私は気難しい人間ですが、礼には礼を尽くします。

大変な仕事をするはめになりました。

発端は私の業界の規制当局から会社に来た照会事項です。
製品の許認可に直接関わりますので、会社を挙げての一大事です。

窓口になった情報部が最初対応して、回答したのですが、いかんせんこういうことに慣れてない人達が回答を作ったので、さらに厳しい照会事項が来てしまいました。
緊急でお偉方が集まって会議をしたようで、うちの部長が
「ひでさんに回答を作ってもらったら?」
と進言したそうです。

そんなわけで情報部の部長が直々に私の所にやってきて
「かくかくしかじかで、この部分回答を作って欲しい。」

その照会事項とは
「○○に△△を適用することについて推奨できるか、国内外のガイドライン、御社保有のデータ、文献報告に基づいて、御社の見解を述べてください。また、見解を述べるのに使用した資料を添付してください。なお、資料は最新のものを用いること。」

たぶん他の人なら頭を抱えるところでしょうが、元々こういうことは私の専門領域です。
それどころか、今までの業務でガイドラインも社内データも文献報告も全てレビューして整理してあったので、ほんの3時間程で回答と資料を揃えました。
情報部の部長は平身低頭して感謝の意を示してくれましたが、その後の対応も嬉しかったです。

回答を当局に提出する前に、社内の最終確認の段階で
「添付の回答を最終案とします。各部署にはご協力いただきありがとうございました。」
と、うちの部長、開発部長、営業本部長、経営計画室長に加えて私も宛先に入っていました。
私に気を遣ってくれたのは、明らかでしょう。
CCには、社長に取締役2名が名を連ねており、誰の目にも私が回答作成に大きく寄与していることがわかります。
このように礼儀を尽くしてもらえれば、私の方も快く仕事を引き受けられるというものです。

どこかの誰かみたいに、私に膨大な作業をさせて、自分たちが全てやったことのように会社上層部には報告して、私には何の報告もないのとは大違いです。