いざ!未来へ!
強烈な記憶というものは現実でも夢でも、時が経った今尚
鮮明に脳と心に焼きつき忘れる事は出来ない。 いや、忘れてはいけない・・・。
誰とも分からぬ視界で瓦礫と化した一面を映し出し、
やってきた風によって砂埃と木屑が視界を遮るように抜けていく・・・
灰色がかった空は時折、遠くの方でゴロゴロと雷鳴を響かせている・・・
終末の世界に取り残されたような感覚。
混乱。孤独。恐怖。絶望。
圧倒的な現実を前に数分前の記憶を蘇らせる事は著しく困難であり、
それらを全て受け入れるにはあまりにも時間が短すぎる・・・
思考停止になりながらも、
歩き出す映像が映し出されるが同時に裸足であろう感覚も
足の裏に何かが突き刺さる痛みによって分かった。
ふと足元を見ると瓦礫に埋もれている1枚の写真が目に留まった。
黒ずむ手が写真を拾い上げる。
そこに写っていたのは、自分の顔だった。
いや、自分の顔だと思っている他人の顔だったかも知れない・・・。
場面が飛ぶ。 次に視界に入ってきた映像は
ボロボロに壊れた建物の下で男の人が蹲っている。
近くに寄っていくと蹲っているのではなく、男の人が女性に覆いかぶさっている。
女性は微動だにせず、男の人は泣き叫び、言葉にならない言葉を
女性にぶつけ抱きしめていた・・・
その傍らには、うな垂れる中年の男性が立ち竦んでおり、
やり場のない怒りを抑制するのに必死の形相だった。
雨雲はいつの間にか真上にやってきて稲光と共に激しい雨を降らせた。
すると突然、走り出した。
その場から逃げるように走り出す私の?腕を誰かが掴んだ。
ドキっとして恐る恐る振り返ってみると、
その人は悲嘆な表情を浮かべた私自身だった。
そこで目が覚めた・・・
ほんの数ヶ月前の夢だ。
あれは何を意味していたのか・・・
「現実から目を背けるな」と忠告していたのか?
それから数日間は抑鬱的な気分が続いた。
あれから1年が経った。
現実の体験と夢での出来事は何年経っても
私から風化することはないだろう。
どんなに絶望的な事態にも堪え忍び、自暴自棄にならず
少しずつでも復興に向けて努力している日本がある。
だから心の中で叫ぶ。
頑張れ日本! 行き先は未来だ!