# #####################################################################
# プログラミング言語の比較
# #####################################################################
# ポイント (全ての言語に共通して言えること)
* テスト自動化の目的は、労力の削減である。従って、自動化ツールの開発は 効率的でなければならない。
* 慣れた言語を使用するのがベスト。(どの言語が一番早く仕事を仕上げられるか)
* 並列処理は、全ての言語で対応。(Pythonは不向きだが可能)
* 自動化された作業は、手動操作に比べて15倍の速度となる。
# .NETを選択するケース
* Windows環境に限定して、開発効率を優先するケース。(VisualStudioのデバッグ機能が強力)
* 画面作成およびファイルIOの開発効率◎。
* .NET用ライブラリを利用するケース。
* .NET Core
* Appium
# Pythonを選択するケース (オブジェクト指向スクリプト言語)
* Windows, Mac, Linux環境を併用するケース。
* シンプルな処理を、簡単で手早く実装したいケース。(並列処理×)
* 科学技術や機械学習、高度な画像認識ライブラリ(AI/ML)が必要なケース。
* 開発環境の構築にコストをかけたくない場合。(Visual Studioなどが不要)
# Javaを選択するケース
* 複雑なテストケースを実装するケース。(複雑な処理は、IDE環境が充実しているJavaが便利)
* WEB, モバイル, API, デスクトップアプリなどのクロスプラットフォームテストが必要なケース。
* 小回りの利くファイル処理を実装するケース。
* Java用ライブラリを利用するケース。
# 機能 Py .NET Java 備考
===================================================================================================
# 担当者インプレッション
(根深) △ ◎ ×
(中嶋) _ _ _
……………………………………………………………………………………………………………………………
キャッチアップ _ _ _
開発スピード _ _ _
# 言語環境
要件 (Selenium4) 3.7+ ____ 8+
net481 # <== (根深)メモ: VS2015 + net481で確認
# 機能
ページ遷移 〇 〇 〇 更新, 戻る
HTML読出し 〇 〇 〇
要素制御 〇 〇 〇
スクロール 〇 〇 〇
Cookie制御 〇 〇 〇
スクショ記録 〇 〇 〇
条件待ち 〇 × 〇 要素 = 存在/表示 || テキスト = 表示/値を含む
要素の色判定 〇 × 〇 ページ内要素の色取得/判定
スレッドガード × × 〇 並列処理で、関数がスレッド間で競合しないか確認
ロガー 〇 〇 〇 ログレベル設定は、言語毎に異なる。
# 機能
言語別ライブラリ ◎ 〇 〇
# 開発効率
WEB情報量 〇 〇 〇
# パフォーマンス
処理時間 〇 〇 〇 ブラウザ挙動が大きな要因のため、言語による違いはほとんどない。
並列処理 △ 〇 〇
# #####################################################################
# Seleniumの機能
# #####################################################################
# Selenium WebDriver
自動化のためのブラウザ通信ツール。
# Selenium Grid
リモートマシンのブラウザ遠隔操作。Java使用。
# Selenium IDE
ブラウザ操作を自動記録/再生するツール。
Chrome/Firefox。Command-line Runnner, Control Flow, Code Export
# IE Driverサーバ
IE11 32bit
# Selenium Manager
# #####################################################################
# テストランナーによる違い
# #####################################################################
# Java
## JUnit
Java用の単体テストツール。
## TestNG (Testing the Next Generation)
Java用テストフレームワーク。並列テスト実行やパラメータ化されたテストなどが可能。
# Python
## pytest
Python用単体テストツール。(プラグインが強力)
## unittest
Python標準のユニットテストツール。
## JMeter
ストレステスト用にメトリックを取得する。
# .NET
## NUNit
.NETコードにおける単体テストツール。
クラス内の関数を個別にテストする。
## MS Test
.NETコードにおけるユニットテストツール。
プログラムをモジュール単位で動作テストする。
久しぶりの投稿です。
最近のマイブーム『未来日記』。
数年後の未来の自分を想像して、そこから現在や過去を振返る日記を書くというものです。
PCを新調してから、手書きは久しかったのですが、イメージを膨らませるには、私はやはり手書きが一番と気付きました。
10年後の春、50歳を迎えた私は、思い出の地・仙台を訪問したい。そのとき私は、2020年の当時をどのように思い返すのでしょうか。
人生いろいろ。
余裕がないと、目先のことに関心を奪われがちですよね。私の場合は、関心の視野が狭い特徴があるので、特に気をつけるようにしています。
私の未来日記は、「いまココ」の自分を、冷静に・客観的に振返るためのツールです。
机の上に、一枚の便箋をおいて、書き終えたときに「どんな気分になりたいか」だけを決めて、あとは静かにペンを走らせるだけ。
PS)今日は、東京で球聖戦がありますね。遠く離れた地でも、お世話になった方々がプレーしていると思うと、それだけで力が湧いてきます。みなさん、頑張ってください。
認知/行動について掘り下げて考える中で、「信念」というキーワードに出会いました。
専門書(うつと不安の認知療法練習帳 (購入はこちら)などには、次のように説明されています。
<信念(belief/faith)とは>
●正しいと思っている自分の考え。他人のモノサシに振り回されない。
●思考/行動の基礎となる態度。
●成功するという希望を抱き、常に行動し続けること。(信念があるから行動し続けられるのではなく、行動し続けるから信念に変わる)
●行動無き信念は、頑固さにつながる(=頭でっかち)。信念がある人は、行動が伴い、自分の中に確固たる判断基準を持っている。
●また、己の信念に矛盾したり、相容れない情報/経験に対しては、強い反発や抵抗を示すことがある。
なるほど。
これまで私は、自分の信念をほとんど意識せずに暮らしてきましたが、「思考/行動のベース」を内省するには、自分が「強い反発/抵抗」を示す事柄を考えていけば、無意識の信念に気付けるということですね。
心理学では、これを「絶対的信念」と呼ぶそうです。精神的な支柱のようなものですね。
完璧主義やコダワリの強さについて考えてみる
私は、コダワリが強い方だと言われます。全てがバチッと完璧か、そうでないか。全か無か思考も相まって、余計に癖があるのです。
これについて、「信念」を絡めて内省してみようと思います。
<完璧主義の特徴>
自分が決めた完璧な結果か、それ以外か、の二択になりがち。次の特徴を伴うことが多い。
①理想が高い。
②責任感が強い。
③承認欲求が強い。
④失敗を恐れ、プロセスよりも結果を重視する。
私にとっては、耳が痛い内容です。だいたい当たり。
一方、完璧主義の対義語は、最善主義なんだとか。
完璧主義の私は、モノゴトを減点法で解釈しました。それは、「今、ここにないもの」を数えている状態であり、欠乏感を生み、理想からの乖離に苦しみ、「今」を楽しめないのです。
この点については、私が物心ついたときからと記憶しています。なぜならば、変化した記憶がないから。満点が基準となって、そこから減点する形で自己評価するのは、幼少期からスタートしているんだと気付きました。
自分史を片手に振返ってみると、その内実が見えてきます。
心理学には、行動/結果の原則というものがあります。これは、あなたや私が、どのような感情や考えからその行動に至ったかは別にして、その行動が、周囲との関係の中でどのような結果を生んだか、に焦点を当てて行動分析をするというものです。
この原則と、信念=正しいと信じること、を踏まえると、
私の場合は、父親の厳しい教育の下で、「怒られない行動が正しい」というのが信念だったことが見えてきます。
信念は、座右の銘とは異なるものです。自分の思考/行動を判断する根底にある認知的側面であります。
自分自身を内省すること
私は、自分自身と向合う内省は、とても勇気がいることだと考えています。現在/過去の体験の振り返りながら、自分自身の考え/感情/認識/動機/評価/行動を再考することは、ときに苦しく、精神的なエネルギーを消費します。
その目的は「気付き」を得ることです。
今回のテーマ「信念」は、かなり深い部分の内省になりますので、ある程度の準備をしないと、ただ自己嫌悪になって終わり、になってしまうケースも多いと思います。
どんな時も、自分は、自分自身の味方であることが大切とも思います。
私は、今回の内省を通して、己の信念(正しいと信ずること)が 「怒られない行動が正しい」だということに気付きました。これは、大きな問題です。なぜならこれは、外発的な動機付けだからです。
完璧主義についても意味合いが違ってきます。自分が望んで完璧に拘るのではなく、誰かに怒られないような方法を模索した結果、その手段として完璧を目指すことになったのです。
ここをスタートラインとして、別の機会に また考えてみたいと思います。
(※注) このシリーズ記事は、Amateur Physics for the Amateur Pool Player Third Editionの著者ロン・シェパード氏より許可を頂き、和訳/公開しているものです。
図3.1 手玉の後方から見て、任意のサイドスピン/スピード比に対応する手玉の接触点を細い線で示します。図a は手玉の先端が接触した直後のスピン/スピード比が一定であることを示し、垂直の直線です。図bは、ナチュラルロール後のスピン/スピード比を一定にしたもので、(y,z)=(0,0)で交差する直線です。いずれの場合も、中心からのオフセットが大きいほど、スピン/スピード比は大きくなります。
<問題3.6>
【問題】
撞点に接触した直後、どの撞点が同じサイドスピン/スピード比になるか?手玉がナチュラルロールになった後、同じサイドスピンとスピードの比率になる接点はどこか?
