それいけホシトラマン!! -439ページ目

転光生

未だに誰も信じてくれないのだが・・・




小4の冬の出来事だ。

朝、先生が教室に入ってくるなり

「え~、今日はみなさんに新しいお友達を紹介します。

マサオ君入りなさい。」

一斉に教室内がざわめき出しみんなドアの方を覗き込んだ。

ガラガラガラとゆっくりドアが開いた。

「うわぁ!」

私は思わず声を上げてしまった。

それと言うのは彼の背中から床ぐらいまである天使のような羽が

生えていたのだ。

「ほらほら、静かにしなさい。マサオ君自己紹介してください」

「はい。みなさん始めまして、○○マサオと言います。

お父さんの転勤でこっちの小学校に転校してきました。

仲良くしてください。」と挨拶した。

みんな、「は~い」と返事をしていたが私は、

『いや、それどころじゃないだろ。誰も羽の事言わないのかよ』と思った。

先生が続けて「マサオ君は愛知の方から・・・・・・・」

私は隣の席の女の子に

「あの羽なんだろうね。飾りにしちゃー大きすぎるし、先生何も言わないねー」と

言った。すると、その女の子は私をまじまじと見、

「はぁー?何言ってるの?羽がどうしたって?」

と逆に聞き返されてしまった。

「いや、あの羽だよ。マサオ君から出てる、ほら・・」

「○○君、からかってるの?全然つまらないよ。」

と段々、女の子の機嫌も悪くなってきたので後ろの席のやつに

「なぁ~、お前は羽見えるよな?」と言ったのだが期待ははずれ

「分けわかんない事言うな。先生の話聞こえないだろ。」と

言われてしまった。

『あの羽みんなに見えてないのか?どういう事だ?』と

頭で考えても分からない。思い切って私は、

「せんせーい。マサオ君から生えてる羽はなんですかー」と大声で言った。

周りのみんなは私を凝視し、先生は、

「○○、今はマサオ君の紹介してるだろ。ふざけるのは休み時間にしなさい」

と、まるで相手にしてくれなかった。

「それじゃーマサオ君の席は○○さんの隣に・・」

揺らいでいる羽は生徒達を透りぬけてマサオ君は私の斜め前の席に座った。


それから普段のように授業が始まり、4時間目も終わろうとした時、

マサオ君が私の方を振り向き『ニヤツ』と笑った。

そして、おもむろに立ち上がり窓の方に向かったと思ったら窓枠に

手をかけた。

『まさか!ここは3階だぞ』と思ったが瞬間、

飛び降りた。いや、羽が大きく開きマサオ君の身体は空に向かって昇り始めた。

みるみるうちにマサオ君の姿は小さくなりやがて一瞬光って消えた・・・

呆然と見ていた私に先生が言った。

「○○、外で遊びたいのなら休み時間にしなさい。」

教室に笑いがおこった。