大阪の地からおはようございます。こんにちは。こんばんは。謎のブロガーXです。
今日はちょっと長めかな?時間のある時に読んでくださいね。


突然ですが、皆さん読書はされますか?僕は最近読書において新たな試みを始めました。今までは普通に読んでそれで終わり、でしたが、大学に入ってからは「本を丁寧に深く読む機会」を作るようにしたのです。
簡単に言うと、読んで、調べる。これだけです。
ちょうど文学部に在籍している事もあり、授業でもそういった活動をしていますからね。いいタイミングではないでしょうか。


良いですよね。読書。ほんの一時、作品の世界に没頭して、物語に身を委ねて。洗練された文章は読むだけでどこか幸福感を感じます。
それと、今の時期はとにかく雨が多い!皆さん雨の日なんてやる事あまり無いでしょう!?(なんて失礼な)
暇ならお部屋の掃除でもして、シャワー浴びてサッパリして、読書でもしましょう!雨の音をBGMに活字と語り合うんです!


そんな僕が最近読了した短編があります。皆さんご存知、芥川龍之介『地獄変』です。今回はこの作品を読んだ感想を、あらすじやら何やらをご紹介した後に軽ーくつらつらっと書いていきます。


1.『地獄変』とは

…そもそも『地獄変』という作品をご存知でない方もいるはず。皆が皆知っているようなテンションで書いてちゃあいかんでしょ。てな訳で軽い説明をば。


『地獄変』大正7年(1918年) 4月作。
芥川氏が27歳とかそこらの頃ですね。今の「毎日新聞」の前身である「大阪毎日」「東京日日」誌上に、その年の5月1日から22日まで掲載されていました。新聞で連載されていたんですね。この作品。
…ちなみに奥さんの文子さんとご結婚なさったのもこの時期。それに伴い鎌倉に新居を構える算段も立っていました。芥川氏、イケイケです。


芥川作品の多くに共通するのが、「元ネタの存在」です。昔々の大昔、それこそ平安時代や鎌倉時代に書かれたお話なんかを元にして執筆を進めていたそうです。今回の『地獄変』も例外ではなく、『宇治拾遺物語』(鎌倉時代の説話集)の内の一つ、「絵仏師良秀」というお話が元ネタとされています。


他にも様々な特徴があります。例えばこの『地獄変』、比較的長い作品なのです。原稿用紙にすると73,4枚にもなります。これ400字詰めでしょうか。もしそうなら数年後僕が書くであろう卒業論文より長いですね。なんてお人だぁ……。


また、調べていくと芥川氏、どうやら遅筆だったようです。……遅筆だったようなんです。でもこちらの『地獄変』、執筆開始は同年1月だそうです。3ヶ月や4ヶ月で書けますか!?こんなもの!!おそらくこちらの『地獄変』超超力作だったんですね。


2.あらすじ

ネタバレだけは避けなけきゃあいけないッ!!!!!!!

あらすじに関しては軽ーく軽ーく、そっとふわっとお話しいたします。


堀川の大殿様、と呼ばれる方が権勢を振るっておられた時代です。この殿様、お話の中で殊更に持ち上げられて(ヨイショされて)います。…なんかおかしいよなぁ?


あるところに本朝一(言ってしまえば日本一レベル)との呼び声が高い絵仏師がおったそうです。
良秀(よしひで)という名前のその老人は、こと絵に関しては右に出るものはいない、それほどの絵師でした。
ですが彼はとにかく性格が悪かった。性格も悪ければ外見も醜かった。その傲慢でケチな性格の猿みたいな爺をみんな忌み嫌いました。


そんな画狂モンキーには娘が1人いました。これまた美人でお利口さん。親父の猿とは似ても似つかぬ玉のように清らかなお嬢さんでした。良秀も自分の娘は気でも狂ったかのように可愛がります。彼女は堀川の大殿様のお屋敷へ女房として上がっていました。
それが気に食わぬ神絵師モンキー、大殿様に幾度となく娘を家に返すよう言います。大殿様も大殿様で娘を気に入っておりましたので次第に良秀への心象は悪くなっていきます。