【答え】
図3.1の座標軸について考えてみます。z座標はラシャ面からの高さ,y座標はボールの中心を通る垂直面からの距離です。by =y は水平方向の衝撃パラメータ、bz=(z-R) は垂直方向の衝撃パラメータです。接触点を座標(y,z) で示します。線運動量pに関して、初期前方速度と前方回転は次式で与えられます。
前方回転はタップの接触点の高さzにのみ依存し、横方向の変位yには依存しません。自然回転を達成すると、最終的な前方速度(問題2.2 参照) は次式で与えられます。
サイドスピン(垂直軸を中心とした角速度)は、滑走するボールの摩擦力によって変化しないものとします。問題3.4より、z軸に関する初期および最終的なサイドスピンは次式で与えられます。
サイドスピンは水平変位yにのみ依存し、初速度に対するサイドスピン/速度比は次式で与えられます。
この比率は,水平方向のインパクト・パラメータyにのみ依存し,ボール速度V0や垂直方向の接触点zには依存しません.サイドスピンと最終固有ロール速度の比をとると
ここで、Jz,NRは所望のスピン/スピード比です。同じJz,NRに対応する点(y,z)の集合は、次式で定義される直線で与えられます。
いくつかのJz,NRに対応する直線を図3.1に示します。興味深いのは、手玉がすべり摩擦によって自然な転がりを得るのに十分な時間があれば、与えられた直線上の、どの地点を撞いても全く同じ効果が得られるということです。目標地点での手玉の速度を同じとして、ラシャから受ける滑り摩擦を考慮すると、撞点が低いほど高い初速が必要となります。サイドスピン/スピード比が大きい(Jz,NRが大きい)ほど水平に近い直線になり、小さい(Jz,NRが小さい)ほど垂直な傾斜になることに注意します。
<問題3.7>
【問題】
ナチュラルロールのスピン/スピード比Jz,NRが一定である点(y,z)のうち、中心球からの変位が最も小さい点(y0,z0)はどれでしょう。
【答え】
図3.2を考えてみます。手玉の中心から一定の距離にある点は、円を形成します。問題3.6で求めた目的の直線に接する最小の円が、目的のスピン/スピード比を与える最小の変位となります。この最小の円が適切な直線に接する点を(y0,z0)とします。このとき、円と直線を定義する曲線は接し、(0,0), (0,R)および(y0,z0)の3点は直角三角形を形成します。図3.2に示すように、垂直から離れる角度をαとします。この角の接線は、tan(α)=y0/z0で与えられ、またtan(α)=(R-z0)/y0でもあります。この2つの式を等化すると
この式の右辺の2乗を完成させて、並べ替えると、次のようになります。
これは、点(0, 1/2 R )を中心とする半径1/2 Rの円の方程式となります。この点をキュー先で撞くことを、小円を狙うといいます。小円を狙い、手玉が自然回転になれば、中心から最小限の変位で、所望のスピン/スピード比Jz,NRを得ることができます。次の問題のように、手玉が自然な転がりをすることで、キュー先の接触直後に得られる比率よりもはるかに高いスピン/スピード比を得ることができます。
図3.2 ナチュラルロール達成後の様々なスピン/スピード比におけるセンターボールからの最小変位に相当する点の集合は、手玉の底点に接する半径R/2の小円上に位置する。
<問題3.8>
【問題】
縦回転を与えない撞点P1=(y1,z1)=(1/√2R,R)を撞いた場合、自然回転のサイドスピン/スピード比Rωz/VNR は何ですか?撞点P2=(y2,z2)= (1/√2R, 1/√2R)を撞いた場合、自然回転のサイドスピン/スピード比は?撞点P3=(y3,z3)では、初期スピン/速度比Rωz/Voは、P2の自然回転スピン/速度比と同じになるでしょうか?
【答え】
問題3.6 より、P1 の自然回転スピン/スピード比は次式で与えられます。
P2の自然回転スピン/スピード比は
この2点の中心からの変位はR/√2と同じであるが、2点目のサイドスピン/スピード比は1点目より41%以上大きくなっていることがわかる。2点目P2は「小円」上にあるため、この変位距離では自然回転でのサイドスピン/スピード比が最大となる。同程度の初期サイドスピン/スピード比を達成するためには
ただし、ポイントP3のセットは手玉上に存在しません。従って、抗力を利用してボールの速度を低下させずに、このような大きなサイドスピン/速度比を達成することは不可能です。実用的な目的のために、3.5のサイドスピン/速度比は、水平なキューのキュー先をインパクトすることで達成できるのとほぼ同じ大きさです。より大きな比率を得る方法は、キューレベルを上げる(マッセ)か、他のボールが衝突した場合にのみ達成できます。
………………………………………………………………………………
滑る球の任意の瞬間の手玉のスピンと速度を、「有効手玉接触点」で考えると便利なことがあります。つまり、ある手玉の線速度と角速度に対して、手玉の接触点が存在し、その点で静止した手玉を正しい速度で叩くと、全く同じスピンと速度になる、あるいは再現される、ということです。ボールのスライドに伴い線速と角速度が変化するため,有効接触点は時間依存となります。問題3.6より、スピンの水平成分と垂直成分は、手玉の接触点のインパクトパラメーターの垂直成分と水平成分に次式で関係します。
ここで、第2節のラシャ摩擦による滑走ボールの角速度および線速度の時間依存性が用いられています。上記式において原点 t=0 はキュー先が玉に衝突する時刻とします。
<問題3.9>
【問題】
滑走する球のbyeff(t)とbzeff(t)に対応する有効接触点の集合は、座標点(y,z)=(0,0)と(y,z)=(byeff(0),R+bzeff(0))を通る直線上にあることを示しなさい。
【答え】
bzeffをbyeffの関数とみなし、時間変数tを通してパラメトリックに定義すると、上の1番目の方程式をbyeffの観点からtについて解き、2番目の方程式に代入すると次のようになります
この式の右辺は、時間に依存しません。従って、点(y,z)=(byeff(t),R+bzeff(t))で定義される曲線の傾きは時間に依存しない定数となり、時間に依存する有効接触点の集合は直線上に存在することになります。距離(R+bzeff(t))は例えば図3.2に見られるように面を基準とした撞点の高さで、距離byeff(t)は水平方向の撞点変位量です。従って、球底の点(0,0)を通り初期点(byeff(0),R+bzeff(0))に至る直線は,他の部分と同じ傾きを持つことになります。有効接触点の線分はbzeff(t)=2⁄5 R のときに終了し、このときボールは自然回転となります。
………………………………………………………………………………
問題3.9 の結果、以下の方法でテーブルの摩擦がスピン軸に与える影響を正確に補正することができるようになりました。まず、最終的な手玉の位置で望ましいスピン軸を決定する。例えば、よくゴールになるスタンショットでは、手玉が先球と衝突した時点でスピン軸が垂直になります。このスピン軸は、ある有効接触点(byeff(t),R+bzeff(t))に対応します。スタンショットの場合,この点は座標(byeff(t),R) となり,純粋なサイドスピンに相当します。次に,プレーヤはショットスピードとラシャの摩擦から、スタンショットを実現するために必要な、中心からの垂直方向のオフセットを推定する必要があります。この垂直方向の距離をδとする。次に、手玉の目標スピン状態に対応する点 (byeff(t),R) から点 (0,0) までの仮想線を引きます。その想像線上の(byeff(0),R-δ)に対応する点が、目的の接触点です。他の最終的なスピン状態も同様に推定されます。最終的な有効接触点から常に原点(0,0)に直線を引き、手玉の最終スピン状態から最初のチップ/ボール接触時間まで、いわば時間的に逆行するように作業します。この過程で、実際の接触点(byeff(0),bzeff(0))がミスキューの境界線(問題1.7参照)の外にあると判断された場合、目的のショットは不可能であり、他の選択肢を探さなければなりません。
<問題3.10>
【問題】
インパクト直前のキュー速度、インパクト直後の手玉の速度、インパクトパラメータbの関係はどうなっているか?(全運動エネルギーは保存されているとする)。
【答え】
線形の運動量と運動エネルギーの保存が与えられるので
1番目の式をVsについて解き、2番目の式に代入すると、次のようになります。
この式は b=0 のときの問題3.2 の式と一致していることが確認できます。なぜブレイクショットでは手球にスピンをかけないことが望ましいのか、これで理解できるでしょう。与えられた手玉のエネルギー、すなわち速度V0に対して、非ゼロbに対応するスピンは、手玉の速度と並進運動エネルギーを減少させる効果があります。図 3.3 に,いくつかのボールとキューの質量比に対するインパクトパラメータの関数として Vb/V0 の比率をプロットしました。
<問題3.11>
【問題】
手玉の自然回転の速度をVNR、衝突前のキュー速度をV0としたとき、比率VNR/V0を最大にする垂直方向のインパクトパラメータは何ですか?
