CAOmama diary**

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平凡だけど、幸せな娘との日々。

母ひとり子ひとり。気ままでマイペースなブログです音譜 飽き性でいろんなものに興味があるので、書く内容は定まりませんが… 基本的には娘との穏やかな日々を綴って行きたいなと思います('-^*)/
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観てきました~



 

シラフでは観れないと噂の

 

「花束みたいな恋をした」







 

坂元裕二さんの脚本、好きなんですよね…

 


最近の有名どころだと

 

「カルテット」「woman」「最高の離婚」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」

 

…めっちゃあるやん!!やっぱスゴイわ。

 

 



そんな数ある作品の中で、私が一番好きな作品は「問題のあるレストラン」です。



 

このドラマの高畑充希さんのキャラやセリフが印象的で

 

しずかちゃんに対する考察が秀悦なんです。ご興味ある方は調べてみてくださいね。

 




 

さて、本題に戻って。

 

 


本当にざっくり言ってしまうと

 


「終始軽くジャブを受け続けて、それが映画の終わりに近づくにつれて徐々に効いてくる」

 


そんな感覚のある映画でした。

 



物語が2014年あたりから時系列で進んで、実際に存在するカルチャーも入れ込まれているからか、

 


リアルに自分の経験と重なっていく部分がちょこちょこあります。

 

 



年齢は関係ないかもしれないけど

 

ある程度恋をしたり結婚を経験したり、社会人になったり…といった経験がある人のほうが

 

受けるジャブの強さは大きいかもしれません。




こうであらなければならない、と社会の流れに適応しようと頑張ってきた人たちとか。




ただこの映画、見る人によって感じることや「おっ」と思うポイントってかなり違うんじゃないでしょうか。

 


人の感想が聞きたくなるし、そこがジャブポイントなんだ~と知りたくなる。


考察が無限にできそう。そんな映画です。

 

 

 




【ここからネタバレ】

 





 

私なりに感じたことを、いくつかにわけて述べたいと思います。

 

超長いので覚悟して読んでください。

 

 



①終始描かれる麦と絹のシンクロニシティ


 

元々2人は思考パターンが似ており・文学や音楽、お笑いなどのサブカルチャーでも非常に好みが似ています。


 

だからこそ、それに付随する行動パターンも一緒のことが多く


 

劇中では多くの「シンクロ」が起こります。

 



まず出会いの場面では2人とも友達に誘われたカラオケの帰りに終電を逃したことをキッカケに

 


お互いを認識し、2人の物語がはじまります。

 


そして何故か同じく終電を逃したカップル(?)とともに朝までやってるお店に入り

 


その帰り道、カップルについて感じていたことや店に神(押井守・本人)が居たことの静かな歓喜など

 

一致点を共有し始めます。

 



その後朝まで一緒に過ごすのですが

 


小説、お笑い、音楽…好みや行動の一致が次々と起こり

 


この時点でお互い「好き」という感情が芽生えています。

 


付き合う前とか、付き合いはじめに気付く一致点(シンクロ)ってすごく運命的に感じますよね。

 



それが好きになるキッカケにもなるし、この人と付き合ったら楽しいだろうなという希望にもなる。


 

偶然の一致は、恋を加速させる強力なエッセンスです。

 

 





このシンクロ現象はその後、同棲、就職活動…と2人を取り巻く環境がどんどん変化していっても起こり続けます。

 



2人の気持ちがすれ違っていても起こります。

 



同じようにシンクロし続けているのに、2人の気持ちが違うだけでこんなに何気ないもの・特に何も感じないものになっていくのがリアルです。

 

 

特に印象的だったのは、お互い仕事の帰りにスーパーで各自買い物している時にバッタリ会うのですが

 


以前なら「一緒だね♡」と喜び合っていたのが

 



この時はもう関係が冷えていた頃なのでお互いに「あぁ…(いたの。)行こっか…」と

 


このシンクロに特に驚くことも喜び合うこともありません。

 

 


シンクロニシティ(偶然の一致)というのは、恋のはじまりには強力なエッセンスとなるけど

 


関係を持続させる理由にはならない、ということ。

 



好みや価値観も同じで、その時は「運命」「奇跡」と感じていたこともそれが当たり前になる、ということ。

 

いや~慣れって怖いですね。

 

 




 

 

②それぞれの「正しさ」の違い


 

2人は大学を卒業後もフリーターとして過ごし、生活(同棲)を続けます。

 


それなりに楽しく過ごしていましたが、麦くんのお父さんからの月5万円の仕送りが打ち切られたことなど(仕送りもらったんかい)

 


色々とキッカケがあり


 

2人での生活を維持するためにまずは麦くんが就職活動を始めます。

 



その様子を見た絹ちゃんも、「私もがんばろう♡」と資格の勉強をし、同じく就職活動を始めます。

 

