芝居見たさと、3時間体育座りの肉体的苦痛の狭間で

 

今年の春公演「鉛の兵隊」のパンフレット

 

 4月も半ばの17、18、19日、神戸に「紅テント」(演目は「鉛の兵隊」)がやって来ていました。

 

 「紅テント」というのは唐十郎さん(2024年没)主宰のアングラ劇団「唐組」の公演のシンボルです。

 ちょうど3年前、やはり神戸での公演が行われた時、熱心な演劇ファンの友人に誘われて初めて足を運びました。

 

神戸・湊川公園に紅テントが並ぶ(2023年撮影)

 

 会場は今回と同じ神戸市兵庫区にある湊川公園。屋外に紅テントを張っての上演です。

 当日はざあざあ降りの雨で、テントの内側とはいえ地べたにシートを張っただけの客席は、お尻の下から水がしみ出してきはしないか、心配しながら体育座りで3時間近く、観劇したことを覚えています。

 

 

 テント内は300人ほどでしょうか、熱心なファンでぎゅうぎゅうの満席でした。芝居が終わってさあ立ち上がろうとしたら、われら高齢者ふたりは下半身が固まってしまって動けません。体を支え合いながら、ようやく立ち上がりました。

 高齢者比率の高い客席では、あちこちで同様の光景が繰り広げられているのを見て、思わず苦笑いしました。

 

 実は今回、公演の情報を知っていながら、テントに入る決心がつかなかった最大の理由がそこにあります。

 前回はなんとか耐え切りましたが、あれから3年、ヒザを筆頭に下半身の硬直化は着実に進んでいます。

 

 

 事情に詳しいその友人によると、テントの最後方にはわずかですが折り畳みの椅子を並べた席も作られるそうです。ただし高齢者には引っ張りだこで、滅多に手には入らないのだとか。

 

残るは東京、長野。まだあきらめたわけでは…

 

 初見の「鉛の兵隊」見たさと肉体的苦痛と…。

 結局、神戸公演は見送ることになってしまいました。

 

 4月25、26日の岡山市旭川河畔はすでに終了。5月2、3日の三重県津市は今からは間に合いません。6月20、21日は長野市、その合間には5月から6月にかけて東京の紅テントの定番スポット、新宿・花園神社、雑司ヶ谷・鬼子母神で公演が行われます。

 

 さあどうしたものか。

 こんなことなら素直に神戸公演を見ておけばよかった…という声も自分の中から聞こえてきます。

 早い話、椅子をズラッと並べて席を作ってくれればいいのに…。