大学入学共通テストが思考力・判断力・表現力を問う出題へと変わる中で、中学校の定期テストも一生懸命に知識を覚え、与えられた計算式を解ければ点数が取れるという形から変わってきています。

下写真は、先日行われたある公立中学校１年生の社会科学年末テスト問題の一部です。

例えば地理分野の問題（写真左側）では、地図（写真右側）が資料として与えられていて、生徒は地図を見ながら問題を解きます。

地形や地名をチェックシートで隠したりして丁寧に暗記しても点数を稼げません。

その都市や地域の特徴、地形的条件などを、与えられた情報を読み取り考えなければいけません。

問題一つ一つに作成者の先生の想いが伝わってくるテストでした。

中１なので、資料読み取りと言ってもそれほど難解なものではないにせよ、こうしたスタイルに慣れさせていき、中２・中３では共通テストのようにどの教科でも思考・判断・表現の力と情報処理能力をより問われるような問題にかわっていく予兆を感じます。

歴史分野も含め全ての問題を見ましたが、思わず唸るような問題が多くあって、先生の素晴らしい問題作成能力に感心すると同時に、このスタイルの問題を自作しようとするならば、先生方の思考力・判断力・表現力が非常に高いレベルで要求され、本当に大変な作業になると思います。

教材会社が作成する塾用教材も、学校のテストや入試の変化に現状では十分に追い付いていないものがほとんどで、今後は変わっていくものだと思われますが、全ての教育関係者に思考と行動の変革が迫られていることを痛感します。

もちろん、思考力や判断力と言ってもそれは基礎力という土台の上に築かれるものであって、必要なインプットなくして一足飛びに求められるアウトプットなどできるわけがありません。

表現力も同様で、中身がなければいかにも浅い表現となってしまうのは明白です。

基礎力を固めることは思考・判断・表現のための大切な手段ですから、定期テストでも入試でもこの完成度を上げていくのはやはり必要かつ重要なことです。

ということで、塾や教師にとって、方向性を見誤らぬよう教育改革の動きをしっかりと勉強し掌握し、生徒たちが求められている力を伸ばしていくということでは、腕の見せ所なんだと思います。

皆様の地域ではテスト問題の変化はいかがでしょうか？

中学校の定期テストも思考力・判断力・表現力にシフトする