邪魔(下) / 読了
内容(ブックデータベースより)静かに見える毎日の暮らしに、隠されている極限状況。奥田英朗は、新人の頃から凄い!夜の冷気が空から降りかかってくる。地面も九野の体温を奪おうとしていた。死なないでくれよ。恭子のことを思った。死ぬことはない。自分で死ななければならないことなど、人生にはないのだ。(本文より)どうして自分が、こんな目に。夫への疑念が深まり、いたたまれない恭子は、仲間に誘われた会社との「団体交渉」にのめりこんでゆく。放火の容疑者を追う九野は、容疑を確信しつつ逮捕にこぎつけられない。心がぎりぎりまで追い詰められた二人の中で、何かがついに決壊する――。日常に潜む極限状況を鮮明に描く傑作。令和7年11月25日~27日