この作品は、WOWWOWの宣伝では、「世紀の傑作」と書かれ、各種感想ブログでも絶賛されている。

 私はこの作品は駄作だと思う。

 その理由を明確に書いておきたい。

 このドラマには、一つの事件に関連して少なくとも、5人の道徳的に「非常に悪質な」悪人が登場する。しかも、「一つの事件に関連して」というだけで、相互に知りあいだとか、結託しているということはない。

 完全に、それぞれに卑劣な考えの持ち主なのだ。

 ひとりひとり挙げていこう。

 1.一人目。

 主人公格の女子大生の父親が、養子であるこの女性に性的虐待を繰り返している。

被害者の弟が養父に反発し、養父の実の息子に暴行を加える。

被害者の女性の通う大学に、養父は性的な噂話を流す。かなり養父は悪辣である。

 2.二人目。

 養子に性的虐待をしている夫の行為を、見て見ぬふりをしている妻

 3.三人目。

 性的虐待を受けた女子大生は、養父とは全く無関係に、別な人物からレイプされた。このレイプした男もまたかなり悪辣。

 4.四人目。

レイプした男の犯行を手助けして、女子大生に睡眠薬を飲ませたのが、アルバイト先の友人だった。

この友人も飛び切り悪辣だ。

 5.五人目。(レイプ被害者自身の不道徳性)

このレイプ被害者の女子大生は、レイプ犯を「弟・友人・恋人」と共に、監禁の末、殺害するのだが、その後、「恋人」が自首しようと言い出す。

レイプ被害者でもあり、計画殺人の加害者でもある女性は、恋人に「自首」を薦められたが、絶望に陥り、入水自殺しようとする。

 これを恋人が助けようとして川に飛び込み。女性を救けたものの、自分が水死してしまう。

 問題は、恋人が水死したとき、恋人の親の心情を思って、自首して親に事情を説明するべきなのだが、そのまま逃亡してしまう。

 6.六人目。

 途中、別のエピソードが挿入されている。レイプ被害者の弟は、レンタルビデオ店のようなものを営業しているのだが、地元の半グレのような集団に襲われる。

 この弟は、聴覚障害があり、耳に補聴器をつけているので、この弟を暴行したとき、(日頃、苦労しているのだろう)と思い当たって、『そのくらいにしておけ」となるところだが、この半グレ集団は、まったく手加減無しに暴行する。

 以上のように、それぞれまったく無関係に、極めて悪辣な心情が描かれている。

 この無関係さが、作品の統一性を破壊し、ただ陰惨な印象を残す結果になっている。

 ところが、この作品、各種感想サイトで非常に高評価を受けているのだ。