【答え】
問題2.2、問題3.6、問題3.10より、自然回転速度は次式で与えられます。
速度比を解き、bに関して微分し、結果をゼロに設定し、単純化すると、次のようになります。
6オンスのボールと18オンスのキューの場合、最適なインパクトポイントは次式で与えられます。
24オンスのキューの場合、最適なインパクトポイントは
この範囲は、最も一般的なキュー重量を含んでおり、この範囲では最適なインパクトポイントはキュー重量に若干依存するだけであることを示しています。いずれの場合も、インパクトポイントは、センターボール b=0 と自然なロール高 b=2⁄5R の間にあります。b=0では手球の初速が最大になるが、この速度の2/7は自然転がり達成時に滑り摩擦で失われます。b=2/5Rでは滑り摩擦による速度損失はないが、キューと手玉の間のエネルギーと運動量の伝達条件により初速は比較的小さくなっています。この両極端な条件の中で最適なのが上記の接触点であります。自然転がり速度の最大化は、自然転がりエネルギーの最大化と同じであり、転がり抵抗で止まるまでにボールが転がる距離を最大化することと同じです。この距離は最大化されるため、この最適値から離れた接点の小さな偏差には比較的鈍感であることも意味します。これは、例えば試合開始時のラグショットなど、手玉の置き方が最も重要な場合に有効である。図 3.4 は、いくつかのボールとキューの質量比を選択し、インパクトパラメータの関数として比率 VNR/V0 をプロットしたものである.
………………………………………………………………………………
図3.3 手玉の速度 Vb と衝突前の手玉の速度 V0 の比を,手玉とキューの質量比をいくつか選択した場合の垂直衝突パラメータ (b/R) の関数として示す.
図3.4 手玉の最終自然転がり速度 Vb,NR と衝突前のキュー速度 V0 の比を,いくつかのボール/キューの質量比を選択して,垂直衝突パラメータ (b/R) の関数として示したものです。あるボール/キューの質量比の場合,ラグショッ トの最適な接触点は,曲線の最大値付近の平坦な領域で決定されます。
(※注) このシリーズ記事は、Amateur Physics for the Amateur Pool Player Third Editionの著者ロン・シェパード氏より許可を頂き、和訳/公開しているものです。
水平なキューが手玉に当たる状況を考えてみましょう。手玉の表面上のある地点に、キュー先が力を加える訳ですが、この接触時間は、瞬間的なものではないが、非常に短いものであります。ボール同士の衝突(接線方向の摩擦力が小さく、その結果、力は基本的にボールの中心間に向けられる)とは異なり、キュー先は手玉の上で滑りません(ミスキュー除く)。これらの仮定により、力は手玉の軸の方向に向いています。この力による角加速度は、式 r×F = Iωで与えられます。水平なキューが手玉に当たったとき、力の方向に沿った角加速度F/|F|は次式で与えられます。
手玉には、手玉軸の周りに角加速度の成分がないので、手玉とラシャの間に横方向の摩擦力はなく、手玉は手玉軸方向に直線的に滑りながら、縦軸(=サイドスピン)と手玉軸に垂直な横軸(=トップスピンまたはドロー)のいずれか、または両方を中心に回転しています。これは、プールボールの慣性モーメントが単位行列に比例することに起因しています(物体の慣性テンソルが単位行列に比例しない場合、例えばボールの中心から外れたところに重りが埋め込まれている場合、一般にボールは直線的に動くのではなく、滑ったり転がったりしながらカーブを描く)。
まず、手玉の中心をキュー先が正確に撞く場合を考えます。この場合r×F = 0 = Iωとなり、手玉に直接 角速度が付与されることはありません。手玉とキューの間で線形の運動量と並進エネルギーが伝達されるだけです。ここでは、接触時間が非常に短いため、手・皮膚・手玉の効果は無視できると仮定します。つまり、接触時間のごく初期には、キューは手よりも遅く動き始め、皮膚は締め付けられ始めるが、キューに大きな余分な力が加わる頃には、手玉はすでに出発してキュー先との接触が失われているわけです。
<問題3.1>
【問題】
手玉のエネルギーと速度、ストロークの長さ、加えられる力の関係はどうなっているか?(ストローク中、手によって手玉に一定の力が加わっていると仮定する)。
【答え】
F = MsVの式を時間積分すると、Ft = Ms(V - V0) = MsVとなり、Fはキューにかかる力、Msは手玉の質量となります。再び積分すると、1/2 Ft2 = Ms (x - x0 ) = Ms d となり、d はストロークの距離です。最初の式を t について解き、2 番目の式に代入すると、運動エネルギーは次のようになります。![]()
Vについて解くと
手玉のエネルギーは、ストロークの長さと加える力に比例し、手玉の速度はストロークの長さと加える力の平方根に比例します。ここで重要なことは、T=Fdという式において、エネルギーは手玉の質量に依存しないことである。つまり、手玉にかかる力が一定で、ストロークの長さが一定であれば、軽い手玉も重い手玉と同じエネルギーを獲得することになります。
<問題3.2>
【問題】
手玉の最終速度と手玉の初速・最終速度、手玉の質量にはどのような関係があるのでしょうか?
【答え】
衝突前は、手玉だけが運動量MsV0とエネルギー1⁄2MsV02を持っています。衝突後は、手玉とキューの両方がエネルギーと運動量を持っている。運動量とエネルギーの保存は、中心球の衝突を仮定して、次のようになります。
1番目の式をVsについて解き、2番目の式に代入すると、次のようになります。
一般的なキューの重さは18オンスで、ビリヤードボールの約3倍に相当します。この場合、Vb=3⁄2V0、Vs=1⁄2V0、Vb/Vs=3ですから、インパクト直後の手玉はキューの約3倍の速さで動いていることになります。もし両者の質量が完全に等しければ(非常に軽い手玉)、ボールの最終速度はキューの初速と等しくなり、キューの最終速度はゼロになり、すべてのエネルギーがキューからボールに伝達されることになります。キューの質量がボールの質量より小さい場合、キューの最終速度はキューの初速度とは反対方向になります(つまり、キューは手玉から跳ね返されます)。つまり、手玉の質量とボールの質量の組み合わせで、衝突直後に両者が同じ速度で前進するような条件は存在しないのであります。
<問題3.3>
【問題】
キューから手玉に伝わるエネルギーの割合は、キューと球の質量の関数としてどうなるでしょうか?