そんな折に堀川の大殿様から良秀へ、地獄変の屏風を描くよう命令が下ります。しかし良秀、自分が直接見たものしか描くことができなくて……。


はい、ここまで!大雑把に掻い摘んで説明しました!なんとかしてこのあらすじを読んだ方々が『地獄変』を読みたくなればいいなぁとか思ったり。…思ったり。


3.感想

読んでみての感想ですが……。


いやーすごかった(語彙力)やっぱり最後ですよね。最後の最後がとんでもびっくりでした。良秀
、お前はそこまでやるのか、と。芸術至上主義のエゴイズム、その極致の一つを見た。そんな気さえします。

それと、これを言ってしまうと少しばかりネタバレになってしまうかもしれませんが、語り手の違和感に気づいた時の鳥肌がやばかったです。こちらの『地獄変』、堀川の大殿様に20年仕えた男が語り手となって、まるで彼の独白のように物語が進行していきます。


語り手は堀川の大殿様に20年も仕えていました。
あらすじの段で殿様はやたらとヨイショされていた、と書きました。
その通りに、作中では殿様の悪い噂なんかをその都度その都度語り手の男が否定し、加えて過剰なまでに持ち上げています。


20年来の家来。過剰なまでに美化される堀川の大殿様。実際に読んでみれば、あなたも違和感に気づくはずです。
あらすじの段ではまだまだ書けていないシーンもたくさんあります。今の時代、検索すれば青空文庫かなんかで簡単に読めることでしょう。
是非、ご一読下さい。


4.最後に

ここまで、すっかり長くなってしまいました。スマートフォンでここまで長い文章を入力したのは初めてです…。


媒体は何であれ、自分の好きなものを誰かにオススメするのは非常に気分がいい。そうは思いませんか皆さん。今これを打っている僕はとても多幸感に満ち満ちた表情をしています。


始めたてのブログで、第2回目の記事。1回目はご挨拶程度でしたので実質今回が初めてかな?またこういったブログを書いてみたいですね。いっそのことシリーズ化しましょうか。そんなことも考えています。


今回は読書について語りました。


以前、読書は心の栄養、という言葉をどこかで耳にしました。無論「心の栄養」は読書に限ったものでは無いでしょう。音楽や絵画。漫画。芸術活動(絵を描いたり、工作したり、そのほか諸々)なども「心の栄養」と呼べるでしょう。美味しい食事、なんかも当てはまるでしょう。お腹だけでなく心も満たされて幸せな気分になります。


ですが栄養が偏っていてはいけない。どれも魅力的ですし、一つに熱中するのも、それはそれで良いかもしれません。ですが心だってバランスよく栄養をとらなければ貧相なものになってしまうと、僕は考えます。いろんなものに触れ、鑑賞し、想像し、考える。心を豊かなものにするためには、幅広い好奇心と行動力が肝要でしょう。
この機会に、日頃読者をされないあなたも新たな一歩を踏み出してはいかがでしょうか。

それではまた……。
日頃読書をしない。けどこの機会に本を読んでみたい……読書家になりたい……そんなあなたは、まず図書館に行ってみてはどうでしょうか。無料で本が読めるんです。こんなうめぇ話が他にありますか。


図書館に行けば、それはそれは莫大な数の本があります。例えば今回は小説のお話でしたので、小説の書棚へ向かいますと、もう目が回るような数の小説に出会えます。


その中から、ピンときた一冊を探すのです。きっかけはなんでも。強いて言うなら直感です。読みやすそう、とかタイトルが面白い、とか。そうして選んだその本を読んでみてください。


読んでみてその本が肌に合わなければ、すぐに切り捨てましょう。あなたが面白いと思えない本にあなたの時間を割く必要はありません。


面白いと思える本に出会ったら、その作者の他の本を探してみましょう。おそらくは大抵が肌に合うはずです。


数回繰り返せば「この作者さんにハマった!」と言える作家さんに出会えるはずです。そんな作家さんに出会えれば後は簡単。他の本を読み漁って買って、新刊が出たらそれも買うんです。
貴方の好きな作家を養うのは貴方です。


気付けば貴方は生粋の読書家。しかも推しの作者さんまでいる。
簡単な事です。まずは行動しましょう。軽い気持ちで。


以上。謎のブロガーXでした。