六本木に似つかわしくない静かで昔ながらの喫茶店「貴奈」。
創業38年という老舗喫茶店が閉店したのは2011年のこと。
当時六本木勤務だった私は何度かこのお店の前を通ることがあり、ずっと気になっていた。
ただ激務だった当時、開店時間になかなか訪れることが難しく、ようやく訪れることができたのは閉店する1年くらい前のことだったと記憶している。
初めて訪れた時はもう閉店間際であまりお客様もおらず、あまりの店内の素晴らしさに写真を撮りたくて撮りたくてウズウズ。
店員さんは赤いチョッキに蝶ネクタイをした昔ながらの紳士なおじさまで、店内写真撮ってもいいですか?って聞いたら快くOKしてくれた上に店内を案内してくれて色々と教えてくれた。
どうこの素晴らしい照明。
天井は高く、高そうな照明が至る所に展示されていた。
この照明はオーダーメイドだったそう。もう惚れ惚れする。
写真、たくさんあるけど全部載せたらきりがないのでやめておく。
この他にも「特別室」と銘打った半個室があって、最後特別に座らせてもらったりした。かつてはそこで大女優さんが打ち合わせしたりしてたんですって。
閉店が決まった時に、この照明たちはどうなるんですかと質問したら、全て貰い手が決まっていると言っていたので破棄されることはないんだとほっとした。
テーブルにはロウソクがあって「御用の際は白いロウソクに灯りをつけて下さい」との記載がある。なにこれすごい洒落てる!
ただ私が行ったときは毎回空いている時間帯だったので、マッチを擦ろうとするとすぐに紳士な店員さんが来てしまうのでちょっと残念だったw
ここのサンドウィッチは本当に美味しかった。
毎朝パンを焼いて、焼いた分だけその日に提供するので閉店間際に残っていることは稀だった。焼きたてって本当に美味しいよね。一度だけ食べることができたけど、その時の写真が見当たらない。。。無念。
今ここは貴奈の古き良き名残は一切なく、クラブ?みたいなものに変わっていて私とは無縁な場所になっている。
こうゆう場所、本当はずっとずっと残って欲しかった。
かつてこうゆう素敵な場所が六本木にあったんだよ、という、記録のためのブログでした。