【答え】
問題3.2 の最終的なキューとボールの速度を使用すると、以下のようになります。
キューと球の質量比をαs=Ms/Mbとする。すると、エネルギーの比は次式で与えられます。
αs=1 のとき、このエネルギー比は 問題3.2の結論と一致し、1になります。質量の不一致がある場合、このエネルギー比は1より小さくなり、衝突におけるエネルギーの伝達効率は低下します。
……………………………………………………………………………………
6ozのキューでエネルギーの伝達が最適になるのであれば、なぜ使わないのか?最適でないなら、何が最適なのか?その答えには2つの要素があります。
まず、重要なのは常に最も効率的なエネルギーの伝達ではなく、手玉に伝達されるエネルギーのコントロールであることです。極端に軽いキューよりも重いキューの方がコントロールしやすく、質量差からくる固有の非効率性が手玉のスピードの誤差を少なくしてくれるのであります。ただし、8ボールや9ボールなどのオープンブレイクゲームでは、手玉のエネルギーを最大化することが望まれるため、ブレイクショットは例外となる可能性があります。これが答えの2番目の要素につながる。
ブレイクストロークで手玉を加速するために上腕二頭筋が収縮すると、前腕の質量と手玉の質量の両方が加速されるます。このことが最終的なボールのエネルギーにどのように影響するかを定性的に理解するために、いくつかの単純化した仮定を設定することができます。前腕は一様な質量の細い棒であると仮定します。前腕の慣性モーメントは Mf L2/3 となり、Mf は前腕の質量、L は前腕の長さです。キューの肘に対する慣性モーメントは MsL2 である。腕とスティックの両方が一定の力 F で肘を中心に角度θで加速されるため、全エネルギーは T=FLθ で与えられます。あるストローク長Lと力Fに対して、全運動エネルギーは手玉の質量と前腕の質量に依存しません。エネルギーの2つの部分を明示的に書くと、次のようになります。
ここで、T0はキューのエネルギーです。腕とキューの総運動エネルギーであるTはT=FLθで固定されているが、このエネルギーをキューと腕に分担する分数は質量比によって決まることがわかります。この式で興味深いのは、前腕とキューの質量比だけが重要で、前腕の長さは、少なくとも現在の単純化された仮定の範囲では重要でないことです。つまり、前腕の質量が同じであれば、背の高いプレーヤも低いプレーヤも最適なキューの重さは同じになるのです。ブレイクショットで肘ではなく肩から腕を回すプレーヤもいます。上記の分析では,腕の長さは関係ありませんが,この技術では,単に前腕の質量ではなく,腕全体の質量をMf項に含めなければなりません。このことが有益かどうかは、2つのストローク技術に関与する異なる筋肉群が加える相対的な力にも依存します。
上の式と問題3.3からジレンマが見えてきました。キューから手玉へのエネルギー伝達が最も高くなるのは、6オンスという非常に軽い重量のキューが必要であるということです。しかし、手玉のエネルギーT0を最大にするためには ストローク中の総エネルギーTが一定であれば、非常に大きな手玉の質量が必要です。従って、手玉のエネルギーを最大化するには、この両極端の間である種の妥協が必要となります。
エネルギーT0はストローク終了時のキューのエネルギーであり、問題3.3はT0と手玉のエネルギーTbの関係を示しています。これらの関係の組み合わせにより
最後の式で、αs=Ms/Mbはキューの質量とボールの質量の比であり、αf=Mf/Mbは前腕とボールの質量の比です。ある前腕の質量に対して、最適なキューの質量は、上の式をαsに関して微分し、その結果を0とし、αsをαfの関数として解くことで決定されます。最終的な式は次のようになります。
これはパンドラであります。αf=0のとき、αs(opt)=1となり、最適なキューの質量は6オンスとなり、問題3.3の結論と一致することが分かります。前腕の質量が軽い場合、24オンスとなり、αf=4, αs(opt)=2.2, そして最適なキューの質量は13.2オンスに相当します。典型的な前腕の質量は36オンスで、これは最適なキュー重量15.4オンスに相当する。前腕の質量が重い場合は 64 オンスになり、最適なキューの重さは 19.3 オンスに相当する。腕全体を使い、肘ではなく肩で回転させながらブレイクする人は、腕の質量が150オンスになるかもしれず、これは27.2オンスの最適なキューの重量に相当します。
ここ数年、多くのプロ9ボールプレーヤーが重いブレイクキューから軽いブレイクキューに変えています。これらのプレーヤは、試合ではまだ通常の19-20ozのキューを通常のストロークに使うかもしれませんが、より軽い15-18ozのブレイクキューでブレイクします。この重量のブレイクキューは、上記の方程式と一致し、ショルダーピボットよりもエルボーピボット、そしてスリムからミディアムボディタイプです。このようなプレーヤが実際に使うブレイキングテクニックは、上記で考えたものよりも複雑で、肩と肘の両方についてのピボットを伴うものであります。
<問題3.4>
【問題】
接触直後の手球のスピン/スピード比は、手球の垂直方向の接触点の関数としてどのようになりますか?
【答え】
簡単のため、接触点は手玉の中心を通る垂直面上にあると仮定します。オフセンターヒットで手玉に力を加えると、その力によって質量中心が加速され、その結果、運動量はp=MVとなります。線形運動量は,式
で与えられ,このとき力は接触時間中一定ではなく、tは手玉とキュー先の非常に短い接触時間です(理想的な衝撃力は,接触時間が短くなると積分して一定の運動量変化になる力です。キュー先が手玉に接触することと、ハンマーが釘を打つことは、ほぼ理想的な衝撃力の例であります)。同様に角加速度の式を積分するとpRsin(θ)=pb=Iωとなる。bはインパクトパラメータで、手玉中央を基準とした縦方向の撞点距離です。中心撞点では0、上撞点では正、下撞点では負の値になります。これらの2つの式から線形運動量pを除去すると,次のようになります
b=0 なら角速度ωも0であり、手玉の中心を撞けばスピンがかからないことを意味します。キュー先が中心より上に当たった場合、bは正、ω=ωyは正となり、ボールは速度と同じ方向に転がっていることになります。キュー先が中心より下に当たった場合、bはマイナス、ωはマイナスとなり、ドローやドラッグショットのように手玉が反対方向に回転していることになります。なお、上記の式は、-R≤b≤R のときのみ有効であり、そうでなければbは意味がなく、キュー先は手玉にインパクトしません。手玉の端に近い接触点ではミスキューが発生するため、実用上、bはさらに制限されます (問題1.7参照)。上記は水平軸の角速度について求めたものですが、水平衝突パラメータから生じる垂直軸の角速度にも、また、実際には任意の角速度軸にも,同じ式が適用されます。
<問題3.5>
【問題】
手玉がナチュラルロールになるのは、どれくらいの高さの撞点bNRを撞いたときか?