 

2人で同時に…とはいかないものの、何とか2人とも別々の会社で就職が決まり

 


それぞれの社会人生活がスタートしていきます。

 

 

麦くんはイラストレーターを目指していたので、「5時で帰れる」という入社時の情報に喜び

 


それを聞いて絹ちゃんも「じゃあ終わってから絵、書けるね!」と喜んでいました。


 



しかーし、当然ながらそうもいかない営業職。

 

「最初はみんなそうらしいよ」と自分を納得させながら毎日遅くまで働く麦くん。

 



家に帰ってからもパソコンに向かいます。

 


次第に好きだった漫画にも、小説にも見向きもしなくなり

 


さらには一緒に見に行こうと約束していた舞台も出張でダメになり

 


「これ面白いから出張先で読んでみて」と絹ちゃんから渡された単行本も

 


出張先で超乱雑に扱います。もちろん読みません。

 

 


一方の絹ちゃんは

 

そんな忙しそうな麦くんを理解しようとしながらも

 


映画でクスっと笑った場面で隣を見たら麦くんがぼーっとしていたり

 


本屋で好きな小説雑誌を見つけてウキウキで駈け寄ったけど、麦くんは自己啓発本を立ち読みしていたり

 


明らかに以前とは違う麦くんの様子に疎外感を募らせていきます。

 



さらに「こういうコミュニケーションは頻繁にしたいほうです」と最初に伝えていたにも関わらず

 


セックスレス状態。

 

 


そんな時、以前からの知り合いだったイベント会社の社長と偶然再会し

(ここで突然のオダギリジョー!存在感ハンパない)


 

自分の「好き」を仕事にできるかも…と、新しい世界に飛び込んでいきます。

 

 




絹ちゃんが麦くんに「転職しようと思うの」と打ち明けた時に

(実際はもうオダジョーの会社に顔を出してほぼ転職した状態)


 

2人の鬱々とした気持ちが爆発します。

 



正確には、絹ちゃんが「好きなことや遊びが仕事になる!」というところに魅力を感じて

 


実際にその世界に飛び込もうとしているという事実が

 


麦くんのコンプレックス(イラストレーターとして仕事したかったけど、現実は営業職一色でそんな時間ない)に触れたんだと思います。

 

 


さらに麦くんは、「仕事は遊びじゃない。そんな甘い世界じゃない。俺はずっと2人でいるために、生活するために取引先の人に唾はかれながらも頑張ってるのに」

 


みたいな、超押し付けがましいことを言いますが

 


そもそも就職しようと思った理由が「2人の生活の現状維持のため」だったので

 


麦くんの主張には一貫性があると言えます。

 



これが麦くんにとっての「正しさ」。

 

 



自分がしようとしていることに対して全力で否定された絹ちゃんは「そうだね…」と意見を受け止めつつも


 

「唾はかれるのはおかしい、その人は最低だ」ということを


 

お互いが好きなサブカルも交えて言い返すのですが(詳細は思い出せません)


 

麦くんの反応は冷たいものでした。



 

そもそも大学時代、就職活動の最中に圧迫面接に耐えかねて泣く絹ちゃんに

 


「嫌な思いまでして就職することないよ、辞めちゃえよ。好きなことして生きていったらいいよ」

 


みたいな言葉(この辺もうろ覚え)で諭したのは麦くんです。

 



絹ちゃんもその思いをずっと胸に秘めてきて、

 

やっと好きなことを仕事にできる、楽しい仕事ができる時が来たんですよね。

 



これが絹ちゃんにとっての「正しさ」。

 

 


この頃は完全に2人の進む方向性が違っているので

 

2人ともお互いの「正しさ」を曲げることはできません。

 



「2人で居たい」という根底にある思いは変わらないのに、表面上の「こうあるべき」「こうしたい」

 

という思いだけが大きくなって本質は見えません。

 

 



極めつけは「じゃあ、結婚しようよ!」という

 

好戦的な麦くんのプロポーズ。



 

「じゃあ」って何よ、「じゃあ」って…



 

この時映画館には「やっちまったなコイツ…」という

 

落胆の雰囲気が流れました。

 

 

 




20代って、本当に色んなことを考える時期だと思うんです。

 


仕事で悩むし、周りの友達は結婚しはじめるし…



 

同時に自分のエゴも強くなる時期だとも思うんですよね。

 



妙に尖ってたり、威張ることで自分の立ち位置を確かめようとしたり、マウントとったり。

どこかいつも、焦ってる。

 

 


思い返せばそれも発展途上で起こることなので、今となってはカワイイもんだなと思えるのですがね。

 

 

 

個人的には典型的なサブカル男子だった麦くんが

 


バリバリの営業マンに変貌していき、無自覚に社会の枠にはまろうとしていく姿が

 


自分と重なりました。

 



