと入ってくる本だった