【答え】
ナチュラルロールはV=Rωyで発生します。上の式に代入すると
クッションの高さはz=R+bで与えられるので、この撞点は、次のように書くことができます。
ここで、D=2Rはボールの高さです。この点は手玉の中ではかなり高い位置にあり、ミスキューの可能性があるため、これより高い位置を撞こうとするのは危険です(問題1.7参照)。水平なキューで手玉に与えるサイドスピンはナチュラルロールに影響を与えないので、ラシャの上で滑らずに、すぐにナチュラルロールになる撞点は、テーブル面から7/10Dの高さの水平線に沿ったものである。
<エクササイズ3.1>
ナチュラルロールインパクトポイントを使ったショットを試してみましょう。手玉の代わりに縞模様のボールを使用する。縞模様の中心で定義される平面が垂直から様々な角度で傾くようにボールを配置します。手玉はできるだけ水平に保ち、縞模様の平面内にあるようにする。手玉の先端の接点は、テーブルから 7⁄10D の高さで縞の中心に正確に位置する必要があります。正しく実行されると、縞はボールが転がるときに「静止」しているように見えます。接触点またはボールのセットアップにわずかな誤差があると、ボールが転がるときに縞模様がわずかに揺れます。
図3.1 手玉の後方から見て、任意のサイドスピン/スピード比に対応する手玉の接触点を細い線で示します。図a は手玉の先端が接触した直後のスピン/スピード比が一定であることを示し、垂直の直線です。図bは、ナチュラルロール後のスピン/スピード比を一定にしたもので、(y,z)=(0,0)で交差する直線です。いずれの場合も、中心からのオフセットが大きいほど、スピン/スピード比は大きくなります。
(※注) このシリーズ記事は、Amateur Physics for the Amateur Pool Player Third Editionの著者ロン・シェパード氏より許可を頂き、和訳/公開しているものです。
ある時点で、ボールに(重心)並進速度とスピン(重心付近)があることがわかっているとします。簡単にするために、スピン軸が水平で、並進速度に垂直であると仮定します(つまり、ボールはまっすぐなトップスピンまたはドローを持ちます。たとえば、V = Vˆiおよびω=ωˆj)。ボールがテーブルの布の上を滑ると、ボールと布の間の摩擦により、並進速度と角速度の両方が変化します。この力は、並進速度と角速度が互いに「一致」する平衡状態が発生するまで、ボールを加速する、つまり速度を増減するように作用し、その時点で滑り摩擦力はゼロになります。これは、自然なロール(通常のロール、スムーズロール、またはスリップなしのロールとも呼ばれます)の状況です。短い時間dtで、ボールが移動した距離はVdtになり、ボールの外面はボールの重心に対して距離R•dtを転がします。したがって、この「マッチング」は、V = Rωの場合に発生します。
スライディングボールの速度とスピンは常にスライディング摩擦によって自然なロール状態に向かって強制され、一度達成されると、自然なロールは別のボールまたはクッションと衝突するまでボールによって維持されるため、自然なロール状態を調べることが重要です。または停止するために転がります。
図2.1 バックスピンショットの直線速度V、角速度ω、および対応する摩擦力Fが概略的に示されています。 示されているように、Vは正ですが、Fとωは負であると見なされます。
スライディングボールが自然なロール状態に近づくため、平衡期間中は運動エネルギーが保存されません。これは、図2.1に示すバックスピンショットのように、並進速度と角速度が互いに反対の場合に見やすくなります。 (正回転では時計回り)バックスピンショットでは、初期摩擦力がボールの速度を低下させ、スピンの大きさを減少させ、両方のタイプの運動エネルギーを同時に明らかに減少させます。
この議論で紹介する有用な概念は、スピン/速度比ω/Vです。状況によっては、より有用な量は無次元比J =(Rω/V)です。上記のバックスピンショットの場合、これは、ボールの重心の速度に対するスピンに起因する、回転赤道上のボール上のポイントでの速度の比率です。 複数のスピン成分が同時に検査される状況では、無次元ベクトル量J =(Jx,Jy,Jz)= Rω/Vが役立ちます。上で説明したように、Jy = + 1は、速度がx軸に沿って方向付けられているときの自然なロール状態に対応します。
摩擦力は、ボールが布に接触するボールの最下部に作用し、水平方向を指します。 力は、式F =MV˙に従ってボールを加速するように作用します。 一定期間にわたって統合され、これは勢いの変化をもたらします。
ここで、V0は初速度ベクトルです。 バックスピンショットではFとVが反対方向を指していることに注意してください。 ボールは時間の経過とともに遅くなります。 FとVが同じ方向を向いている場合。 トップスピンでボールがオーバースピンすると、ボールは時間の経過とともにスピードアップします。 図2.1に示す場合、この式は次のように簡略化されます。
または、方程式の両側から質量を削除し、ボールクロスの滑り摩擦係数を導入した後、
ここで、右側の符号は、速度と力のベクトルが反対方向を指しているという事実に起因します。 (正のV0の一般的なケースでは、Rω0> V0の場合はF> 0、Rω0 <V0の場合はF <0、つまりFと(J-1)の符号は同じです。)
スライディングボールの角速度は、次の式に従って変化します。
引き玉では、
この状況では、この方程式はR|F| =Iωに単純化されます。一定期間にわたって統合され、これにより
図2.1で、バックスピンショットの場合、摩擦力が角速度を初期の負の値から最終の正の値に増加させるように作用していることに注意してください。 角速度がまだ負のときにキューボールがオブジェクトボールに接触した場合、これはドローショットと呼ばれます。 布の摩擦によってすべてのスピンが除去され、オブジェクトボールとの衝突時にボールが前方にも後方にもスピンしない場合、これはスタンショットと呼ばれます。衝突前にフォワードロール、特にナチュラルロールが達成された場合、これはドラッグショットと呼ばれます。 上記の式に示されているように、これらの3つのショットを区別するのは、初期角速度、ボールと布の間の滑り摩擦、および衝突前の時間です。
自然なロールボールの総運動エネルギー式がわかったので、転がり抵抗の問題をより詳細に調べることができます。 傾斜面を転がるボールの以前の保守的なモデルは、関係するさまざまな力を理解するために使用されます。 傾斜面を滑らずに転がるボールの場合、これらの力の結果は既知です。つまり、ボールが減速してもRω= Vが維持されますが、この結果を達成するために必要な力自体は明らかではありません。 ニュートンの法則を直接適用するには、これらの力を事前に知っておく必要があります。 したがって、ラグランジュの運動方程式が使用されます。 一般化座標は、傾斜sまでの距離、ボールの角回転θ、および制約方程式λに関連付けられた未決定の乗数と見なされます。 キネティックの表現エネルギー、位置エネルギー、および制約方程式は次のとおりです。
ラグランジュの方程式はL=T-U+λfで、動作の方程式は
よりs、θおよびλについて導出されます。
最後の方程式を2回微分すると、Rω=Vsが得られます。 未決定の乗数の2番目の方程式を解くと、λ=IVs/ R2が得られます。 次に、最初の方程式に代入すると、次のようになります。
滑らずに転がる代わりに、ボールを自由に滑らせることができれば、この座標系でのニュートンの運動方程式は単純になります。
したがって、スライディングボールはローリングボールよりも速く減速するように見えますが、他のすべては同じです。 ボールと傾斜の間の静止摩擦係数から生じる有効な力は2⁄7Mgsin(α)であることがわかり、この力は上り坂に向けられます。重力に対抗します。 この摩擦力に関連する滑りがないため、このモデルシステムではエネルギー散逸はありません。 失われる唯一の運動エネルギーは、位置エネルギーの対応する増加に関連するものです。 あったようにスライディングブロックについて前のセクションで行ったように、有効勾配と摩擦係数との関連付けが行われます。µ(rolling)= sin(α)。前のセクションでは、運動方程式はµeff(rolling)g =-Vsの形式であると想定されていました。 この仮定が正しいことがわかりました。
µeff(rolling)はいつ使用する必要があり、µ(rolling)はいつ使用する必要がありますか? 答えは、ローリングビリヤードボールの場合、対応する運動方程式で使用されていれば、どの摩擦係数を使用してもかまいません。 µ(rolling)を含む運動方程式を使用すると、1つのオブジェクトに対して決定されると、同じ材料でできているが、ローリングシリンダー、ローリングなどの形状が異なる他のオブジェクトにも同じ値を使用できるという利点があります。 チューブ、リング、または中空ボール。 したがって、µ(rolling)は、ある意味で、µeff(rolling)よりも基本的です。 次の問題で示されているように、これらのオブジェクトの動きは、もちろん、運動方程式の慣性モーメントに依存するため、わずかに異なります。
