さて、大企業の収益はバブル以降最高とか、賃上げもリーマンショック以来の高水準とか、景気の良いニュースが飛び交う一方、貧困率の上昇とか非正規雇用の増加とか庶民にとっては心が痛むニュースも多く見られます。
巷ではアベノミクスの賞味期限も切れたとの声が高まっています。

一般国民の大部分は生活が苦しくなったと思っているのではないでしょうか。

私も家計簿からもこんな世相の一端を窺うことができました。

私の経済状況について、アベノミクスが始まった2012年から追ってみると興味深い結果になりました。
私の給与収入、株式取引や投資信託等の投資収入、消費支出(家賃や光熱費、通信費を含まない)、食費について、2012年の数値を1として、2013-2015年の推移をグラフにしました。


まず、目を惹くのが投資収入の急増です。
アベノミクスによる異次元の金融緩和の成果が見事に現れています。
プチながらも投資家である私はおこぼれ程度にはあずかることができました。
それにしても、2012-2013年で1.6倍以上に増加ってことは、富裕層は年収60%アップってことですよ。
2014-2015年も高い水準を保っています。
こりゃ富裕層は首相官邸に足を向けて寝られませんね。

次に、私の給与収入です。
2012-2013は微増に留まっています。
基本的に景気よりも政治動向に左右される業界です。
私は病気で欠勤が多く、昇進と昇給はほぼ止まっていました。
2014年から急上昇したのは転職のためです。
2013年末の転職だったので、2014年は業績賞与がなくて、今年になって初めてボーナスも満額支給になりました。転職前の実に1.5倍です。

続いて出費の方を分析します。
2012年と比べると、2013-2014は消費支出が増加しています。
これは、個人的なことですが、一番大きいのは婚活費用です。
婚活をほぼやめていた2015年の消費支出が消費税増税前以下に落ち込んでいるのを見れば明らかです。
これは世間の消費動向とも一致するのではないでしょうか。
大企業の収益が最高になる一方で、個人消費は減少してるという矛盾した現象です。
消費の2割を婚活に使っていたとは、我ながら恐ろしいです。
一方、どうしても使わざるを得ないのが食費です。
こちらは2013年を底に順調に増加してます。
特に贅沢した記憶もありませんし、いつも通りの食生活でした。
つまり、消費税分と食料品の値上がりを反映しています。

ここまでを総括すると、上級国民は濡れ手で泡のぼろ儲けで、一般国民は手に職をつけて転職でもしない限り収入増は見込み難いです。
一般国民は生活を切り詰めて、総支出は減らそうとしているのに、食費はどうしても嵩んでしまう

これで景気が回復すると思えるでしょうか??