ヤフーのコメントもですが、マスコミにおいても中国と尖閣をめぐる戦闘の可能性が取りざたされる様になってきました。


その多くは中国軍と自衛隊、戦えばどうなるかと言うことです。


今回は、私が考える戦闘分析です。


まず、中国軍ですが、昔からの特色は変わっておらず、最大の武器は数に物を言わせた人海戦術の一言に尽きます。

最大に強みは、その人海戦術によるランドパワーです。

装備に関しては、以前はソ連、ロシアからの購入、そしてヘリなどはフランスなどから購入していました。

旧式化しつつある装備は近代化改修が施され、今はそれをベースにした近代化版を数多く開発生産をしています。

但し、技術を盗み国産化から発展途上国へ売りさばく行為に、ロシアは新型兵器の売却に応じなくなりました。

EUからは武器禁輸制裁を喰らい、仕方なく旧式技術を基本とした国産開発で対応しています。

その分、軍事技術を狙うスパイの活動が活発です。


そう言った事情により、自由主義圏の先進国の技術には及ばず、数は多いものの旧世代兵器が主流となります。



それに対する自衛隊ですが、米軍と同水準の装備が多く、自由主義圏の中でも5本の指に入ります。

特に、島国国家である日本は、シーパワーこそ最大の強みとなります。

エアパワーにおいては、F-15戦闘機を所有する数少ない国家の一つではありますが、世界でも配備が早かった分、同じF-15でも後に配備された韓国などや米本国のE型などに比べると、性能的に見劣りは否めません。

F-4戦闘機も旧式化の極みなのですが、F-35の遅延により当面退役させることができず、総合能力的に不安が残ります。

しかし、近代化改修による性能向上にパイロットの練度が極めて高く、旧式のF-4が演習で米軍のF-15を撃墜した記録、更に今は亡き元自衛隊パイロットのF-15乗りで、その後アクロバット飛行士に転職したロック岩崎氏は、F-4より更に旧式なF-104と言う冷戦時代の遺物戦闘機で、米軍F-15撃墜した記録もあるほどです。

米軍パイロットは、世界で一番敵に回したくないのが日本のパイロットだと答えたそうです。


また、数が少なくても整備でカバーする稼働率の高さも特徴で、米軍で稼働率60%に対し、日本では98%を誇り、米軍側が不思議に思うそうです。(これは数の少なさを補う日本の知恵でしょう)



そう言った特徴の差がありますが、まず尖閣を巡る戦闘においては、その舞台の多くは海上に海中と、その空域の制空権を巡るものになります。

どちらにおいても、中国最大のメリットである人海戦術は通用せず、中国にとってはやりにくいでしょう。

どちらも装備的には日本に劣り、損害ばかり増えてしまうと、陸上の兵と違って育成や製造に時間が掛かり、簡単には補充できないのです。

日本は領海内の防衛に専念すれば良く、大陸に進出する必要もありませんから、中国最大の強みである人海戦術は封殺され、役に立ちません。


対する自衛隊には装備面で有利性はあるものの、最大の弱点は隊員のモチベーションにあります。

戦争が非現実で行い得ないとタカをくくったサラリーマン隊員が多く、実戦に消極的になりがちでしょう。

サッカーの日韓戦を見れば分かる通り、本気で殺すつもりで挑んでくる韓国側に対し、あくまでもスポーツでしかない日本側の構図と同じです。

部隊のまとめ上げと、士気の維持に苦労すると思われます。


とは言え、偶発的な戦闘であれば、日本有利の展開は間違いないのですが、最もヤバイのは中国から計画の元に攻めてきた場合です。

中国は装備面で劣っているくらい百も承知です。

ですから、大戦時の日本同様、奇襲攻撃により、日本の戦力を一気に壊滅に追い込むことを考えるからです。


日本は憲法上、相手がどんなにやる気を見せて、目の前で本気の戦力増強を見ても、阻止に動くことが許されません。

ひたすら相手が手を出すまで待たねばならんのです。

しかし、手を出してきたときは最後。

こちらに反撃を許す余地は残しません。

中国側は、この先制の一撃で最大の効果を狙う筈で、こうなってしまえば、日本の単独で形成を逆転することは相当難しいでしょう。


やはり、戦争にならない為には、抑止力こそ物を言うワケで、日本も先制が可能な法律に改正し、先制をさせないと言う、開戦を思い止まらせることこそが必要だと思います。

国連での尖閣をめぐる舌戦、中国のもはや罵詈雑言のレベルの言葉に対し、日本の大人しい発言にイラッっとさせられたのは私だけでしょうか?