(※注) このシリーズ記事は、Amateur Physics for the Amateur Pool Player Third Editionの著者ロン・シェパード氏より許可を頂き、和訳/公開しているものです。
ビリヤードボール、スヌーカーボールは、通常、フェノール樹脂製プラスチックの均質な球体です。古いボールは、粘土、象牙、木、その他の材料で作られています。コイン式のテーブルでは、手玉が他のボールよりも大きくて重い場合があります。それ以外の場合では、セット内のすべてのボールは同じサイズと重量です。標準のビリヤードボールの直径は2 1/4インチ、スヌーカーボールは2 1/8インチまたは2 1/16インチの2つのサイズ、キャロムビリヤードボールは2 27/64インチ、2 3/8インチ、または2 7/16インチの3つのサイズのいずれかです。 すべての場合の許容誤差は±0.005インチです。ビリヤードボールの重量は5.5〜6オンス、スヌーカーボールの重量は5〜5.5オンス、ビリヤードボールの重量は7〜7.5オンスです。
剛体の慣性テンソルは、3x3マトリクスの要素として定義されます。
ここで、ベクトルr =(x、y、z)の成分はデカルト座標です。均一な球の場合、ρ(r)はr <Rの定数であり、ボール材料の密度です。ボールの質量はM = ρV = 4/3ρπR3です。
ボールの運動エネルギーは、並進と回転の2つの部分で構成されます。並進運動エネルギーはT(Trans)=1/2MV2で与えられます。ここで、Vはボールの重心の速度です。ボールの質量Mは、速度の2乗とエネルギーの間の比例定数です。主軸の周りの回転運動エネルギーは、同様の方程式T(Rot)=1/2Iω2で与えられます。ここで、ωは角速度で、たとえばラジアン/秒で表されます。したがって、慣性モーメントIは、角速度の2乗と回転運動エネルギーの間の比例定数です。剛体の回転エネルギーの最も一般的な式は、T(Rot)=1/2ωI2です。ここで、ωは各軸の周りの角速度、Iは3x3の慣性テンソル、およびドットです。適切な行列-ベクトルまたはベクトル-ベクトルの積を意味します。量L=Iωは重心の周りの回転角運動量であり、上記のIの単純な形式は、ビリヤードボールの場合、角運動量が常に角回転と一致することを意味します。回転エネルギーは、T(Rot)=(1/5MR2)ω•ω=(1/5MR2)|ω|2と書くことができます。均一な球の軸の選択の自由により、多くの場合、目前の問題を単純化して次のようにすることができます。この場合、単純なスカラー方程式を使用できます。
ボールなどの剛体に力を加えると、重心の速度は式F =MV˙に従って変化し、角速度は式r×F = Iωに従って変化します。単一の主回転軸を考慮すると、後者の方程式はより単純なrsin(θ)|F| = I•ωになります。ここで、θはベクトルrとFの間の角度で、大きさはrと|F|です。それぞれ。ωは、2つのベクトルrとFで定義される平面に垂直な方向にあり、慣例により、右手の法則と整列します(つまり、右手の指がrをFに回転する方向に回転するとき。次に、親指は正の方向に沿って指します。ωベクトル外積の他の分析式もこの説明で使用されますが、右手の法則は便利で直感的な定義を提供します。)ベクトルrはの中心から指します。力が加えられるボールの表面上の点までのボールの質量。これらの式で、V˙≡dV/dtは各座標軸に沿った直線加速度であり、ω≡dω/dtは各座標軸に沿った角加速度です。直線加速度の場合の力と質量Mの関係、および回転加速度の場合の力と慣性モーメントIの関係の類似性が再び見られます。rsin(θ)係数は、角加速度が力の方向にどのように依存するかを示します。力がボールの重心に向かって直接加えられると、sin(θ)係数はゼロになり、角加速度は発生しません。角加速度が発生するのは、ボールの中心から斜めの方向に力が加えられたときだけです。
2つのオブジェクトをこすり合わせるには力が必要です。2つの物体が垂直力FNで一緒に押され、大きさFfの横方向の力によって、2つの物体が加速せずに互いに滑る場合、すべり摩擦係数はµ(sliding)= Ff / FNとして定義されます。近似として、2つの表面間の摩擦係数は一定であり、力や2つのスライドするオブジェクトの速度に依存しません。小さな摩擦係数は滑りやすいオブジェクトのペアに関連付けられ、大きな摩擦係数は粘着性のあるオブジェクトのペアに関連付けられます。静摩擦係数もあります。静摩擦は、滑り摩擦と同様の方法で定義されますが、静止している2つの表面に適用されます。与えられた表面のペアでは、静摩擦係数は滑り係数よりも大きくなりますが、一部の表面ペアでは値が非常に近くなります。
■滑り摩擦
プールで重要ないくつかの摩擦力があります。1つ目は、布上のボールの滑り摩擦Fsです。 Fs = µ(sliding)Wここで、Wはボールの重量です(FN = W = Mg、ここでgは重力加速度です)。ボールの重量と摩擦係数は、特定のボールと特定のテーブルで一定であるため、スライドするボールの摩擦力は一定です。摩擦力の大きさは、ボールが布の上を滑っている限り、ボールの速度やボールの速度に依存しません。この力の方向はボールの速度とωに依存します。これについては、以下の説明で詳しく説明します。ボールが布の上を滑っていない場合(たとえば、ボールが静止している場合、またはボールが布の表面を滑らずにスムーズに転がっている場合)、滑り摩擦力はありません。
すべり摩擦力の原因の性質を考えるのは興味深いことです。微視的なレベルでは、一方の表面の分子の原子がもう一方の表面の原子に引き付けられます。オブジェクトが前方にスライドすると、新しい相互作用または結合が前方に形成され、瞬間的に維持され、個々の原子が引き離されるときに破壊されます。ただし、摩擦を引き起こすのはこれらの結合ではありません。その理由は、結合を形成する際に、結合が切断されたときに再び得られるのと同じ運動エネルギーが失われ、表面が互いにスライドするときにこれらの結合が形成および切断されることによるエネルギーの正味の変化がないためです。しかし、個々の原子が相互作用するわずかな時間の間、表面分子の振動エネルギーは、オブジェクトの大部分の他の分子に伝達されます。(エネルギーも反対方向に伝達されますが、速度ははるかに小さくなります。正味のエネルギーの流れは、熱力学の第二法則の結果として、表面原子からバルク原子になります。)このエネルギー伝達の結果は、その並進です。運動エネルギーは、バルク材料の分子の振動、つまり熱と音に変換されます。物理学者のこの観点から、摩擦力を引き起こすのは熱と音であると言えます。これは、素人の見方とは多少逆です。つまり、摩擦が熱を引き起こすということです。
スライディングブロックは、スライディング摩擦の他のいくつかの側面を理解するための単純な概念モデルを提供します。滑り摩擦係数µの水平面上の質量Mの滑りブロックについて考えてみます。ブロックの下向きの力はブロックの重量、W = Mgであり、この力は表面の上向きの力と正確に対抗します。これは、ブロックが垂直方向に加速しないことを意味します。水平方向の力は大きさが一定で、| Fs | = µW = µMgであり、この力の方向は、正の方向を定義するために取られる速度と反対です。この摩擦力は、式V = -µgに従ってスライディングブロックの速度を低下させます。ここで、マイナス記号は力の方向によるものです。この方程式がブロック質量に依存しないのは興味深いことです。以下の説明のいくつかの運動方程式は、同様にボールの質量に依存しません。時間の経過に伴う積分により、V(t)= V0-µgtが得られます。ここで、V0はt = 0での初速度です。もちろん、この方程式は、ブロックがスライドしている間だけ有効です。時間の経過とともに再び積分すると、距離xが時間の関数としてx = V0 t-1⁄2µgt2として得られます。ここで、距離は開始点から測定されます。
ブロックが減速しているため、このプロセスでは運動エネルギーが保存されません。これは散逸的なシステムであり、保守的なシステムではありません。運動エネルギーは時間と距離にどのように依存しますか?上記のV(t)を代入すると、
運動エネルギーは、距離の線形関数および時間の二次関数として失われます。ブロックがスライドして静止するとき、T = 0、初期エネルギーと合計スライド距離dは、単純にT0 = µMgdとして関連付けられます。ブロックの初期エネルギーが2倍になると、ブロックが静止する前にスライドする距離も2倍になります。ただし、初速度が2倍になると、最終距離は4倍になります。また、与えられた初期エネルギーT0に対して、摩擦係数が増加する場合は、合計スライド距離が減少する必要があり、摩擦係数が減少する場合は、合計スライド距離が増加する必要があることにも注意してください。関連する重要な量は、T≡dT/dtとして定義される消費電力です。二次時間関数から、または連鎖律T˙= dT/dx dx/dtを使用すると、スライディングブロックの消費電力はT˙= -µMgVであることがわかります。スライドブロックの摩擦力の処理は比較的簡単です。次のセクションでは、テーブル上を滑るビリヤードボールと2つの衝突するビリヤードボールのやや複雑な状況について説明します。
