御機嫌よろしゅうございます。
毎度御贔屓を賜り、
真にありがとうございます。
さて、
月組の感想を書いておりましたら、
もはや宙組公演の開幕!
私事ではありますが、
昔から、
芝居を観るために働いておりますと、
曜日で動かずに、
観劇日から次の観劇日でスケジュールを
考えるものですから、
1週間、1ヶ月の経つ感覚が麻痺しております。
盆明けから今日までの約1ヶ月間で、
劇場に足を運んだ日が11日。
3日に一度の観劇。
なるほど、貯金は増えないはずです。
友人からは
まだ一度も
歌舞伎のことを
書いてないじゃないか!
と叱られるのですが、
関西は、歌舞伎が常打ちではありませんからね。
観る回数が限られますと、
なかなか筆を取る気になれません。
最近は、歌舞伎座まで行くのも、
東宝を観に行くついでになってしまいました。
歌舞伎座のおでん食堂や蕎麦屋も姿を消して、
幕間の楽しみも減ってしまいましたしね……
また折を見て、
今月の松嶋屋の菅丞相の感想でも
書いてみたいと思います。
その時はまた、
よろしくお付き合いを賜れますよう
お願い申し上げます。
と、話が逸れました。

正統派レビューに
やりたいことてんこ盛り
で仕上げてきた。
ショーの構成は、
横浜港を出港した豪華客船『みなと丸』が、
世界の港湾都市を巡って神戸に帰港。
その最終地点が『宝塚』という内容だ。
ご存知の方も多いだろうが、
ずんちゃんの『桜木みなと』の芸名は、
横浜の『桜木町』に因んでいる。
教科書で習う、
日本初の鉄道開業区間は、
新橋〜横浜間であるけれど、
その旧横浜駅こそが、
現在の桜木町駅の場所だった。
齋藤氏も横浜の出身。
同郷のトップスター就任は、
さぞや喜ばしいことに違いない。
だが残念なことに、
その喜びと愛が溢れ過ぎたのか、
今のところは
ピントがボヤけてしまっている。
桜木の、
あるいは新生宙組の
『見せたいもの』が伝わってこない。
煮詰まるまで、楽しみにして待ってみよう。
と、
ざっと感想を友人に話してみた。
すると友人からは
どうしてフィナーレで
『海ゆかば』が出てくるのか、
なんか違和感がある
などという人がいると聞いた。
私は、
今年は戦後80年の節目の年だし、阪神大震災からも30年の節目でしょう? 他に何か理由が必要かい?
だって神戸のパートだよ?
神戸港が軍事拠点だったことを知らないのかい?
と申しますと、
「海ゆかば」は鎮魂歌だから、
違う意味が
あるんじゃないのか?
と騒いでいる人がいるとのこと。まぁ、
いつの時代にも、
『自分の感受性は違う!』
と、変な言い掛かりを付けたい人はいるもので。
そういう変な人は、
あぁ、変な人だ
と距離を置くしかないですね。
確かにね、
「海ゆかば」に関しては、
『軍歌だ! 』
『いや、鎮魂歌だ! 』
と、政治的に騒ぐ変な人たちが
沢山いるんです。
しかし、
曲としては、
海軍の式典用の曲=儀制曲として、
行進曲「軍艦」=いわゆる「軍艦マーチ」の
間奏部分に取り入れられたのが始まりで、
それをさらに、
日本放送協会=NHKが、
昭和12年に、
戦意高揚を目的とした国民歌謡、BGMとして、
改めて、信時潔に作曲を依頼したものが、
今回の「海ゆかば」です。
これを鎮魂歌だと誤解する人が多いのは、
日本軍の玉砕を伝えるニュースのBGMとして、
当時のNHKや軍部が多用したからなんです。
ただ実際は、
『女々しくなく、荘重に聴こえる曲』として、
悪用されてきたと言った方が良いでしょうね。
さらに「海ゆかば」の詞を辿れば、
奈良時代の歌人であり貴族であった
大伴家持の古歌に行きつきます。
聖武天皇の時代。
奈良の大仏建立のために、
陸奥国(現在の宮城県)から金が献上されました。
大仏に鍍金するための
「金」の不足に難渋していた聖武天皇は、
この献上を大いに喜びました。
そして、
さらなる金の産出を命じる詔書が発せられます。
この詔書に引用されたのが、
かつては中央政界で活躍していた
大伴氏の家訓でした。
ですが家持の時代には、
新興勢力となった藤原氏に追い落され、
大伴氏は凋落の一途にありました。
先日、月組で再演された『花の業平』で、
佳城葵が演じていた伴大納言が、
この大伴氏の子孫です。
落ち目の真っ只中にいた家持に取って、
詔書に、自家の家訓が引用されることは、
この上ない名誉と、
中央政界復帰のチャンスと思ったことでしょう。
そこで、
歌人でもあった家持が、
その金献上のお祝いと、家訓が引用された
御礼を兼ねて贈った長歌の一部が、
「海ゆかば」の原詞となりました。
その長歌の内容を簡単に言えば、
大伴氏のこれまでの功績と、天皇に忠誠を誓う
一種のゴマすり歌です。
つまり、
実際には
誰も死んでいませんから、
鎮魂の意味も全くありません。
それをねじ曲げて、
さも『鎮魂』の意味があるように
利用してきたのが、戦前戦中の軍部でした。
なのでね、
またもや鎮魂だのどうのと騒ぐ人たちは、
その戦前戦中の軍部同様に、
何かをねじ曲げたい人たち
なんでしょうね。
と、下らない内容で長くなりました。
宙組の公演評については、
また後日に。
今夜はこれから
『四月は君の嘘』に行って参ります。
最後まで御覧頂き、
真にありがとうございます。