現状、日本が不利に陥ったと思います。


これは日中の戦略の差。


野田政権に残された時間が無い焦りか、任期中の打開を目指しているのだろうと思いますが、この時期での訪中や国連での発言も、総じてその場だけの対応策。


対して中国側と言えば、事前に中国側による拡大解釈や歪曲による資料を事前にまとめ上げ、各国に配布。

当然、読んだ側にはそれを鵜呑みのする者もいて、中国に利があるとし、その国のマスコミに日本批判が乗ると、それを取り上げ、世界は中国を支持していると既成事実化。

こうした日本包囲網を着々を作り上げつつあるのです。


本来日本が先にこういった根回しで、中国包囲網を作るべきだったのです。

交渉や説明はこうした上でなければ、意味がありません。

子供の使いで終わりです。


遅れを取ったとは言え、日本もこれからでもするべきです。

短期間での解決は、結局棚上げにしかならず、何度でも同じことが繰り返されるだけです。

時間を掛ける戦略にシフトするべきです。


実はそれに関しては逆転を可能とする、日本に有利な点があります。


中国はその影響力の拡大とエネルギー資源の独占のため、積極的に発展途上国に経済的援助を持ちかけ、開発や建設などの権利を手に入れてきました。

その為、日本包囲網において、中国を味方する国も少なくないのですが、その反面反発を招いていることも確かなのです。

国としては中国から金は落ちても、開発の現場には中国人ばかりが押し寄せ、地元の雇用などには一切の貢献も恩恵もない上、交流すら図ろうとしなかったので、中国人への評判は悪く、国によっては排斥運動のデモが起きたりもしています。


それに対し、日本も発展途上国への援助を積極的に行ってきました。

日本の場合は、国の国益のために援助をするのではなく(全くないとは言いませんが)、純粋にその国の生活レベルの向上を考え、無償で支援をしたり、地元の為に汗をかき、地元の人を尊重し積極的に交流してきたことから、日本人の評判は上々で、中国とは全く真逆なところにあるのです。