摩擦係数はどのように測定できますか?測定を行うために利用可能な機器または利用可能なデータに応じて、いくつかの可能性があります。
(1) 1つの方法は、測定スケールをブロックに取り付け、加速せずにブロックを表面上でスライドさせるのに必要な力を測定することです。この力をブロックの重量で割ると、係数µが直接得られます。
(2) 表面を任意の傾きに保つことができれば、問題1.4のようにμを求めることができます。これは常に実用的であるとは限りません(たとえば、表面が重いビリヤード台の場合)。
(3) 与えられた軌道の2点で速度またはエネルギーを正確に測定できれば、これら2点での方程式T = T0-µMgxを使用して、T0と積µMgを決定できます。重量Mgを独立して決定すると、µを決定できます。ただし、速度の測定は比較的難しいため、これも実用的ではない可能性があります。
(4) ブロックが静止する前に時間tdで距離dだけスライドするとします。その場合、初速度はV0 = µgtdでした。これを二次距離方程式に代入すると、µ = d /(1⁄2gtd2)が得られます。もちろん、これは可能性の完全なリストではなく、さまざまなタイプの初速度または軌道測定の準備に基づいて、他の多くのスキームを考案することができます。
■転がり抵抗
2番目の力は、布上でのボールの転がり抵抗です。これは、厳密に言えば、滑り面を含まないため、滑り摩擦力ではありませんが、この力の正式な取り扱いは、上記の滑り摩擦力と同様です。この状況に関与する部隊の詳細な調査は、次のセクションまで延期されます。現在の議論では、この転がり抵抗は、傾斜面で上り坂を転がるボールとしてモデル化されます。これは保守的なモデルです。 その場合、実際のビリヤードボールの散逸エネルギー損失は、保守的な重力場でのモデルボールのエネルギー損失に類似していると見なされます。このモデルは保守的なシステムであるため、力を詳細に考慮せずにボールの運動方程式を決定することができます(この状況では直感的に理解できない場合があります)。
勾配αの傾斜の場合、開始点からの高さはh = ssin(α)で与えられます。ここで、sは開始点から傾斜を上る距離です。位置エネルギーは、U(s)= Mg = sMgsin(α)によってsの関数として与えられます。このモデルでは、熱によるエネルギー散逸はないと想定されています。総エネルギーE = T + Uは一定であるため、ボールによって失われた運動エネルギーは重力場の位置エネルギーに伝達されます。これにより、関係T(s)= T0-sin(α)sMgが得られます。ここで、T0 = Eは、傾斜の下部でのローリングボールの初期エネルギーです。傾斜面を転がるボールの運動エネルギーは、スライディングブロックの場合と同じ方程式に従いますが、ブロックのすべり摩擦係数の役割を想定して、sin(α)に対応する傾斜勾配を持ちます。 。ただし、転がるボールの場合、運動エネルギーの表現はより複雑であり、これは、関連する力の調査とともに、次のセクションでより詳細に説明されます。連鎖律の式を使用すると、傾斜を転がるボールの消費電力は、T˙= dT/ds ds/dt = -sin(α)MgVで与えられます。ここで、Vは傾斜に平行な速度によって決定されます。何らかの理由で傾斜の傾きを測定できなかった場合は、上記の式のsin(α)係数を測定することにより、すべり摩擦係数µを測定できるのと同じ方法で間接的に測定できます。
レベルテーブル上で転がる実際のボールとこのモデルの問題との関係は、微視的なレベルで転がるボールを考慮することによって正当化される可能性があります。有効な摩擦力の性質は、ボールが転がるときに布の繊維が圧縮されることから部分的に生じます。圧縮されると、ボールが通過してもすぐには跳ね返りません。もしそうなら、転がるボールによってこのように失われるエネルギーはありません。繊維のこの不可逆的な圧縮によって失われるエネルギーは、転がるボールを遅くします。ローリングボールのエネルギーは、ボールとテーブルの振動によっても失われ、最終的には周囲の温度の上昇によって失われます。ボールが微小な量だけ前方に転がると、布の上でも上り坂に転がり、少量の運動エネルギーが失われます。しかし、布はボールの重さを支えることができないため、繊維を圧縮します。これにより、ポテンシャルエネルギーが重力場からこれらの圧縮繊維のばね定数に伝達されます。ボールが転がり続けると、繊維は少しの間圧縮されたままになり、このタイムラグにより繊維に蓄えられた位置エネルギーがボールの運動エネルギーに戻されなくなります。ボールがテーブル上を転がる水平距離は測定できますが、布の繊維が圧縮されていなかった場合にボールが上昇したであろう有効高さを直接測定することはできません。したがって、有効な転がり摩擦係数µeff(rolling)に関連する可能性のある有効な勾配sin(α)は、間接的に決定する必要があります。
停止する前に、時間tでテーブル上で距離dを転がるボールを考えてみます。このとき、有効な力は、ローリングボールに対抗するFr = µeff(rolling)Mgの形式であると想定されます。ニュートンの方程式Fr =MV˙はµeff(rolling)g =-V˙と書き直すことができます。 時間の経過とともに積分すると、µeff(rolling)gt = V0–Vになります。ここで、V0は初速度です。 時間の経過に伴う積分により、1⁄2µeff(rolling)gt2 = V0t–dが得られます。 V0 = µeff(rolling)gtの場合、最終速度はゼロであり、これを使用して距離方程式からV0を削除できます。次に、転がるボールの有効摩擦係数は、次の式から決定できます。
ボールの質量はこの関係では表示されません。無次元量テーブルの速度は1⁄µeff(rolling)として定義され、同様にボールの質量に依存しません。 テーブル速度のこの定義では、非常に遅いテーブルは50〜70の範囲にあります。 通常のテーブル速度は80-100です。非常に速いビリヤード台の速度は120を超える場合があります。通常、ビリヤード台の布はビリヤード台の布よりも細かく滑らかで、速いビリヤード台の速度は150を超える場合があります。転がり抵抗による力は次のとおりです。すべり摩擦のため、それよりはるかに小さい。
テーブル上のボールの滑り摩擦力と転がり摩擦力は独立した量です。 たとえば、硬いゴムの表面にあるボールを考えてみましょう。 滑り摩擦は非常に大きくなりますが、転がり抵抗は比較的小さくなります。 あるいは、柔らかい裏地のあるテフロン表面のボールを考えてみましょう。 滑り摩擦は比較的小さく、転がり抵抗は比較的大きくなります。 ビリヤードクロスの素材の均一性は、実際に遭遇する極端な範囲を制限します。公式のBCA(Billiard Congress of America)規則では、主にウールであるビリヤードクロスを指定しています。PBTA(Professional Billiard Tour Association)の要件はさらに具体的であり、ビリヤードクロスのブランドとタイプ、つまりSimonis860を詳しく説明しています。 これは部分的に後援の問題ですが、これは比較的高速のビリヤード台であり、新しく設置した場合、通常、テーブルの速度は100〜130になります。
■衝突するボール間の摩擦
3番目の重要な摩擦力は、2つの衝突するボール間の摩擦力です。 2つのボール間の力は、衝突中に変化します。衝突時間は非常に短いため、衝突中に1つのボールから別のボールにエネルギーを伝達するために、これらの力は非常に大きくなる可能性があります。摩擦力は、ボール間の接触点でボールの表面に接する方向に作用します。これを図1.1に模式的に示します。ボールを加速する直線力は、ボールの中心の間に向けられます。ボールにかかる合力は、これら2つのベクトル力の合計です。接線方向の摩擦力によるボールの速度成分は、ボールの回転状態と関連する切断角度に応じて、衝突誘起スローまたはスピン誘起スローと呼ばれます。 2つのボールが互いにスライドすると、両方のボールが摩擦力によって加速されます。一方のボールを加速する摩擦力ベクトルは、もう一方のボールを加速する摩擦力ベクトルとは正反対です。ただし、摩擦力による角加速度は、反対の力が一方のボールの前面に適用され、もう一方のボールの背面に適用されるため、両方のボールで同じ符号を持つことに注意してください。前と同じように、おおよその摩擦力は、2つの表面が互いにスライドする速度とは無関係です。回転するボールが互いに「ロック」しない限り(2つのインターロックギアとして)、力は一定です。ロックすると、スライドする摩擦力がなくなります。