でもなぜバリバリの営業マンになったかというと絹ちゃんとの生活を守りたいから。

 


それがわかっていたからこそ、絹ちゃんも必要以上に口出ししたくなかったし出来なかったんだろうな…

 




どっちの気持ちもわかるぅぅぅ~~~

 

 

 

③共通の知り合いの死に対する捉え方

 


突然のお葬式シーンで、麦くんの大学時代の先輩で2人とも親交があった人が亡くなったことが判明します。

 


「先輩は、飲むとすぐ海に行こう!と誘うような人だった」と麦くんが回想しているのに対し

 



「先輩は、飲むとすぐ女の子を口説こうとする人だった」と絹ちゃんは回想します。

 



ここで男性脳と女性脳の捉え方の違いをうまく描いていると感じました。


 

一晩中先輩の思い出を語り合いたかった麦くんでしたが、

 



先輩が女好きだったことや付き合っていた彼女にDVをしていた事実を知っている絹ちゃんはそんな気にもなれず

 


「先寝るね」とさっさと寝てしまいます。

 


そんな姿を横目に、麦くんは一人河川敷に行って酒を飲み、先輩との思いでに浸りながら涙を流します。

 

 

ロマンや理想を見る男性脳、真実を見る女性脳。

 



お互いに好きだったサブカルの話ができなくなった今、感情も共有できないのか…と

 


2人の「別れ」に対する意志が固まっていく重要な場面でした。

 

 

 



④ファミレスでの別れ話



 

ここが観客の感情が1番高ぶるシーンかと。

 


「この結婚式が終わったら、別れ話をする」

 



ここでも2人のシンクロは起こり、全く同じ話をお互いの友達に各自しつつも

 


友達の結婚を祝福します。

 


そんな別れ話のキッカケにされているとはつゆ知らず、花嫁姿のお友達は幸せそうにブーケシャワーを浴びます。

 

 

式が終わって、帰り道。

 


別れ話の場所に選んだのは、出会った頃によく行っていたファミレスです。

 



別れ話を始めようとする絹ちゃんでしたが

 


自分も別れ話をするはずだったのに、「俺は別れたくない。」と最後の抵抗をし始める麦くん。

 


しかもまたここで

 


「結婚したらいいと思う。今までと同じように2人で暮らして、子ども作って、ワンボックス買って家族でディズニーランド行って。

 

お互い空気みたいな存在になって…」

 



と結婚後のテンプレートのような文言をツラツラと言い始めた時に

 



また映画館に「やっちまったな、コイツ…part 2」みたいな雰囲気が流れます。

 

 


なんと麦ちゃんも「そうだね…結婚したらいいんだよね…」と流されようとしていた時に

 



一組のカップルが2人の近くに座ります。

 



ここでもまた、悲しいくらいのシンクロが。


 

そのカップルは、5年前、出会った頃の2人とほぼ同じやりとりをしており

 


それを当時の自分達に重ね、2人は号泣します。


 


 


会ってない時間も、「今なにしてるかな」とお互いのことを思っていたあの頃。

 


純粋に好きなものを共有できて嬉しかった気持ち。

 

シンクロにいちいち歓喜し「この人だ」と確信していた時の気持ち。

 

 



お互いが求めているのは、テンプレートみたいな結婚でも、空気みたいな存在になることでもないことには気付いてる。


 

でも、あの頃の2人には戻れない。

 

 

 


その思いを目の当たりにした2人は抱き合いながら泣き、別れます。

 

 

 



ここのシーンの表現の仕方が、ダイレクトに心にグッときて

 


めちゃくちゃ刺さりました。これぞ坂元裕二!!(誰やねん)

 



若いカップル役で出てた清原果耶さんもナチュラルでピュアな感じが良かったし

 


ちょい役ですごい俳優(オダジョーとか戸田恵子さんとか)使うと、作品が引き締まるんだなぁと思いました。(誰やねん)

 

 



このシーンについては言葉では言い表せないので

 

是非実際に観て体感してほしいです。

 

 

 


 

別れた後の清々しい雰囲気。お互い背負っていたものが無くなって

 


軽く語り合える感覚。これも不思議だけど「わかるわぁ~」って人多かったんじゃないかなぁ。

 

 

 

 







 

 

私が感じたジャブポイントは以上です。

 

カップルで見に行くことには賛否両論ありますが

 


冒頭でも言ったように、それぞれ見た人によって感じ方や引っ掛かるポイントや共感ポイントが違うと思うので

 


そういったことを語り合うにはもってこいの映画なんじゃないかなと思います。

 


飲みに行く前に観て、飲みながら語り合うのがオススメかと♪

 

 


 

 

私的には1回目は無言で1人で観て

 

2回目は誰かとお酒でも飲みながらやいのやいの言いながら観たい!と思いました。

 

 

長い文章、読んでくださってありがとうございました!