つまり、中国の諸外国への広報による根回し作戦を日本も行えば、今までの両国の行いから効果は明らかに日本の方が高くなるのです。


つまり尖閣を巡ってのドタバタは日本の愚行ですが、利だけを追求した発展途上国への行いは中国の愚行なのです。


日本は短期解決と言う無理をやめ、時間を掛けた長期に渡る戦略を組み実行するべきです。


言論統制された中国らしくなく、強気な日本批判とは裏腹に、中国の被る経済的ダメージが深刻化しかねず、日本製品の排斥などの愚行をやめるべきとの論説も出始めました。

日本ブランドと言っても生産は中国、日本ブランドでなくても部品を日本からの輸入に頼るなど、日本製を排斥したら、中国ブランドすら残らないと言うことなのです。

既に、レアアースは代替品の開発をされてしまい、他国からも調達ルートを確保しているから、レアアースの輸出規制も通じない。

中国にとっても、我慢く比べに利はないのです。

ですから、本来時間は中国に味方するのですが、今回に限っては日本に味方します。


浮かれた経済の成長も下降に転じ、日本企業の撤退も加速し、他国からのリスクによる進出も足踏み、投資も当然大幅に減れば、日本企業の撤退による大幅な失業者の増加。

日本企業は中国企業より人件費を多く払ってましたから、中国企業に運良く転職できても、待遇に不満は増大。

最終的に、民衆の怒りが共産党や今回の首謀者である習近平へ向くのは時間の問題で、こうなってしまえば反日では誤魔化せなくなり、共産党の崩壊すらない話ではありません。


あくまでも私の私見ではありますが、当面は無視する外交をしつつ、根回しするのが最良でしょう。

ヤフーのニューストピで多かった意見に、日本も原子力空母と原子力潜水艦を持つべきだと言うものがありました。

本日は、この件について考えてみたいと思います。


日本が空母を持つべきだと言うのは、当然中国が遼寧を就役させた対抗と言うことでしょうし、原子力潜水艦はその遼寧を撃沈できる戦力の保有を熱望しているのでしょう。


しかし、これは両方共間違い。


動力の問題ではありません。


では、その理由と、どうするべきかをお話しましょう。


まず、空母ですが、日本人の言う原子力空母は、勿論米国空母を指しています。

基本、米国の海軍装備は世界の警察として、全世界に派遣される外洋型です。

半年に渡る作戦行動となりますので、燃料補給不要の原子力は最善の選択でした。


潜水艦も同様なのですが、潜水艦は見つかってはならない秘匿戦力です。

主に移動する核ミサイルの発射プラットホームとして、長期間にわたり核戦略の一旦を担っている、重要な戦略兵器です。

また、核のプラットホームとは別に、敵を攻撃することが主な任務のハンターキラータイプがあります。


どちらも、世界の全てが活動の舞台であり、この点が日本と大きく異なるのです。


日本は領海内の防衛だけを考えれば良かったし、憲法の関係や、周辺国に対し侵略の意図がない配慮、原子力アレルギーの国内にも考慮する必要がありました。

その為、今の装備体系となった訳です。


しかし、海外へ派遣される任務が生じているものの、その自分で自分に掛けた足かせのお蔭で、航続距離の足りない輸送機や外洋任務に向かない艦などで苦労しているのが現状です。


では、空母はどうでしょう。


例えば、米空母をそのまま日本が運用するとすれば、5000人の乗組員、兵站補給に掛かる装備と人員、その維持費は想像を超える莫大なものとなります。

日本の領海内だけでの運用であれば、とてもコストパフォーマンスに見合う代物ではありません。

これは潜水艦も同様で、日本の利用用途にはオーバースペックなのです。


そこで、日本に合う空母として出てくるのが、今のヘリ空母である、ひゅうが型。

このヘリ空母、実は改装で航空機の搭載も可能な艦なのです。

そこで、このひゅうが改装型に、垂直離着陸できるF-35海兵隊型の搭載で、軽空母にするのです。

F-35自体の完成は遅れていますが、ハリアーより進んだシステムはパイロットの負担も軽く、離着艦が楽になっており、ワイヤーに引っ掛ける着艦より安全度も高いでしょう。

その分、実戦運用に掛かる時間も少なく済み、F-35の性能も相まって、軽空母ながら米軍を除けば無敵と言える能力となります。


中国の遼寧は昨日の日記のとおり、様々な障害の為、実戦運用がまともに出来る代物ではありませんし、出来たとしても数年~十年の時間を要するでしょうが、ひゅうが型とF-35の方式なら、中国より先に実戦運用が可能になります。


また、日本独自としては、あくまで平和の為に存在する自衛隊ですから、国際救助隊と国内の災害への対処を考慮した設計がなされるでしょう。

被災者の一時避難先であったり、病院としての機能であったりです。


それから潜水艦ですが、これも日本が所有する場合、領海内の防衛であれば原子力は必要ありません。

核戦略不要のハンターキラー任務オンリーであれば、ディーゼルで十分です。

今の艦はディーゼルであっても、一週間程度なら潜航したままでいられますし、最新艦なら静粛性に至っては米国の原子力艦より上だったりします。

あまり知られていませんが、ディーゼル潜水艦の技術は日本とドイツが世界でもトップなのです。



基本、目に見える戦力増強が叫ばれていますが、本当はもっと先にしなければならないことがあります。


まずはインテリジェンス、情報です。

日本はアメリカに全面依存しています。

しかし、これが遅れを産みますし、意図的にアメリカから知らされない情報もある事は間違いありません。

つまりは日本独自で情報収集ネットワークを構築する必要があるってことです。

日本は例によって性善説によってきましたから、人に探りを入れる行為を好みませんし、そこに罪悪感を感じてしまいますが、これが遅れを取る要因になっています。

中韓国にはスパイがいますが、日本にはいないのもこの為です。

また、昨今のサイバー戦争もあり、日本、アメリカは被害も多く、この攻撃先の多くは中国からで、軍が秘密裏に戦時の演習、実験、実益を兼ねてやっているものと思われます。

それにも関わらず、この分野の本格的な研究や戦術の確立を行っていません。

そのセキュリティは、呆れるほど脆弱です。

専門部署の設立は急務でしょう。

この分野での勝利なくして、物理兵器での勝利はありません。

情報統合ネットワークが使えなければ、少ない戦力を有効活用できないのです。


以上が、ヤフーニュースのコメから感じた意見です。