こぼれ話 | 18歳で骨肉腫 ~ステージ4からの復活~

18歳で骨肉腫 ~ステージ4からの復活~

骨肉腫を乗り越えて回復に至るまでの道のり。

〈こぼれ話①〉

検査後にアイスを買って食べるのが、

長い検査に耐えられる楽しみになっていた。

 

その日は検査が二つあった。

一つ目の検査が終わった後、アイスを買ってから部屋に戻ったら

すぐ次の検査に呼ばれ、アイスどうしようかとなった。

すると看護師さんが、「廊下にある保冷剤を入れる冷凍庫の一番下使ってないし

そこに入れたら?」と提案され、その通りにした。

看護師さんはその時だけのつもりで言ったみたいだったけど、

私は「ここ入れてもいいんやー」と、冷凍食品を入れるようになった。(部屋には冷蔵庫のみ)

他の人も真似するようになって後日、

「※ここに食べ物を入れないでください」という

張り紙がされた。

 

〈こぼれ話②〉

私は小児科にすごい興味があった。

本当はダメだけど、一回だけ母と潜入したことがある。

部屋の作りが、私のいる病棟と違ったり、

展示物があったり、基本楽しい感じになっていた。

展示物の中に「元気になってみんなと学校に行きたい」という

子供が書いた折り紙が張ってあった。

私はそれを読んだとき、自分の使っているティッシュの箱を思い出した。

「こんなとこにおりたくない」という、地獄からのメッセージのようなことが

書いてあるティッシュ箱が、脳裏にフラッシュバックしてきた。

看護師さんに「まーたティッシュの箱にこんなこと書いて~」と

呆れ気味に言われていた。

自分のことながら、情けないに尽きる。

小さい子の方が、立派に目標をもって病気と向き合っている。

自分はただただ逃げている。

痛いほどそのことを思い知った瞬間だった。