図1.1 垂直抗力FN、滑り摩擦による接線力FT、結果として生じる総力F、および角加速度˙が、2つの衝突するボールについて概略的に示されています。 力の大きさは衝突中に変化しますが、接線力と垂直力の比率は一定であり、摩擦係数によって決定されます。 接線方向の力の大きさは非常に誇張されて示されています。 2つのボールに作用する接線方向の力は互いに正確に反対ですが、結果として生じる角加速度の符号は同じであることに注意してください。
■タップと手玉間の静止摩擦
4番目の摩擦力は、キューチップとキューボールの間の静止摩擦です。 キューチップがキューボール上を滑ってはいけません。これが意図せずに発生すると、ミスキューが発生し、キューボールが予期しない動作をします。 キューチップが意図的にキューボールに対してスライドした場合、違法な「プッシュショット」が発生しています。 静摩擦力は、垂直抗力と静摩擦係数に次の関係で関連付けられます。µstatic = FT / FNここで、FTは、キューチップをキューボールの表面上でスライドさせるために必要な最小の力です。
図1.2法線力FN、静摩擦による接線力FT、および結果として生じるキューチップとキューボール間の接触の合計力Fが概略的に示されています。 力の大きさは衝突中に変化しますが、接線力と法線力の比率は一定であり、衝撃点によって決定され、静摩擦係数によって制限されます。
新シリーズとして、ビリヤードの物理学を投稿していきます。
このシリーズは、Amateur Physics for the Amateur Pool Player Third Edition(アマチュアプレイヤのためのビリヤード物理学)の和訳版です。
この度、著者であるアルゴンヌナショナル研究所 ロン・シェパード氏より和訳/公開を快諾頂き、ブログで掲載するに至りました。
内容は、可能な限り原文に沿った意訳(直訳でなく、日本語として意味が通じる和訳)を努力しておりますが、疑問を感じられた場合は 是非原文をご覧いただければと思います。
■はじめに
アマチュアという言葉は、ラテン語のアマトール(恋人)とアマレ(愛する)に基づいています。アマチュアとは、自分のやることを愛し、その行為そのものを楽しむためにそれを追求する人のことです。本稿は、ゲームを楽しみ、物理学を活用してものごとを理解することを楽しむプレーヤを対象としています。経験豊富なプレーヤや物理学者にとっては、本稿の説明の中からは新しいテクニックはほとんどないでしょう。私は本稿が、ビリヤードに興味を持つ物理学者や、物理現象に興味を持つプレーヤのために役立つことを願っています。本稿は、ビリヤードと物理の両方を楽しんむプレーヤに向けて作成しました。
ここで使用される物理学は、第一原理から派生したものではありません。読者は、ニュートンの運動の法則、重心変換、慣性モーメント、線形および角加速度、ジオメトリ、三角測量、ベクトル表記などの基本的な物理学を理解していることを前提としています。このテキストで使用されている物理学を完全に理解したい場合は、微積分ベースの大学レベルの入門物理学の教科書の参照をお勧めします。ファインマン物理学講義(第1巻)は、読者が楽しめると思われるテキストの1つです。
内容は5つのセクションに分かれています。
*セクション1
道具(ボール、テーブル、キュースティック、キューチップ、布)
それに関連するいくつかの物理特性(さまざまな摩擦係数、力、慣性モーメント)
*セクション2
自然回転の概念
*セクション3
タップと手玉のインパクト
*セクション4
手玉と先球のインパクト
*セクション5
統計的手法の使用
各セクションには、いくつかの一般的な説明と特定の問題(およびその解決策)が含まれています。途中でいくつかの演習も行われます。これは、読者が議論したいくつかのテクニックを使ってビリヤード台で実験することを目的としています。
緊張や過信によるミスジャッジは、仕事やスポーツの場面で多く見聞きするものですが、今回は ミスジャッジに至る過程と、私が思いつくその対策法を記事にしたいと思います。内容には、私の体験も踏まえておりますので、参考程度にご覧いただければと思います。
ミスジャッジには、下図のパターン1とパターン2があるかと思います。

パターン1は、楽観的なミスジャッジ。パターン2は、悲観的なミスジャッジと言えましょう。いずれのパターンも、モノゴトをどのように捉えるか。言い換えれば、モノゴトをどのように思い込むか、によって私たちの身体の各所に生体反応が示されるのです。
具体例としては、パターン1だと勘違い、パターン2だと萎縮などがあります。確証なきモノを絶対OKと判断するパターン1。確証なきモノ絶対NGと判断するパターン2は、毛色は違えど、判断能力で最も大切な正確性とスピードに悪影響を与える意味では、共通点があります。
特にパターン2は、私がビリヤード中によく犯すミスジャッジで、それは迷いを生み、スピーディな判断を邪魔して、傍らから見るとガチガチに緊張した状態に見えるのです。思い切りが悪く、のびのびとプレーするなどとは対極の状態。これは、スポーツでは良く聞く心理状態で、ネガティブな心境で陥りがちだと思います。では、なぜこのようなミスジャッジに至るのでしょうか。
スポーツ心理学の文献によれば、判断で重要なのは、スピードと正確性なんだそうです。そして、状況判断を狂わせるのは、①先入観、②強すぎる感情、③過度の緊張とも。
①先入観は、強すぎると脳が先入観に支配され、脳は、どんなに正確な情報が集まっても参考としなくなる。
②強すぎる感情は、願望によるバイアスとも言え、「勝ちたい」「負けたくない」などの願望が強すぎると、本来集中すべき「自分のなすこと」から意識が離れる。
③過度の緊張は、焦りの心理も伴います。これらは脳の処理能力(スピード/正確性)を低下させ、正しい情報を得ても、適切に処理出来なくさせます。
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ここで、判断能力と集中力の2つの側面から考えてみます。
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まず、判断能力について。
①先入観と②強すぎる感情と③過度の緊張が問題と説明しましたが、私にとって問題なのは、③過度の緊張なのです。これについて、掘り下げて考えてみたいと思います。
緊張の引き金は、未来への不安。そして緊張は、全身の血液バランスを乱し、血液の多くは脳に集中し、反対に、末梢神経や下半身の温度を低下させるんだとか。
このような反応の多くは、マイナス思考を伴います。心理的にネガティブな状況に陥り、末端からの素早い神経伝達は行われず、反応が遅れることで、より一層、焦りの感情を刺激するでしょう。
従って、心理レベルを適当に保つことが、正確でスピーディな判断のために重要であると言えます。
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次に、集中力について。
モノゴトの捉え方といった意味では、「集中の仕方」が大切だと思うのです。そもそも集中とは、視点を広い範囲から徐々に一点に絞り込んでいく、という意味だそうで。能率を上げるには、対象物以外の雑多な情報を排除して、対象物一点に全神経を集中していくことが求められます。
スポーツ心理学では、集中力は、以下の内容で分類されるそうです。
このように集中力と言っても、これだけの種類があるわけです。それてこれらは、どれもスポーツや仕事に欠くことのできないものです。
ところが私たちは、何らかの理由によって、この集中力を奪われたり、弱められたりします。
ミスジャッジに着目して考えてみると、大別して内的集中と外的集中から言える訳です。
まず、内的集中ですが、自分の状態を正確に認識することが大切な訳ですが、それは客観から見た自己の姿と、主観から見た自己の姿のギャップが、できるだけ少なくなるのが望ましい訳です。そして、勘違いや自己過信などの場合は、これらの2つの姿は大きく乖離していると言えましょう。
次に、外的集中ですが、これは対象物に対する一点集中が過ぎて、周囲に対する分散集中がおろそかになっている場合と、気が散って 対象物に対する一点集中がおろそかになっている場合が考えられるわけです。
これがポジティブ側に振れすぎると過大評価、ネガティブ側に触れすぎると過小評価となると言えましょう。
心理学では、条件付けと呼ばれる心の動きがあります。これは、全く無関係なAとBの二つの刺激を反復することにより、心に「AすなわちB」という条件反射が植えつけられることです。私は、これがポジティブに作用する場合はルーティン、ネガティブに作用する場合は先入観と呼ぶことにしています。
状況判断をミスする要因の筆頭は「先入観」です。このネガティブな思い込みが、ミスジャッジを引き起こすのではないでしょうか。











































